昨日、ヘアカットに行った。
いつもの中目黒、BROSSの中澤ケンちゃんに、手術後1週間は頭が洗えないという事で、ドライシャンプーなどしやすいように、かつ、元のヘアスタイルに戻しやすいように切ってもらってきた。
   

自由が丘から東横線に乗った時、足が少し不自由な女の子(まだ10代かなぁ、、?)が、車内に入ってすぐにあった空席に急いで座った。
そして、すぐに、目の前にお婆さんがたった。

その子は、お婆さんに気づくとすぐ「座りませんか?」と席を譲った。
お婆さんは彼女の足のことは気付いていない。ありがとうございます、と席に座って、荷物をごそごそやりはじめた。
彼女はおばあさんが荷物をゴソゴソやっている間に、気づかれないように、急いで足をひきづって次の車両に移動していった。

    
すごい、って思った。 

    
一部始終をみんなが見ていたわけじゃない。

彼女に誰も席を譲ろうとしなかった事は責められないし、そんなつもりもない。
ただただ、立っている事の辛さその周りの誰よりも知っている彼女が、急いで座った自分の席を譲り、かつ、気を使わせたくないと足早に立ち去った事、とにかく称賛したい。
        

    
すっっげーかっこよかったよ。
日本にもちゃんとこんな若者がいる。
嬉しかった。
   

      
     
全然違う話です。
先日、1988年のブリスベンの思い出を書いた。

 

 

ブリスベンのユースホステルで、無賃宿泊お手伝いをしていたある日、
僕は、シティから帰るバス停で、ふと、歩いて帰ってみよう、って思った。
     
   
たぶん、せいぜい4〜5キロだ、
午後4時くらいだったけれど、歩いて帰っても問題ないはずだ。

毎日バスに乗って通ってる道、間違えるはずない、って思っていたのに、
歩き出したらなんだか楽しくて、いろんなところ見て回りながらフラフラしてたら、
気づくと、全く知らない所にいた。
  
しかも、、、

僕は、地図を持ってなかった。


だんだん暗くなってきて、
どうしよう、、、、って思いながら歩いてたら、バス停が見えた。
ちょっとした小屋みたいになった大きなバス停で、ここにいたら人がくる、って思ってたらすぐバスがきて、で、10人くらい人が降りてきた。

その中の一人の30代くらいの男性に、声をかけた。
  

      
「すいません、道に迷ってしまいまして、、178番のバスに乗れば帰れるはずなんですが・・・」
  
「178番?? うーん、ここには来ないなぁ、、どこに帰りたいの??」
 
「パークロードウエストです」

「パークロードウエストって、、グラッドストーンの坂の間の一番したのとこだろ??」

「歩けますかね??」

「うーん、暗くなっちゃってるし、君、20分、ここで待てる??」

「はい」

「じゃあ、20分で戻ってくるから待ってなさい」


そんなけで、その小屋で20分待ってた。
どんどん暗くなってきて、もし彼が戻ってこなかったら、もう、ここで野宿だな、って思って、せめて飲み物を持っているべきだった、、、って、すごく後悔してたら、、ほんとに20分で、彼は車で戻ってきた。


「暗くなっちゃったし、乗せていってやるから、、」
  
って言われて、車に乗せてもらって、でも、実はちょっと、、
大丈夫かな・・・って思ってた。

そしたら、そこから5分ちょっとくらい走ったところで、車を止めて、、、
   
「ここ、俺の家なんだ、もう遅いから飯食って行かないか??」

うわー、、、やべえかもしれない、、どうしよう、
って思ったら、道の前にあった大きな家の中から綺麗な奥さんが出てきた。

「あ、いたのね、よかった、道に迷ったんだって??
 ご飯食べていきなさいよ」

ってわけで、晩餐に迎えられた。
子供のいない夫婦で、大きくて綺麗な家だった。

ユースホステルには、10時くらいまでに帰れば問題はないから、まあ、いいか。


で、、僕はそこで、結構なご馳走をいただいて、すごく美味しくて、
はじめて「XXXX」というビールを飲んだ。



XXXX と書いて、フォーエックス、と読む。

「クィーンズランド州のビールだ、これがオーストラリアで一番うまいビールだ!」

と教えてくれた。
  
奥さんがすかさず、「『一番安い』でしょ」といった。

残念というか申し訳ないことに、僕は彼の名前も奥さんの名前も思い出せないんだけど、、、
いわゆるヘビースモーカーで、僕も当時結構タバコいっぱい吸う人だったんで、タバコを何本かもらって吸った。
ウィンフィールド、という銘柄だった。
  

食事が済むと、彼が車で送ってくれた。
彼はビール2本くらい飲んでたけど、35年前のオーストラリアの郊外の話だ。
正直、当時、そのくらい飲んで運転してるのは、結構当たり前だったので、そこは今の感覚で考えないで欲しい。


で、、翌々日。

僕は、彼の家のストリート名と番地を控えておいたので、地図でしらべて、行ってみた。


日本から持ってきたショートホープを1カートン持っていった、お礼のつもりだった。
で、誰もいなけりゃ、玄関にメモと一緒においていけばいい、って思った。

真昼間だったけど、彼は家にいた。
で、一昨日のお礼だって、ショートホープを渡したら、すごく喜んでくれて、
自分はこの後家で来客用事があるので、玄関で失礼するけれど、、と言って
   

   
「よく来てくれた、日本のタバコも嬉しいよ、だけどね、、
 君は、僕にお礼なんかしなくていい、なにもお返しはしなくていいんだ。
 いつか、君が誰か困っている人をみつけて、親切にできることがあったとき、その人に、返してあげたらいいんだ
 僕も若い時そういう事があった、だから君に返した。やっと返せたって思ったよ、ありがとう」
         

    
と言って、ワインを一本くれた。
美味しいワインだから、ユースホステルでみんなと飲みなって。

で、今日は来客で、送ってあげられなくてすまんね、って言った。

   
       
かっちょいーーー!!!って思った。
俺もこういう男になりたい、って思った。
一生忘れない思い出、のはずなのに、どうしても名前が思い出せない。
残念。


その時僕は21歳、
それから、7年後くらいにゴールドコーストに住むようになった僕の家の冷蔵庫には、
常に、XXXXがあった。


そして、、この話には、後日譚がある。
大きな家も買い、すっかり移住者として生ていた、42歳くらいの頃の事だ。
    



   

       
またそれも書こうと思う。

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追記:
この後日譚が気になる、、、というご意見を多数いただいているもので、
明日書きますけんども・・・

ぶっちゃけ、この後日譚こそ、感動巨編なのです。
 

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