不祥事を起こしては、それを隠そうとする。過ちを認めず、突き進む。
なぜそんなことになるのか。郵便不正事件で犯罪者扱いされ、冤罪で苦しみながら見えてきた日本型組織の病を村木厚子さんが綴った本です。
村木さんは、「一つの組織にどっぷりとつかっていると、その過ちをとめることが難しい」と言います。だから、「二本目、三本目の杭」をもつべきだと。
仕事だけという生活はすごく危なくて、一本の杭に両足を乗せて立っているようなものです。そこだけが自分の全世界だと思ってやっている。でも、杭にしがみついている限りは見えないかもしれないけれど、視点を変えて、あたりを見回してみたら、二本目の杭、三本目の杭が見つかるかもしれません。
(村木厚子、『日本型組織の病を考える』より)
一本の杭だけを、自分の世界のすべてだと思っていると、そこが駄目になったときに沈んでしまいます。二本目の杭に足をかけると、思いのほか落ち着くかもしれません。思い切って杭から降りてみたら、もっと自由に動ける地面があるかもしれません。一所懸命を重んじてきた日本人。時には「一所」を離れ、大らかに眺めてみることも大切なのかもしれません。
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日本型組織の病を考える (角川新書) [ 村木 厚子 ]
924円
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