魚まつり | ぽんのあれこれ

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徒然なるままに日暮し、スマホに向かいて心に移り行くよしなしごとを書き連ねます。基本的には備忘録。


気になったらお好きにコメントしていただければと思います。

  魚はうまい


さてさて。釣ってきたタマメとウスバ。どう食べようか。(おまけでグレも)


特に期待はタマメなんですよね。


ちいさいやつは何度か捕ったことありますが、50cmを越えるようなのは初めて。



こんなん、うまいに決まってる。


  ウスバハギ


まずはウスバハギから。こいつは大きなカワハギなんですが、本家カワハギと比べてどうも水っぽくて、鍋には良いんですが、刺身だとあまり輝かない。


なんだけど、刺身が食べたい奴らが多くてですね。上のちびはこの刺身爆食いでした。

しゃーないから刺身を作りましたが、やっぱり大したことないというか、食感も良くない。不味くはないんだけどなぁ…★二つですね。


で、肝なんですが、やっぱりカワハギは肝があってこそ。むしろこっちが本体ですかね。前日に茹でて冷蔵庫に入れてましたがどうかな…

うわぁ…現場で内臓処理出来なかったのでなんか匂いが残念…味はうまいんですけどね。これは処理ミスということで、ノーカン。


さて、刺身という免罪符も得たので、個人的には大本命、ウスバハギのフライです。半分は梅しそ巻きにしてます。


結論、これが大正解ですね。一番下のちびの好みらしい。★4つ。水っぽさは揚げることでジューシーになり、癖のない白身の真価が発揮されます。が、皮目の脂ががあるわけで無し、身にコクがあるわけでなし、いわばのり弁の白身フライ的な当たり障りなさ。けどまぁ普通に美味しい白身なので、梅しそとの相性も良く、ご飯にも合います。うまい。


  タマメ



さてさて。タマメは当日カッチカチに死後硬直してるので今食べても絶対味がないはず。ヒブダイ、コロダイ、タマメのお化け三種の大型個体をこれでコンプリートですわ。どれが一番美味しいか気になるところ。



ということで、まずはタマメの白子ポン酢。これはもう★4つでした。ものすごいサイズの白子が入ってたんですが、血抜きしてたのもあって無臭。とろける感じは径が大きくまん丸なタマメの白子の方がタラの白子より顕著でした。



続いてもう半分の白子とウスバハギの卵の煮付け。これも甘辛い煮汁と白子の風味がマッチしており、激ウマ。★4つ半。

白子の癖が苦手でも醤油と生姜のパワーで瞬殺です。真ん中のちびのお気に入り。


続いて胸肉の塩焼き。ガラを外した際に出る胸鰭部分の肉ですが、これを塩して焼いたもの。焼き目の付いた皮はゼラチン質に富み、ジュワッと旨味を感じます。肉質は噛むとギュッと締まるタイプで、スポンジの様に脂や旨味を閉じ込めるタイプな上に、肉自体にもかなり旨味を感じました。癖のある匂いなども皆無で、これは…絶品。★五つ。


続いて、タマメとウスバハギのアラ汁。


ウスバハギは熱湯にガラを入れて、一旦ゆでこぼし、タマメはグリルでしっかり焼いてから湯の中に。しっかりアクをとりながら汁が乳化して濁るまでしっかり出汁を取りました。


まだ味噌入れてないのにこの白濁スープはヤベェやつだわ…


だしの素とかを使わず、味噌だけ溶いて完成。具は解したタマメの身と皮、ウスバハギのガラから外した身と豆腐だけ。


一口飲んでみると、だしの素を使ってないのが信じられない位の旨味を感じます。更に、その見た目からは信じられない位のすっきりとして雑味のない出汁と、皮目から出た脂の深いコクを感じます。こっくりとうまい。これだけうまいとなると皮目を着けた焙りなんかも絶対美味しいし、内臓付近の身でも全然臭くないので、刺身にしても間違いないですね。勝ち確ってヤツ。個人的には唇付近のプルプルした皮が一番美味しかったですね。★五つ+α。


味噌汁で半端ないポテンシャルを感じたので



潮汁も作りました。タマメ中骨の潮汁。浮いている玉脂が成功を約束してますね。敢えて昆布を入れて旨味を相乗させてみましたが、最高でした。キジハタの潮汁に匹敵する旨味。これも★五つ。


さて。三日間寝かせたので本丸を。



タマメの刺身と焙りです。何が似てるかなぁ…イサキの刺身、あるいは鯛と鰆の中間…かなぁ。カッチカチだった死後硬直も解けており、身体に回った脂で身は白濁してます。ハラミ部分は中トロの質感を持った白身ですね。ここを噛んでるとじっくりじんわりと皮目の脂が溶け出してきて最高に美味しい。何だろうな?どこか食べたことあるような気がするのに、良い例えが見当たりません。とりあえずすこぶる美味しい。皮目がある焙りの方が脂感があってうまいのですが、皮を引いてもハラミ部分の脂が凄いので物足りなさはないですね。塩だけで食べても甘味を感じる良い刺身です。どちらも★五つ!

  お化け三種を比べてみる


ヒブダイ、コロダイそして、タマメ。


武者泊に巣食う針泥棒であり、お化けの正体。


やっと大型のタマメが食べられたので思い出しながら比較。


気になるその順位ですが、


タマメ>ヒブダイ>=コロダイ


ですかね。身質の良さはタマメとコロダイが良い勝負ですが、風味や味を加味してみると個人的にはこんな感じ。


タマメの身質はマダイとサワラの間、あるいはイサキの様で、火を通した時の脂を伴った深いコクが最高です。刺身でも焙りでもうまい。尖った大きなしっぽの生み出す力のとおり、しっかりした筋肉をもっておりそりゃ強いわけだわと納得してしまいます。


次点のヒブダイですが、暴力的な引きからは考えられない程に繊細にほぐれる柔らかい繊維質は特筆に値するし、丸太の様に太い体型で頭の大きさを差し引いても歩留まりが良い。トロピカルな見た目の割に天ぷらや鍋等の和食はもちろん、分厚いゼラチン質の皮を付けたままのムニエル等の洋風料理でも輝きます。刺身だと真価を発揮しないのが残念です。


この三者では最下位となってしまったコロダイですが、磯際をうろうろしている為か、極々稀に微かに磯臭いやつが居ます。とはいえ、イシダイなんかよりは全然ナチュラルで、無臭と言っても過言ではないレベルで、刺身でもムニエルでもちゃんと美味しいのは流石にイサキ科なだけあるなと。


とりあえず初めての大型タマメでしたが、美味の一言ですね。これは毎回釣れても全然嬉しいですね。