2018年 終わりの序章 ─『自分を休ませる練習』(矢作直樹)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 剣道や弓道などに、「残心(ざんしん)」という言葉があります。竹刀を打ち込んだ後、あるいは矢を放った後、力をゆるめながらも、まだしっかりと注意を払っている状態のことです。この「残心」を日常生活にも、と矢作直樹さん(東京大学名誉教授)は言います。

 

 ドアを静かに閉める。

 器をそっと置く。

 動作の余韻を味わう。

   (矢作直樹、『自分を休ませる練習』より)

 

 2018年も、残すところ、あと1日となりました。

 慌ただしく駆け抜けていったというのが私の実感です。

 それでも明日は、少し肩の力を抜いて、2018年のドアを静かに閉め、思い出を器に入れてそっと置き、1年間の余韻を味わいたいと思っています。