2012年四大陸選手権観戦記(7) | senow

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フィギュアスケートをメインに、好き勝手語ってます。
最愛のスケーターはジェフリー・バトル

2/11(5日目)女子FS、ペアSP、アイスダンスSD


この日のコロラドは朝から積雪&吹雪…。
前日は4時間しか寝てないけど、日本勢、特に昨日あまり良くなかった
遥ちゃんの様子を見ておきたくて、フラフラになりながら会場に向かいました。
しかし、やはり早起きはするべきです。行って良かったです。


試合当日でもガラガラの女子公式練習。
例の場所には現地のオールドFan…ではなく日本の観戦客らしき方々が
集団で座ってらっしゃいました。
うち何人かの方とは別の大会で軽く面識があったため、ああ、あの時の~
などと話しているうちに、なんとなく昨日の男子FSの話題に。
私 「ケヴィンを応援してたんですけど、残念な結果になっちゃって…」
相手 「ああ、そうなんだ~。アレ?あそこにいるの、ケヴィン君じゃない?

ガラッガラの女子公式練習に何故かカナダのテン君とケヴィンが来てました。

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昨夜の男子FSが終ったのが24時近くだったのに、律儀な2人です…。
そしてまたしてもその場に英語能力者様がいたため、同時通訳をしてもらう私。
(今回こんなのばっか…汗、皆さんほんとにありがとうございますm(  )m)
テン君もケヴィンも一夜明け、傍目には元気そうでした。
「怪我は大丈夫ですか?」という問いに、
「FSの3連続で転倒して、更に痛めた」という答えがケヴィンから返ってきた時は
思わず「またぁ?!」と叫んでしまった私ですが、本人はワールドに向けて
前向きに頑張るといった様子だったので、少しホッとしました。

それにしてもほんとに早起きは三文の徳ですね…。


さて、肝心の女子公式練習。FS滑走順なので、第3グループから真剣に見てました。
カナダは代表枠争いの2人がファヌフ→ラコステの順に登場。
この滑走順が本番どう影響するのか…。

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ファヌフ

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ラコステ


昨日はまったく不本意な内容になった遙ちゃん。
やっぱり調子は良くないです。
ここで他の日本の方から怪我のことを聞いた気がします。

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遙ちゃん


最終グループで目を引いたのはワグナーと真央。
なんだか急に全米女王のオーラが出てきたワグナーにドキドキ。
(胸の谷間にもドキドキ…)

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真央
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噂の新衣装、ラベンダー色はそのままだし、ふわふわした柔らかい素材も
真央の雰囲気にあってるとは思うけど、もう少しゴテゴテしてても
いいんじゃないかなぁ…?と思いました。
しかし、今大会での収穫はなんといってもルッツ。
私は気付きませんでしたが、なんでも真央の練習を見学していたジャッジ達が
一斉に「え!今アウトエッジで跳んでた?!」という表情をしてたそうです。
人間、どうしても先入観という物はありますからね。
そういう意味でも、今大会に出ておいて良かったと思います。

なにより本人が明るい表情なのが良いですね!
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佳菜ちゃん
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今季はフリーがいまいちな事が多いけど…頑張って欲しいです。
練習では落ち着いていました。


ザワツキー
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首どうした?(汗)
TVでは直前の練習で怪我をした、と言われてましたが、この時は
真央中心で見ていたため、良く覚えていないです…。


女子公式練習の後はわりとすぐ後にペアSP開始。
この日は昨日知人から譲ってもらった席での観戦になりましたが
ジャッジロングほぼ中央という素晴らしい席のおかげで
ペアもアイスダンスも面白いぐらい良い写真(本人比)が撮れました。

…そしてこちら側に座ったおかげで、わりとすぐ気がついたのが

ペア見学中のテン君とケヴィン
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女子公式練習の後一旦消えたと思ったら、私が昨日いたブロックの
上段あたりでペアを観戦していた2人。
いや~、こっちもいろんな意味で観てて楽しかったです。

ひたすらPSPをやるケヴィンとヌイグルミをモフるテン君
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性格が垣間見える1枚…。

ちなみにテン君はこのパンダのヌイグルミをペイジ・ルディ組(多分)の時に
かなり上の席に関わらず、見事リンクに投げいれてました。
選手が選手に投げ込みとか、なかなか面白かったです…。


