アツミゲシみっけ | ぽんのあれこれ

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徒然なるままに日暮し、スマホに向かいて心に移り行くよしなしごとを書き連ねます。基本的には忘備録。


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  違法なケシ

ある日、ふと目をやるとなんだかニュースで見たことのある花が咲いていました。



あー。これはあれか。

西暦1840。イギリスと清との間に起こった、イギリスから輸入される薬物を没シュートした事に端を発するいわゆる阿片戦争の原因となり、そのまま戦争の名称として残っている、阿片がとれるやつ。

樹液にアヘンアルカロイドを含み、このアルカロイドの中にはモルヒネ等の成分も含んでいて、モルヒネと言えば末期ガン等の鎮痛薬として有効利用されていたりもしますが、一般的には麻薬の類であり一般人が持ったり使用することは出来ない代物です。

この花の未熟果に傷を付けて集めた樹液を乾燥させたものが阿片であり、それゆえに栽培禁止植物でもあるわけです。

近縁種にはそのようなアルカロイドを殆んど含んでいないものもあり、そういったものは栽培禁止とはなっておらず、園芸品種として一般的に手に入れることが出来ます。

ただ、これは…

  アツミゲシだよなぁ… 

昭和の時代に渥美半島で帰化植物としてこの名が付いたケシはセティゲルム種と呼ばれるケシの一種で、本来アヘンを作る際に用いられるソムニフェムル種とは比べ物にならないほど果実が小さく、アヘンの製造は現実的ではないのですが、モルヒネを含むアルカロイド生成能があり、有機溶媒をつかえば麻薬成分を取り出すことが可能なため栽培禁止となっています。


  見分け方は?

アツミゲシの見分け方はというと



ノコギリ状にギザギザした葉の周辺部をもち、その葉は茎を抱き込むようにツバ状に展開します。


ピンク色の花びらは四枚で構成され、花びらの中心は濃い紫色。中央のめしべ部分には放射状に9本の線があります。


茎から果実まで全体が細かい毛で覆われている事の多いケシですがアツミゲシにはこの毛がほとんどなく、全体的にツルっとした印象です。


このようなケシを見かけたら最寄りの保健所か警察にご連絡をというのが行政機関のメッセージだそうですが、こんな花の近くでうろうろしているのはそれはそれで危ないやつ認定されそうでちょっと勇気がいるよなと思うところです。


またアルカロイドは樹液に多く含まれていることから草遊びなんかで樹液が着いてもダメなので子どもなんかが触ってしまうような環境にある場合には早急な対応が必要なのかなと思いました。

今回のは引っこ抜いて捨てておきましたけどね。意外と身近なところにまで迫っているんだなと感じました。