“3回のささやかな幸福”への序奏 ─『パパと呼ばないで』─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

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「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 「向田邦子」というハッシュタグでつながったのでしょうか。

 弾家弦六さんが、以前の私のブログ(数字にまつわる二つの面白さ)を訪れてくださいました。
 早速、私も弾家さんのブログを拝見しました。

 そこには、『パパと呼ばないで』の中の一話である『父親3人組』が紹介されていますが、これが向田邦子さんの脚本によるものだそうです。 

 リブログします。

 『父親3人組』から昭和のなつかしいかおりが漂ってきます。

 刺激ばかり強いドラマが連発される昨今、『父親3人組』は、日常のひとこまを切り取って心に沁みこんでくる、そんな古き良さが、かえって新鮮でした。母親を亡くし、父親が行方不明の娘・千春(チー坊)と、千春を楽しく一途に支える3人のおじさんたちが織りなすホームドラマでした。

 

 千春の遠足についてきて、ドジばかりする3人に、千春は「恥ずかしくてもう学校に行きたくない」と泣きじゃくります。

 3人は、申し訳なさでいっぱいになりながらも、育て親である右京さんは、千春にこう言います。

「3人もぞろぞろついていったのは、ほんとに悪かった。でもな、チー坊。おじちゃんだって、内田のおじさんだって、みんなチー坊のことがかわいかったんだ・・・。チー坊にはママがいないよ。だから、寂しい思いをさせちゃかわいそうだ。そう思って、おじさんや、内田のおじさんがパパになったつもりでついてきてくれたんじゃないか。チー坊のクラスに、3人もパパを持っている子、いるか? こんなにみんながかわいがってくれる子、ほかにいるか?」

 右京さんの語りが胸に響きます。もちろん千春の心にも響いたのでしょう。笑顔の千春がもどってきます。

 

 私は昨日、「この3連休中、家族とのささやかな幸福をかみしめたい。」とブログに書いたところでした。その矢先、このドラマと出会うことができました。紹介してくださった弾家さん、そして、向田邦子さん、右京さん、チー坊、いろんな人との不思議な縁を感じました。