『まなの本棚』ブックレビューの第6回目は、愛菜ちゃんと山中伸弥先生との対談からです。
山中先生が子どもの頃に読んだSF小説に、次のようなものがあるそうです。
何年間も体が動かせない病気の人がいた。その人は、体が動かないので、意思の疎通ができない。
そこで、ある科学者が「この人が、前のように家族や周りの人と意思疎通できる装置を作ろう」と一生懸命考え、完成させ、いよいよこの患者さんが何年かぶりに家族と意思疎通ができるようになった。どんなに喜んでもらえるだろうと思っていたら、その患者の言葉として、最初に機械からピーッと出てきたのが「私を殺してください」というメッセージだったという・・・。
最初、山中先生は、これは小説の中だけの架空の病気だと思っていたそうです。
しかし、医者になってみたら、体を動かせなくなる病気は、いくつもある。そして山中先生は、今、そういう病気を根治しようと研究を続けている。
山中先生は言っています。
「昔読んだSF小説に書かれていた病気を、自分が研究するなんて思いませんでした」
子どもの時に出会った本が、知らぬ間に人生の道しるべとなったような、不思議な感じがします。
これほど大きなことではなくても、「本との出会いが自分の生き方に影響を与える」ということについて、思い当たることがあるのではないでしょうか。だから、人はまた、本に手を伸ばすのだと思います。
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