“3回のささやかな幸福” 第2楽章 ─「卒業ホームラン」(重松清)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

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「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

「ささやかな幸福を3回、かみしめたい」の2日目です。

 長女は、昨日に引き続き、期末テスト勉強で図書館へ。妻は、突然、「姉ちゃんと紅葉狩りにいく」と言って、もうすぐ出かけていきます。

 

 重松清さんの「卒業ホームラン」(『日曜日の夕刊』に収録)という短編小説に次の一節があります。

 野球のルールをつくったのはアメリカの誰だったろう。いや、イギリス人だったろうか。野球の歴史など徹夫はなにも知らないが、ホームベースという言葉をつくった誰かさんに「ありがとう」と言いたい気分だった。

 家 ─ だ。野球とは、家を飛び出すことであり、家に帰ってくる回数を競うスポーツなのだ。

 

 家族はそれぞれ外で、楽しんだり、頑張ったりし、思い思いの1日を抱えて家に戻ってくることでしょう。

 私は、今からおでんの買い出しに出ます。そして、早速晩御飯の準備にかかり、しっかりと味の浸み込んだおでんを作ります。

 「ホームベース」に戻って来た家族と、“ささやかな幸福 第2楽章”が奏でられることを楽しみにしながら。

 

 追伸

 朝、気持ちの良い秋晴れの道を歩いてきました。

 多くの家が、テラスに布団を干し、暖かい日差しのなかで、それぞれがのんびりと1日を過ごしていることにも幸福を感じました。