貝原益軒は江戸初期、17世紀ごろに活躍した人で、福岡出身、幼いころから病弱だったため、読書に励み博識になったと言われています。その関係からか漢方(本草学)をかなり勉強し、本も多く著わしています。それらの知識や学習をわかりやすく、一般庶民にも理解できるように書かれたのが『養生訓』であり、多くの人に読まれました。
養生訓(巻第一 総論上)には、「養生の術は、まずわが身をそこなう物を去るべし。身をそこなう物は、内欲と外邪となり。内欲とは飲食の欲、好色の欲、唾の欲、言語をほしいままにする欲と、喜怒憂思悲恐驚の七情の欲を言う。外邪とは天の四気なり。風寒暑湿を言う。内欲をこらえて少なくし、外邪をおそれて防ぐ、これをもって元気をそこなわず、病をなくして天年を永く保つべし」と書かれています。
これを簡単に訳せば「養生の方法は、まず自分の身体を損なうものを排除するべきである。身体を損なうものとは、内欲と外邪である。内欲とは飲食の欲、セックスの欲、唾(つば。ですが、これの意味がよく分かりません(^^;) 唾液の唾ですから、食べ物の欲かな?と思っても直前に「飲食の欲」がありますし。唾を飛ばしてしゃべるのかなと思っても、次に「言葉を~の欲」があるので。もしわかる方がいらっしゃったら教えて下さいね)、言いたいことを何も考えずにしゃべる欲と、喜び、怒り、憂い、思い、悲しみ、恐れ、驚きの七つの感情を抑制なく出してしまう欲である。外邪とは天(天体)の四つの気である。風、寒、暑、湿気を言う。内欲を我慢して少なくし、外邪を警戒して(身体に侵入してこないように)防ぐ、これをキチンとしておけば元気をそこなわず、病気にならずに寿命を長く伸ばすことが出来る。」という意味になります。
これらの内容は、東洋医学を勉強していると「確かにな~」と思う内容です。中国の古典にも出てくる内容の要約とも言えるでしょう。もちろん、現代にも通用する内容ですよね。東洋医学っぽいのは、①「好色の欲」を抑えなさい、それから②「七つの感情」をコントロールしなさい、③「外邪」の考え方でしょうか。①は五臓の「腎」を弱める、つまりその人の持っている生命力の根本を削るから、②は7つのそれぞれの感情が五臓のバランスを崩したり、弱めたり、場合によっては「熱」や「寒」を発生させるから、③は人間の体は地球の気候に大きく影響されるものであり、中でも春夏秋冬の四季と関係の深い、「風」「湿気」「暑さ」(「乾燥」)「寒さ」に負ける(が侵入してくる)と病気になってしまう、ということです。
少し難しい内容になりましたが、大まかに言えば、飲みすぎ・食べ過ぎを避け、気持ちのコントロールをうまくすること、そして「外邪(風、湿気、暑さ、乾燥、寒さ)」に接触し過ぎないことが、「元気」を保ち、病気をせずに、与えられた寿命を全うする手助けとなりますよ、ということになります。新年にあたって、皆さん、もう一度自分の生活を見直してみませんか?
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