生薬になる植物には身近なものが結構ありますが、「陳皮(チンピ)」もその一つ。

温州みかんの皮を1年以上乾燥させたもので、橘皮(キッピ)とも言いいます。陳皮の陳は、古いという意味ですが、その名のとおり古いものほど品質や効果が高いとされていますびっくり

上の写真が煎じ薬などで使う、いわゆる「陳皮」。ミカンの良い香りがしますにやり

 

この陳皮はスパイスとしても重宝されます。

中華料理の有名なスパイス「五香粉」にも、桂皮、茴香、大茴香、丁子などの生薬とともに使われていますし、お正月に飲む縁起物の薬酒である「お屠蘇(屠蘇散)」にも配合されています。

パッケージの原材料名には「香辛料」としか書かれていませんが、市販のカレー粉には陳皮の粉が入っていますびっくり 七味唐辛子の七味の一つであることも意外に知られていませんネ。

陳皮はその個性的な香りが多方面に利用されている貴重な生薬と言えるでしょう。

 

この陳皮は、漢方薬の処方では、参蘇飲、二陳湯、半夏白朮天麻湯、補中益気湯などを構成していることからわかりますが、健胃作用がありますウインク 特に、胃腸の蠕動を調整して水分の吸収を促進しますので、嘔吐・食欲不振・腹痛などの症状の処方の中でよく使われます。

 

ところでこの陳皮は漢方薬局で入手できますが、家庭でも手軽に作ることができます。ミカンの果実を食べて皮の部分を捨てずに、日陰でよく干してください。生薬と同じ効果を得ようとすれば、1年ぐらいは陰干しを続けたほうが良いでしょう。ちょっと長いですがアセアセ

ただし、市販のミカンの皮には農薬やワックスが残留している可能性がありますので、しっかり水洗いするなど注意が必要です。

 

料理に使う場合は、この乾燥させた皮を粉末にします。陳皮の粉末を服用する場合は、1日小さじ1~2杯を水か白湯に溶かして飲みます。牛乳や野菜ジュース、スープなどに混ぜて飲んでも大丈夫ですヨ口笛 比較的手軽に出来ますので、胃腸不良の方や余分な水気が溜まりやすい方はもちろん、香り付けにも楽しめますので是非お試しあれ!