子どもは地域の宝物 ─再度『みかづき』(森絵都)から─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 東日本大震災の後日譚。

 先日のブログで、震災に懸命に対応した校長先生のお話をしました。

 震災で壊滅的な被害を受けたその小学校。全国の方々のご好意により、高台に新しい校舎が建てられたそうです。

 

 ある方がおっしゃいました。

「学校がないと、その地域の活力はなくなるんです。学校は地域のよりどころなんです。」

 別の方がおっしゃいました。

「学校って、西洋でいうと、教会みたいなところなんですよね。」

 

 今、全国で学校の統廃合が進んでいます。

 でも、地域の方からすれば、学校は残してほしいものなのです。

 昔、自分が過ごした学び舎。そこが消えてしまうと、自分の人生の宝の時間が消えたように感じるのでしょう。

 

 子どもと老人が陽気に笑っていない国に未来はねえよな。

  (森絵都、『みかづき』)

 

 今、思い出を作っている子どもたちと、昔、思い出を作ってきた年配の方々と。

 学校は思い出を作る場所だと思うのです。

 そして、そこに通う子どもたちがいる。

 やっぱり、子どもたちは、地域の宝物だと思うのです。

 そして、そこに住んできた方々の希望を引き継ぐ存在だと思うのです。