比較明合成で星空ぐるぐる写真 | ぽんのあれこれ

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徒然なるままに日暮し、スマホに向かいて心に移り行くよしなしごとを書き連ねます。基本的には備忘録。


気になったらお好きにコメントしていただければと思います。

  星空ぐるぐる写真とは

地球が自転していることから、夜空に浮かぶ星の位置というのは地球から見て相対的に位置を変えます。


地球が回転するときのコマの軸に当たるのが地軸。地軸を中心に地球は回っています。


また、日本は北半球にあるので、北の地軸方向の星は見易くなってます。


なので、夜空を見上げると北の地軸延長の星は止まって見え、そこから離れていくほど時間によって大きく位置を変えます。見る時間によって位置を変えないこの星は、星と海以外に道しるべのない航海などで大切にされました。この真北にある星を北極星と呼びます。


つまり夜空の星は観測者が位置を変えなければ北極星を中心に円を書くように見えるはず。


それを実現したのが通称、星空ぐるぐる写真。



こんなんをいつか撮りたいなと思ってました。


  ペルセウス座流星群のおまけ

今回のペルセウス座流星群を撮るにあたって、流れ星を撮るのはもちろん、この星空ぐるぐる写真を撮りたいなと思ってました。


撮りたいというか作りたいといった方が正しいのかもしれませんね。


これはこの写真の撮り方が二種類あるから。


  一つ目の作り方

シャッターをずーーーっと開けていればそれだけの時間ずっと被写体は写真に残ります。


つまり、ずーーーっとシャッターを開けっぱなしにして星の動きを写真に収める方法。


これは少しでもカメラの設定が間違えていたり、露光中にブレや車の通過等があるとたちまちそれまでの時間が無駄になるという諸刃の剣でもあります。


  二つ目の作り方

なので、今回は別の撮り方で。もう一つの作り方は15秒程度の写真を何枚も重ねて一枚にしてしまう方法。前の写真と比較して明るいところだけを残すのを比較明合成、比較して暗いところだけを重ねるものを比較暗合成と言います。


比較明合成の有名なものはホタルの軌跡写真ですかね。実際の数の何倍もの数の不規則な軌跡が残ります。


他には花火ですかね。単発の花火も重ねればそれだけ一度にあがったように写せます。


これは失敗があってもひたすらシャッターを切り、要らない物は合成に使わなければいいという点で失敗が少ないかなと思います。今回はこちららで作りました。


  準備するもの

・がっちりした三脚

・カメラとレンズ

・充電された予備電池

・ライト

・比較明合成アプリ

・パソコン

・大容量の保存メディア


ですかね。夏は虫除け、冬は防寒着とかも必要です。


  作り方

三脚を据えて、北極星を探して、画角に収まる位置にセッティングして、15秒程度の写真をひたすら撮りまくる。それだけです。


あとは比較明合成アプリに突っ込んで合成されるのを待つだけ。


今回は11mmの焦点距離で、f2.8にして15秒でシャッターを切った写真を62枚合成しました。


それがこちら。



北極星を中心に星が円を描いて流れていってます。地球にある森はずっと同じ位置なので何枚重ねても同じ位置にあります。

右端下部には飛行機が飛んでいるのが映っています。

中央上部から下向きの緑の光が流れ星ですね。上手いこと比較明合成の写真の一枚に入ってました。はじめての星空ぐるぐる写真でしたが、流れ星付でした。

あと、ちょっと撮っていない時間帯があって、そこだけ空白の軌跡になってます。RAWから色味を調整して突っ込むと多少森が緑しているのがわかります。ライトで森を照らしておけば明るい森バージョンも出来たかなとは思いますが。星雲が尽く映ったのでなんだか軌跡がうるさい感じ…



もう一枚は北極星が中央下部にあります。重ねたのは10枚少々と短いので軌跡が短くなっており、北極星がわかりにくいです。でも10枚程度でもここまで動くんだから凄いですよね。北極星を探すときは北斗七星から探す方法と、カシオペア座から探す方法がありますが、僕はカシオペア座から探すのが簡単かなと思います。

ちなみに、長い長い地球の歴史の中で、北極星と言われる星は何度か移り変わっています。2000年後にはケフェウス座のエライという星に、8000年後には白鳥座のデネブになるそうです。白鳥座のデネブといえば、夏の大三角を構成する星なので、凄い所まで北極星は変わるんですね。まぁ今を生きる人々は北極星だけ覚えていれば良さそうです。また、南半球には南の地軸があるので、南極星も理屈的にはあるんですが、21世紀のうちにはそれに該当する星はないそう。いつかのタイミングで重なる星が現れるそうですが、星の輝きが小さく、北極星程の意味を持つものにはならないそうです。


途中一台だけ車が通ったので森が明るいです。左上のは電線です。

  使ったアプリ

これを合成するのに使用したのはシリウスコンプという比較明(暗)合成アプリ。


シリウスコンプをインストールして、RAWデータを読み込むためのアプリを入れて、少し設定を弄ると使えるようになります。



RAW読み込みのためにufrowというアプリを入れる必要もあるんですが、これを参考にさせてもらいました。


こういうのが簡単に出来るというのがデジタルデータならではかなと思いますね。もっと開けた場所で光害のない場所だと綺麗に映るんだろうなと思いますが、まぁはじめてにしては上手いこと出来たのではないかと。

シリウスコンプには、ついでにタイムラプス動画も作ってくれるという便利機能もあります。


最後のカットだけ流れ星を残すために流れ星付近を明るくしているのがわかるかと思います。