乗り換えです
楽しみですねー。8年乗った車から降りるのは切ないですが、やっぱり新しい車というのは楽しみなものです。
カーセンサーで調べてみると2018年式の320dのMスポーツだと相場はこれくらいだそう。
ディーゼルエンジン
今までガソリンエンジンばかりに乗ってきたので、初めてのディーゼルという事で少し勉強しておきました。
どこがどう違ってどういう仕組みなのか
点火方式
ガソリンエンジンの場合は、シリンダー前にインテークから取り込んだ空気と燃料を予め混合してシリンダーに呼び込み、圧縮させてスパークを飛ばして爆発させます。直噴の場合は空気だけを圧縮させたシリンダーに対してインジェクターが霧状にガソリンを吹き付けてスパーク点火で爆発させます。
ディーゼルエンジンの場合はガソリンエンジンよりも更に強く空気を圧縮し、圧縮した空気が高熱になった所にインジェクターから軽油を吹き付けることで発火点を越え、燃焼させます。
スパークプラグがディーゼルには無いんですね。
EGR
排ガス再循環装置。燃焼後の排ガスの一部を吸気に戻すことによって環境性能や燃費の向上に繋がるという装置が付いています。
ディーゼルの宿命というのは環境負荷や、人体への影響が懸念される窒素酸化物(NOx)とスス(PM)ですが、これはディーゼルエンジンがガソリンのような爆発ではなく、あくまで燃焼により出力を得ていることに起因します。
どうしても均一な燃焼条件というのは限られていて、更に燃料の特性で燃えにくい軽油は気温や負荷やシリンダー内の燃料濃度の違いなどで一部の燃え残った燃料がシリンダーに発生することでススとなり排出されます。圧縮比を上げて、燃焼温度を高くして、吹き付けた燃料を完全燃焼させることで発生するPMを少なくすることが出来るのですが0には出来ません。これがディーゼルの一つ目の宿命。PMです。
PMを減らすには高い圧縮比のもと、高温で一気に燃料を燃焼させることで減らすことは出来るのですが、そうすると今度は吹き付ける燃料に対して取り込んだ空気が余ります。空気というのは8割がN(窒素)で2割弱がO2(酸素)です。その酸素と窒素が圧縮されたシリンダー内で化学反応を起こして出来るのが窒素酸化物(NOx)。一酸化窒素や二酸化窒素等が発生します。窒素酸化物は窒素と酸素の化学反応で発生し、高温なほどよく発生してしまいます。これがディーゼルの二つ目の宿命。
つまり、PMを減らすか、NOxを減らすか、それぞれの対策はトレードオフの関係にあります。
そこで、排ガスを再循環させるということを発想したわけです。すごい発想ですよね。
どういうことかというと、排ガスというのは燃えたあとなので、酸素は含まれていないので、どんなに取り込んでも酸素がシリンダーの中に増えません。燃焼は酸素と燃料の化学反応ですから燃料か酸素の量以上には反応できないので、取り込む空気の一部に排ガスを混ぜることにより、シリンダーに入る酸素の量が空気だけの時に比べて少ないわけです。
それを圧縮して燃焼させたとき、空気だけの時と比べて燃焼が穏やかになり燃焼温度が下がり、高い圧縮比であっても結果としてNOxの発生が抑えられるという理屈だそうです。
軽油の規格
ガソリンであれば、ハイオクかレギュラーを選ぶことになると思います。そもそも外車が何でハイオク指定なのか知ってますか?
それは海外と日本とで、ガソリンの質(オクタン価)が違うから。オクタン価というのはガソリンが自己着火しにくくなる物質がどれくらい含まれているかの指標です。オクタン価が高いほど燃えにくいガソリンであり、燃えにくいから圧縮比を高くすることも出来るし、エンジンが意図していないタイミングでの爆発(ノッキング)も防ぐことが出来ます。海外で売られる普通のガソリンのオクタン価は95なのに対して日本のレギュラーガソリンのオクタン価は90程度。前提とする燃料の質が違うからそれをベースに開発したエンジンも当然その程度のオクタン価を要求してくる。ちなみにハイオクだとオクタン価は98程度なので理屈的には燃料計が半分程度になるまでハイオクを入れて、あとはレギュラーを入れても問題ないということ。面倒臭いですけどね。
そういった低オクタン価のガソリンであっても世界最高峰の燃費を達成してしまう日本車のエンジンたるや、ある意味化け物ですよね。