ペアSPで印象に残ってるのはなんといっても1位のスイ・ハン
(逆に北米勢は印象薄い…。なんというかこう、みんな似たり寄ったりというか…)
相変わらずジャンプは圧巻。SPはコミカル系プロだから
バンバンスピード飛ばして跳んでいく様子も様になるし。
滑りとところどころの処理がまだ荒いので、他のペアとそこまで点差は付きませんでしたが…。
ちなみに成美ちゃん・トランは…う~ん、どうしても
やっぱり今回もジャンプが…。
成美ちゃんの慢性的な怪我もあるし、仕方ない部分もあるけど
本当にジャンプ以外が良いだけに、歯がゆいカップルです…。
でも失敗のわりには点も出て4位スタートに。


ペア見学中のドーンブッシュ しかし相変わらず暗い表情…。
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この後、製氷タイムでお手伝いさせられるドーンブッシュの様子が
スケートFanにはウケてましたが、実際はちゃかすのも申し訳ないくらい暗い表情で
ここまで来ると何か重大な怪我、あるいはスランプで精神的に袋小路に
入っちゃってるのかなぁ…?と少し心配になりました。


続いてアイスダンス
正面から観るアイスダンスは本当に格別ですね。
ほんとにシャッターチャンスだらけです。
というわけで写真だけは下位グループからモリモリ撮ってたんですが
(お見せできないのが残念です)
演技として記憶に残ってるのはやっぱり最終グループの4組のみですね。

翌日のFDは演技後顔面蒼白な選手が続出だったそうですが
SDは尺が短い分、そういった異変は感じませんでした。
それにしても今季のシブタニ兄妹は…演技的にはいいな~と思うのに
イマイチ点が伸びなくて(取りこぼしがあるにしろ)
例の上位2位とあそこまで点差がつく理由が正直解りませんでした…。
あとメリチャリのSDも全体的にいつもより動けてなくて
僅差とはいえ、1位スタートは意外でした。これは周囲で観ていた方もほぼ同意見でした。


で、最終滑走のテサモエの点数を見届けた途端、ダッシュで通路に出る私。
実は予定ではこの1時間後に男子のスモールメダルセレモニーが始まることになってたんです。
なので、ペアやアイスダンスを全く見ずに最前列を陣取ってるような熱心な方々
(全員日本人)もいましたが、私のように競技後に行った人間でも
十分最前列は確保できました。まぁ、端っこですが…。

でも表彰台の通りの並びなら、こっち側がロス君のハズ…!
と当たりをつけて、頑張って1時間待機してみました。
ちょうど同じような場所にいらした日本の方々とスケートの好みが似ていたので
彼女達とのんびりスケート話をしてたら待ち時間も割とあっという間でした。

セレモニー待機中のアメリカ組。
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スモールメダルということで、FS3位のリッポン含め、4人の選手が来てくれました。
去年の四大陸(台北)やモスクワワールドのメダルセレモニーは
行かなかった私ですが、それに比較したら全然少ない客数だったそうで
全体的にノンビリ見学することが出来ました。
(というか、アメリカ人の見物客が全然いない。ここアメリカなのに・汗)

ちなみにロス君は狙い通り、こちら側の端に来てくれ、やったね!状態。
ただし、肝心のセレモニーの内容はほとんど覚えてないです。
英語が解らないというのもあるんですけど(それが一番なんだけど・汗)
途中から連日の疲労および腰痛で、かなり意識が途切れがちで…。
高橋Fanの方が流暢な英語でチャンに何か長々と質問してたのは
なんとなく覚えてますが、その他の質問もほとんど高橋選手への物でした。

セレモニーの後はまたもや大サイン会に。
予定していた物ではなかったようですが、アメリカのスタッフも
その辺はサービスとして容認してくれたようです。
というわけで、ヤル気になれば4人全員からサインや握手がもらえる状態でしたが
人の熱気に呑まれた私は端のロス君に「congratulations…」と言うのが精一杯でした。

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思いっきり逆光のロス君…。


その後、あまりの空腹に耐えかねて、アンタッチャブルな会場のフードコーナー
に再度チャレンジしてみたんですが

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モカナッツ的なワッフルコーンのアイス(4ドル)&ポップコーン(2ドル)

量はどちらも日本の1.5倍くらいです。そう考えたら高くはないかなと…。
なによりアイスは甘すぎずクド過ぎず、私がコロラドで食べた物の中で
唯一他人様に堂々とお勧めできる一品です。
でも私もうこの日が観戦最終日だったんですよね。
今更気付いても遅いっつーの!


