釣りの良いところ
釣りたての魚を活けで〆て血抜きして10分後には冷蔵処理出来る事と、そんな魚を一番ベストなタイミングで料理できること。
これに勝る幸せはないかもしれません。
なんという持続型の幸福を味わえるアクティビティなんでしょう。
イサキ賛歌
僕はこの梅雨時期のイサキが大好きで、それこそ日本の海の宝はイワシとイサキだと思ってます。
毎日イサキ食べても良いと思うくらいには好きですね。全ての魚類の中でもトップ3を争う位に美味しい魚だと思います。
さて。今回のイサキたち。
どうやって食べてやろうか…
気持ちははやります。という事で
けしからんボディに見合うだけのけしからん脂の乗り。
そういえば、武者の漁師にはイサキを狙う人が多く、撒き餌によってイサキの脂が着色することを嫌うために釣り人の撒き餌がアミとボイルとパン粉のみに限られているという話を船頭から聞いたことがありますが、配合を許されている今回の中泊のイサキはどれも脂肪の着色は無く、果たしてどれ程本当なのかな?と思わんではない。
閑話休題。
今回のイサキも脂ノリノリなので、この脂を楽しみたいのですが、刺身との違いも楽しみたいので、焙りと刺身と作ることにします。持っていた真子とキモは煮付けます。アラは焼いてからすまし汁にします。
これを切りつけて、
いやーイサキ美味いわ
まずは焙りから。なんというか、魚の味を越えてる。焙りなんかもはや牛。脂がはっきりと甘い。
しいて言うならばノドグロに似ている。皮付きの焙りであっても魚の香りが無い。
脂の甘みがガツンと来たあと、粗塩を纏った身からの旨味が波状攻撃を掛けてくる。飲み込む頃には口の中が旨味でいっぱいになって香ばしい皮目の焦げた香りが抜ける。
美味。これを美味とせず、何を美味と言うのか。
アラの焼けた皮目や骨の香りがアゴだしのようだ。シジミ汁の様にチマチマと残った身を外して骨を取り、一口啜るとイサキの溶け出した旨味がしょうゆやみりんの旨味とがっつりスクラムを組んで襲いかかってくる。これは1トライ。
魚の臭みを感じないので驚くほど肉々しいスープになっている。焼きたての魚から出た脂を最後に啜っている時のような幸せを感じる。後味が脂を纏って強く後に残る旨味がある。コンバージョンキックも決まってます。
これはお茶漬けも間違いないと思ったが、長女が完食したので間違いないコンビネーションだった模様。
真子の煮付けを食べる。大きさは鱈子サイズだが粒はより細かく、噛む程にムチッとキャラメルの様な食感として伝わってくる。甘めの煮汁とマッチする風味だ。
チヌの真子等のような磯の香りもなく、とても美味い。これは魚卵のイデアである。決定。
キモもまるで鶏肝のような風味。いやこれはむしろ鶏肝がイサキの肝のジェネリックなんだ。イサキの肝こそオリジン。そう思わせるほどに完璧に血抜きしたイサキの肝は野趣が無く食べやすい。