移ろう空の色に ─銀色夏生さんのことばから― | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 ブログの中に美しい空の写真が載せられているのをよく拝見します。

 今なら羊雲だったり、さわやかな秋空だったり。

 今日、私も空を眺めながら、家の近くを歩いてみました。

 金色の太陽から夕焼け、そして黄昏時へと移ろっていくころでした。

夕方の空を見ていると、いつも銀色夏生さんの言葉を思い出します。

 

・・・夕焼けの美しさは一瞬のようだけれど、そのあとにぼんやり淡くひろがるオレンジや、灰色にとけていく青や、目のさめるような深い青や、くらがりにほのかにしのぶ夕焼けのなごりなど、それぞれが、ある種の頂点でもあるなぁと、思ったのです。

  (銀色夏生、「今日、夕焼けを」より ―『春の野原 満天の星の下』所収―」)

 
 金子みすゞさん流に言えば、「みんなちがって みんないい」ということなのでしょう。