女子FSは第2グループから観戦しました。
そしてちょうどこの第2グループからだったと思うんですが
ペア終了後、一旦帰ってしまったテン君とケヴィンが再び姿を現し
より正面の席に座りだしたので、私的には二重に美味しい女子観戦でした。

↓しかも、今回はシズニーも一緒!
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そんなワケで女子は彼らと一緒気分で観戦したのですが
まずいろいろ悪い意味で甲乙付け難かったカナダの代表枠争い…。
いや、ほんと、どっちもどっちというか、せめてラコステ嬢が後半
あと1個でもミスが少なければ、もう少しすっきりしたかもしれませんが…。
ただ、ラコステがファヌフの上位になった瞬間、ケヴィンもテン君も
笑顔で喜んでたのが印象的でした。
(ああ、やっぱりラコステ派なんだ~と)

遙ちゃんも結局FSで立て直しというワケにはいきませんでした。
やっぱり怪我の影響でしょうか?全体的にキレがなかった気がします。
あと韓国のカク・ミンジョン選手が演技後、コーチの胸元に倒れこむような場面があり
一瞬ヒヤッとした空気が流れたのですが、その後無事キスクラに座ってました。
女子で酸欠バテっぽい選手はアジア系に多かった気がします。
とかいいつつ、ジャンは絶好調!
久々のノーミス演技で会場を一気に盛り上げました。

ジャン→ワグナー→ザワツキーのアメリカ3人娘の流れはほんとに盛り上がりましたね。
盛り上がらないワケがないという感じ。
ジャンのあの、現状の彼女に出来るベストな演技の後に
魅せてくれましたね、ワグナーの代表作になるんじゃないかという
パーフェクトなブラックスワン!
後から滑った真央の愛の夢も素敵でした。とても素敵でしたよ。
でもミスあり、ミスなしの違い以上に、今回は演技の「スケール」が違った気がします。
誤解を招きそうな表現で恐縮ですが…。
真央もあと一歩!な3Aとラストの3Sが惜しかったけど、信夫の言うように
やはりもう少しスピードが欲しい気がしました。
真央より上にいったPCSに関しても、いろいろ意見が割れているようですが
単純に生で見ていて、あの場で順位をつけるとしたら、私もやっぱり
あれぐらいの点はつけたと思います。

ジャンも良かったけど、実質今大会はワグナー・真央の2人が頭一つ抜けてる
という印象でした。それ以下はミスの少ない人が勝ったカンジかな?
佳菜ちゃんは今回も鬼門のFSで結果を残せず…。
ワールドに向けての課題が出来ましたね。
ザワツキーもせっかくの地元の大会で怪我とか、万全の態勢で臨めなかったのは
悔しかったと思います。
目の悪い私は最初、お尻の青いテーピングを衣装の一部かと思ってしまいましたが(汗)


ちなみに客席にはいつの間にかリッポンまで…!
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テン君とケヴィンはワグナーと真央にスタオベしてました。
興味深かったのは、ワグナーの点が出た瞬間、リッポンとシズニーの表情が
微妙になった点でしょうか?
もちろんリッポンとワグナーも一緒にドライブするぐらい仲良しだし
シズニーもライバルの好演技を称えられないような性格ではないと思いますが
この辺、アメリカ女子の苛烈な順位争いの一面を見た気がしました。
更に、真央の点が出て、ワグナーの順位を下回った瞬間、
ガッツポーズをして喜ぶ周囲のパンピー客に対し、微妙にテンションの低い4人…。
特にケヴィンとか「んー…」となんとも複雑な表情をしていたのが印象的でした。

とはいえ、私個人は先述の通り、FSの勝者はワグナーだったと思います。
(SPはツーフットだったと思うけど…^^;)

女子表彰式
昨日とは違い、自分の席でのんびり観賞しました。
ちなみに私の席からはバックヤードで出番を待つ選手の姿も少し見えたのですが
「どっちが先だっけ?」「あなたじゃん!」
みたいなやり取りをする真央とジャンの様子が可愛かったです。

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そして表彰式後の記念撮影でも立ち位置間違えて
右往左往する真央。(あなた、表彰式なんて慣れてるでしょうに!)
こんな和やかな表彰台も久々な気がします…。
ただ、男子の時と違い、大サイン会みたいな流れにはなりませんでしたσ(^_^;)


結局この日も帰りは24時近くになってしまいましたが
入口付近でM子さんを待っていたら、なにやら複数のお友達と話してる彼女の姿が…
と思いきや、よく見たら相手はKuさん、Maさん、Suiさん他中国の真央Fanの方々でした。
なんとM子さん、北京の留学経験もあって、中国語もペラペラ。
ライトスケートFanと見せかけといて、2005年のGPS北京大会の真央を
生観戦していたというツワモノでした。

