「寒いね」と… ─『サラダ記念日』(俵万智)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 地元を離れ、筑波に出てきています。

 今日は雪。

 四国ではあまり雪が降らないので、ちょっとうれしくなって散歩に出かけました。

 

 

 今日は仕事もないので、散歩をしたり、本を読んだり、近くの定食屋を散策したり。

 

 一人の自由さを満喫しようと思っていたけれど、でも一人はさびしい。

 知らず知らずのうちに、「あー寒いねえ。転ばんように、気ィつけんとね。」と自分に語りかけていました。

 

「寒いね」と話しかければ
「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
 (俵万智、『サラダ記念日』より)

 

 『サラダ記念日』は1987年に出版されました。

 ささいだけれど日常の大切なことをのせた三十一文字。
 三十二年目になっても色あせない三十一文字。