いつか「競争原理」を超えることを願って ─『競争原理を超えて』(遠山啓)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 ・・・人間が、テストなんかで測定できてたまるものか。人間とはいくら考えても考えつくせないほど底知れないものなのだ。人間を描くことをおもな課題としている文学作品がつぎからつぎへと書かれてもけっして種切れにならないのは、そのためだとぼくはおもうのだ。

  (遠山啓、『ひとりひとりを生かす教育 競争原理を超えて』)

 

 ブログを始めて、いろいろな方の日常にふれることができるようになりました。

 駅の清掃員の方がいます。

 里親をされている方もいます。

 筆文字アートの講師の方もいます。

 これまでは詳しくおうかがいすることのなかった方々の日常が、ブログの中に描かれています。

 そして、その新鮮な魅力は、尽きることがありません。

 

 今、高校生も中学生も、そして小学生もテストの中で学校生活を送っています。私の娘も、その只中にいます。「点数を気にするな」「テストより大切なものはある」と正論を伝えても、心底そうは思えないというのが正直なところでしょう。

 でも、いつか、どこかで、数字に一喜一憂してきた自分が恥ずかしくなるような、人生の多様さ、奥深さ、味わいに気付いてほしいと願っています。