Fig Mosaic Virusのこと
イチジクに感染するウイルスで、Bunyavirus科に属すると推定されている未帰属の植物ウイルスであり、マイナス一本鎖RNAをゲノムとするウイルスらしいです。
これに感染すると葉っぱの奇形や果実の変形、斑、樹勢が弱くなる等が発生したりします。
イチジクモンサビダニという0.2mm程のダニが感染樹木を吸い、それが未感染のイチジクに移って樹液を吸うことで感染するという事らしいです。接触感染ではなく、ダニをベクターにした感染らしいのでダニさえ居なければ問題ないし、距離を離せば問題ないという事らしいです。
結構気をつけて導入していたのですが、バッタリアグリーンを手に入れた時に『絶対FMVでしょ!』とは思ったものの、そんなに大量に出てくる品種でもないことから買っちゃったんですよね。(間違いの可能性に懸けて)

葉脈に沿って色の抜けた斑があったり、奇形の葉があったり…あやしさ満点
大きくなったら影響無くなるとか?
海外のナーセリーでは『FMV?だいたい持ってるからあんま気にするなHA!HA!HA!』ってなものらしいです。
ついでに『大きくなったら影響なくなるよ!』って事らしい。
最初、ちょっと強く影響出ている葉をむしったりしてみましたが、本体にもウイルスが入り込んでいるためか、次に出てくる葉もやはり斑が入っていて、どうしようもない。
まさに不治の病。
まぁそれでも捨てるのは忍びなく、育ててるんですけど、

結構大きくなりました。普通にぐんぐん伸びるし、成長とともに斑や奇形は減ってきています。
一部に奇形や斑のある葉っぱもありますが、おそらくウイルスの増殖スピードの方が早い幼苗のうちは症状が強く出て、ある程度大きくなるとウイルスの増殖スピードを成長速度が上回って影響が出にくくなるんだと思われます。植物だからウイルスの排除機構は持ってないだろうし。
そして細胞分裂が落ち着いてからは、あまり問題にならないという感じです。
まぁそれでもキャリアであることには違いなく、品種により感度の違いこそあれ、同じイチジクなので感染する可能性はあるので落葉したら葉っぱは全部処分しますけどね。

症状の出ている葉
挿し木しているバッタリアグリーンはそんな様子は無いので、挿し木が大きくなったらこの株は実家用に持って帰りましょうかね。
品種によってはマザーツリーが感染していることもあるそうで、そうなるとその品種の全ての挿し木苗は感染しているということになるんですが、ブランシュダルジャンテイユなんかはそうらしいです。
でもウチのブランシュダルジャンテイユは全くそのような兆候がなく、つまるところ良くわからんのが正直なところ。
考えられるのは①マザーツリーとされているものから挿し木された後にマザーツリーが感染。入手したのはマザーツリーから感染前に挿し木されたもののクローン(未感染)②感染しているけど症状が出にくい(キャリア)③実は別の品種④僕が判ってないだけ、のどれかかなと思うんですけど、実際は実がなってみないと判りません。いや、なっても判んないやも。
ブラックマデイラなんかもブランシュダルジャンテイユと同じらしいですが、全く症状の出てない綺麗な葉っぱのもあるんですよね。ブラックマデイラなんかはもはや流通自体がカオスなので真相は絶対判らないですが。