ビオレソリエスも導入します
さて。我が家のベランダ、完全に僕の苗床となってまして。
こんな感じに。
おかしいな。しばらく前まではオリーブとポポーしかなかったはずなのに…。
変な収集癖が発揮された結果、そこに加えて今度はこんなん導入しました。
イチジクですね。
品種はビオレソリエス。
え?ちょっと前にイチジク買ってた?
あれはレディグレイだからまた別な品種でしてね…
イチジク界隈、むっちゃ沼
果樹を育てるものにとって何より大変なのが実が出来るまでの世話。
桃栗三年柿八年と言いますが、果樹が本来出来るまでというのは相当な時間が必要です。
成熟した台木の力を借りる接ぎ木や成長した木の力を発根にも使ってもらう挿し木なんかは別ですが。
こと、イチジクに関して言えば、毎年剪定が必要な程大きくなりますし、更にその枝を地面に刺しておけばその太さの苗になるという挿し木の成功率がめちゃくちゃ高く、その翌年や翌翌年には実を付けるため、この実がなるまでの世話が最短です。
大した病害虫も多くなく、対策もあるので最近のステイホームの趣味として手軽に始められるとして人気になったようです。
また、イチジクの市場流通は柔らかい実や雨に弱く腐りやすい等の理由でそれ程多くなく、有名な桝井ドーフィンや、蓬莱柿程度に限られており、流通しても日持ちのために完熟手前で収穫されるので、どうしてもそれ程美味しいと思えないものばかりなので、完熟がおうちで味わえるというのは育てる価値を感じます。
また、一部の品種のみだった流通もマニアックの登場で国内に様々な品種が持ち込まれ、それが挿し木で増やされることでねずみ算的に流通量が増えており安価にスタートできることも拍車をかけているように思います。
更にイチジクの多様性(果皮の色、果肉の色、時期、風味等)が故に収集癖を擽られるというのもポイントかと思います。
我が家では昔からイチジクの木はありましたが、蓬莱柿があったくらいで、幼い頃にバナーネとドーフィンを導入して今ではバナーネの大木があるのはあるんですが、つい手を出してしまったというのが現状に繋がってます。
由緒正しきイチジク
イチジクは聖書に掛かれているほど昔からあった果樹で、様々な品種が生まれておりその数は1000種類にもなるとか。僕が世話しているのはそのうち四種。
蓬莱柿は江戸時代にペルシャ近辺の品種が中国を経て長崎に持ち込まれたのが始まりといわれ、明治以降持ち込まれた桝井ドーフィン等と区別するために日本早生種や日本イチジクといわれてます。分類的には白イチジクで、黄緑かかった褐色から赤紫の甘いイチジクです。お尻が三角から星形に割れやすいです。

バナーネはその細長い果実をバナナに例えた名であり、正式にはlongue d'Aout(ロングドゥート)という名が付いてます。フランスが発祥の地。昨年から付いている枝になる夏果は大きくなり、世界一大きいイチジクとも。緑から黄色の果皮で、甘くなると白いポツポツした点が出てくる。ひたすら甘く、イチジク独特の風味には乏しいのでイチジク苦手でも食べやすい。
レディグレイは別名Col De Dame Grisと言い、貴婦人(dame:madam)の(de:of)首(col:color)という訳になるスペイン原産のイチジク。特筆すべきはその糖度で、なんと32度にもなるという世界一甘いイチジクです。緑灰(gris:gray)色の果皮に赤い中身をしており、首が長く下半身に掛けて抑揚がある特徴的な見た目です。レディシリーズは他にもブラック、ホワイト、レッド、ミュータント等のCol De Dameタイプと呼ばれるグループがあるそうですがどれも高い糖度になるようです。

ビオレソリエスはフランスはプロヴァンス地方ソリエス・ポン周辺の村を原産とする黒いイチジクで、ブルジャソットグリースタイプのイチジクとされ、viollette(バイオレット)De Sollies(ソリエス) のとおり実際は濃い赤褐色から深い紫色をした少し左右に潰れたような形の実を付けるイチジクです。
栄養成長が凄まじいらしく、樹勢は壮健なんですが、木というのは自らを大きくするための栄養成長と子孫を残すための繁殖成長とが両立しないため、栄養成長のスイッチが入っていると繁殖栄養のスイッチが入りづらく、なかなか実がならなかったり途中で落果したりと色々気難しい品種だそうで、それゆえに「幻の黒いダイヤ」なる二つ名をもつ高級品種とされています。
鉢植えだと栄養成長に早くから限界が来るようで、路地植えより早く実を付けるようですが。その味は甘く、甘さの中に酸味やベリーのような風味を併せ持つとされてます。

黒、白、グレーのイチジクは揃えたので、あとは緑皮で中味が真っ赤な、いわゆるアドリアチックタイプのイチジクを集めてみたい気がしますね。他にも中味が黄色いイチジクも気になります。
こういうのが沼らせるポイントなんでしょうね。
根っこつよし



