とても綺麗な背景描写だった。新海監督作品には当たり前になってきているが、一度スクリーンで見ただけでは受け取りきれない情報量だと思う。
リアリティある街の中で、アニメ感が強いキャラクターの対比に違和感を感じないのは何故だろうと考えた。
アニメだからと一括りにできないようにも思う。
今回みせてくれたファンタジーでは、リアリティを超えて別の世界のように感じた。
「君の名は。」では、時空を超えていたはずなのに、そこまで現実離れしすぎているとは思はなかったのは何故だろうかと思ってしまう。
アリスが不思議の国に迷い込んでも受け入れられるのに、穂高やヒロインが雲の上に行くことには違和感を感じてしまう。
この物語は、それぞれ個人がそこにいる理由が雲に隠されているように思う。
なぜ島をでたのか。
なぜ小学生と中学生だけで暮らせていたのか。
なぜあの子が天気の巫女なのか。
理由がたまたまそうだった、みたいな想像しかできないような描写になっている気がしてならなかった。
(僕の想像力が乏しいのかもしれないが、、、)
アニメだから。みたいな括りは悲しい。
物語の根幹から細部にまで、映画から発信しているモノをこちら側で想像を膨らまして考えるのも楽しいが、果たしてこの映画を観るににあたり、どこまでが正しいのかわからない。
たぶんメタファーがそこかしこに潜んでいるはずだが、僕には気づかなかった。
青い石のチョーカーにも理由があるはずだし、弟の髪型にだって、意味が込められているに違いない。
雲のような作品だった。
下から切り離されて、一見理由なく存在しているようだけど、自然の理のなかで必然的に存在している。
形を変え、姿をかえ、見る人が自由に想像できる。そんな作品だった。
もう一度観てみる時は、この映画のスピリットを受け取りたいと思う。
そういえば、主人公は中学生と高校生ぐらいだった。(と思う。。。)
大人になってしまったのだろうか、僕は主人公の周りの大人たちばかりに気持ちがいってしまった。
主人公と同年代の人たちがどう感じるのか話をしてみたい。
天と地に挟まれて、生かされているという言葉を新鮮み感じるのだろうか。
音楽を楽しめなかった。
セリフや映像を追いすぎて歌詞もききとれなかったし。。。
それにしても凄い情報量の映画だと思う。
雨の東京も好きです。