そんなワケで、しばらくM子さんも交え、チャイナガール達といろいろ話しこんで
しまったんですが、私に気を使ってか
「ソンナンのことは心配しないで下さい。彼はもう元気です。
私達今朝、彼のコーチに聞きました」と英語で話しかけてくるSuiさん達。
私 「ほんとですか?コーチ?コーチってあのノーヘアーの?(日本語)」
チャイナガール一同 「哈哈哈哈哈(爆笑)」

…中国人相手に深夜に笑いを取ってしまいました…。


そして、そんな与太話をしているうちに、突如携帯片手に現れたムロズさん。

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赤ちゃんwithムロズさん
電話中だったのに、群がるチャイナガールや家族連れにも優しいムロズさん。
大会中、結構いろんなところで見かけたムロズさんですが
最後の最後でまた遭遇できた上、こんなカワイイ1枚が撮れて幸せでしたラブラブ!


で、この後は親切なM子さんにホテルまで送って…もらうハズが
「そうだ、これから友達と食事なんだけど、来る?一緒に食べようよ!」
と、とことん気さくなM子さんに誘われるまま、別の席で観戦していた
お友達3人の待つレストランへあせる

会場側のバーレストランのハンバーガーセット
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特盛り!!観戦疲れで深夜だったにもかかわらず、わりと美味しく頂けました…。
特にハンバーガーはいけました。


いきなり跳び入りで、M子さん達の打ち上げに混ぜてもらった私ですが
皆さん(全員コロラド在住)とても感じの良い方々で、部外者気分を味わうこともなく
楽しい食事会になりましたニコニコ
(皆さんM子さんほどフィギュアに詳しくないらしく、日本のチケットの値段とか
発売後の瞬殺っぷりとか、目を丸くして聞いていたのが新鮮でした…)
そして何故かここで酔っ払ったice netw●rkのクルーさん達にナンパされる私達(汗)
ただのクルーなので、フィギュア選手のことはあまり良く知らないようでしたが
ジャンがすごく面白くて良い子だと言ってました。
(しかしアメリカ男って一体…)

そんなワケで、最後のコロラドの夜も本当に楽しい物になりました。
親切なM子さんには本当に感謝です。



(ここから特にスケートには関係ありません)

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…で、本来ならここでキレイに終わりたかったんですが、ホテルに帰宅し
風呂に入って明日の帰国のため最後のパッキングをしていたら
パスポートがないことに気付きまして…。

ちなみにこの時点で夜中の4時です。
コロラド-ロサンゼスの国内線の搭乗時間は午前の11時半でした。
ええ、乗れませんでしたとも…。

とりあえず真夜中にデンバー日本大使館の緊急連絡先に泣きつき
夜中に叩き起こされて大迷惑な鈴木さん(仮名)に指示を受け
朝一でホテルから一番近いポリスデパートメントに駆け込みました。
ここで盗難届を出して、その証明書と戸籍謄本(普免がなかったので)
をコロラドからタクシーで1時間半のデンバー大使館に提出すれば
一時帰国証明書が発行でき、パスポートがなくても帰国できるハズだったんですが…

結果的にはパスポートは昼頃、奇跡的に見つかり、そこから23時50分発の
ロス-成田便に間に合わせるためのコロラドorデンバー→ロス便を
買い直し…しようとしたら、コンチネンタル航空が次の便に振り替えてくれたので
実際は変更手数料5000円のみで、ロスまで行くことができました。
まぁ、その振り替え便も乗り継ぎが2時間しかない中、1時間もディレイ
したおかげで、だだっ広いロサンゼルス空港内を全力疾走するハメになったのですが…。
(チェックインが〆切りの10分前でした…。ほんとに間一髪でした…)


というワケで、不測の事態に対して結果的には、最小の損害金額で済んだワケですが
無駄に寿命が縮む1日を過ごしました。

とりあえずデンバーのバスターミナルまで迎えにきてくれようとした鈴木さんと
超親日でカタコトの日本語で励ましてくれたポリスデパートメントのインテリ風署長と
チェックアウト終わってるのに、Wifiフリーのロビーでずっとネットと電話とプリンターを
占領してる私を温かく(というか、心配そうに)見守ってくれた上
警察やデンバー行きターミナルの場所までいろいろ調べてくれたホテルのお姉さん
には心から感謝したいです。

最後の最後でありえないようなミスをしましたが、そのおかげで(?)
コロラドの方々の親切を骨の髄まで味わうことができた旅でした。
高地ゆえ、国際大会をするにはどうなのか、という批判もあるようですが
私はまた是非訪れたい街です。