鑑賞『新生!熱血ブラバン少女。』:新歌舞伎座での大千穐楽 4/28 | 大歩 悠(おおぶ ゆう)ブログ《悠歩路私記》

大歩 悠(おおぶ ゆう)ブログ《悠歩路私記》

主に吹奏楽やマーチングなどの音楽鑑賞、、ミュージカル鑑賞、舞台鑑賞、スポーツ観戦に行った記憶、感想を書き記していくブログ

4月28日は、福岡での博多座に続いて大阪の新歌舞伎座で上演されていた大千穐楽を鑑賞。


正面の入口の右隣に出演者を示している数本の色鮮やかな、のぼり。







和の雰囲気の個性的な建物。






大阪でも好評のようで満員御礼の表示。

立派なホールで今回の席は、ちょうど中央の位置で見やすくて良かった。

力強くティンパニが響いて幕が上がり開演するとステージ上では、精華女子高校の吹奏楽部が重厚な響きの演奏。

やがて、並べられた椅子に座って演奏している部員の皆さんの間から姿を見せた星野真里さんがナレーションをするように始める説明。

3年前の全日本吹奏楽コンクールの会場の名古屋国際会議場センチュリーホール。

続いて鈴木梨央さんが演じる中学1年生の頃の河合葵が姿を見せて、福岡の西北女子学園高校の吹奏楽部の演奏を聞いて感動すると憧れて示す進学したい思い。

中学生の私服のイメージの衣裳を着ていた鈴木梨央さんが、かわいらしかった。

紅ゆずるさんが演じる葵の母の河合凜々子も姿を見せると、なぜか福岡に行かせたくない様子。

いろいろな食べ物の事を言ったり「福岡にはHKT48しか無いのよ」と芸能関係の事、「福岡は、ホークスの巣窟なのよ。バファローズを応援したら…」と野球の事も言ったりなど。あの手この手で止めようとする。


軽快な曲に演奏が変わると今度は、ステージ後方から姿を見せる華丸さんが演じる謎の男性。

これは、凜々子の頭の中を表している場面のようで男性に何か嫌そうな表情を見せていた。

ここで最初の舞台転換。星野真里さんが回転して正面に向いてくる大道具を指で示したり手を振ったりなど、さっそく朗らかな演技を見せていて楽しかった。

舞台上では、あれから3年が流れていて居酒屋シモジの場面。

西北女子学園高校の産休代替教員で美術教師として赴任していて、地元の商店街の人たちに歓迎されている鈴江響を演じているのが星野真里さん。

憧れの西北女子学園に入学して高校1年生になっていた葵が会いに来た、上西怜さんが演じる吹奏楽部の先輩の荒木唯も登場。博多弁のセリフで会話をしていて、ほのぼの。

名前と教え子を必ず全国大会に導くという評判から、鈴江先生と葵に強く推されて衰退していた西北女子学園の吹奏楽部を建て直す為に、メンタルコーチを引き受ける事になったのが博多華丸さんが演じる鬼門輝勝。

今まで体育会系の部活でメンタルコーチをしていたので、吹奏楽部で指導をしていく中での部員に対する語りで、いい事を言っていた話が説得力があるようだった。

宇梶剛士さんが演じる商店会の会長の岩永隆二は、娘さんの事で何かあって鬼門コーチが就任する事に不満そうで序盤から中盤は、対立する立場で迫力があり見事に恐い雰囲気だった。


ピアノを弾くのが得意な森保まどかさんが演じていたピアノで芸大受験を目指す手塚杏が、回転しながら正面を向いてくるステージの上でピアノを弾きながら登場してくる場面が、かっこよかった。

日替わりで演奏曲を変えていて見に行く日には、「今日は、何の曲を聞けるかな?」と楽しみにしていた聞かせ所だった。

この日は、「子犬のワルツ」を華麗で軽やかに弾いていて美しい鍵盤の響きだった。

葵の母親の凜々子は、杏の個人レッスンを担当しているピアノ教師。


かつて世界的なピアノ教師だった設定で紅ゆずるさんが、おもしろい豪快な演技と上品な雰囲気で華麗な演技の両方を見事に演じきっていた。


杏を迎えにきた小林大介さんが演じる父親の手塚岳斗は、弁護士という事で知的な雰囲気だった。


必ず全国大会に導かせるなど厳しい条件付きで鬼門コーチの就任を認めた、浅野ゆう子さんが演じる西北女子学園の校長先生の海羽眞弓は、気難しそうな雰囲気ながらも、親しみやすさもありそうな雰囲気。


パタパタママの木下貴信さんが演じる教頭先生の久保山利通は、周囲の人に影響を受けて流されやすい様子ながらも、悪い人では無さそう。

吹奏楽部の顧問ながらも、何も権限が無く損な立場。大きな声で「エー!]と驚いていたのが耳に残り、何かあるとステージ上を走っていた姿が印象深い。


パラシュート部隊の斉藤優さんが演じる橋口大吾が店長の旅行代理店の場面では、新婚の夫婦が来店。

新婚旅行で海外に行きたそうで中国や韓国など次々に外国の国名を言う夫婦に対して、全否定で国内旅行の九州をアピールする橋口店長。

「もういい!」と怒って店を出ていく奥さん。

「もうこんな所で相談せん」と泣き顔になり、「たかこー!」と追いかけるように店を出ていった旦那さん。この時に奥さんの名前が「たかこさん」と明らかになっていた。

その様子を見ながら友達を連れて帰宅した、古川あかりさんが演じる橋口店長の娘の橋口紬。いつもの事のようで「また逃げられたと?」と橋口店長に言っていて、ほのぼの。

「なんでそんなに九州にこだわるん?」と聞く紬に橋口店長が「愛ばい!」と答えると、「そうね』とクールに流すように紬が答えていた会話のやりとりも、おもしろかった。

大きなスノーボードを持ってきていた紬たち。何か理由があって吹奏楽部を退部して今は、スノーボード部に入って活動している様子。

体力的に大変そうながら、鬼門コーチの就任で西北女子の吹奏楽部の活動が再開しても復帰する気が無さそうな紬。

かつての恩師の西島先生が部員たちを見捨てて長崎の葛西高校に行った事が心の傷になっているようで、「スノーボード部に骨をうずめる!」と力強く言いきっていた紬だった。

紬が気持ちを切り替えるように宿題を終らせようと友達を連れて奥の部屋に去ると、来店したのが岩永会長。

対立する立場の鬼門氏が西北女子の吹奏楽部のメンタルコーチに就任したと、橋口店長が言いかけて止めたので笑顔で橋口店長に迫ってくる岩永会長。

おびえて「恐かー!」言っていた斉藤優さんの演技が大変な場面ながらも、おもしろかった。


大濠公園での場面。後方に福岡タワーやドームなどが描かれているので、ここが福岡市と感じさせてくれる光景。

吹奏楽部の部員たちが会話をしていると、周囲の公園の利用客も存在感があった。

神田朝香さんが演じる西北女子学園の高校生の岩永澪がフルートを吹いて登場。

後方を通った学校帰りの二人の男子高校生が、その姿を見て指で示しながら何か言っていたようだった。

サングラス姿でジョギング中の男性も走っていきながら、チラッと澪を見てニコッと笑っていたようだった。

旅行代理店に来店していた新婚夫婦も姿を見せて、楽しそうに外国のパンフレットを見ながら新婚旅行の行き先を相談していた。

しばらくすると旅行先が決まったようで、二人で仲良く幸せそうに旅立っていった。

あのサングラスを頭に乗せてリゾート風の軽装の服を着ている感じだと旅行先は、ハワイと思う。

旦那さんが大きな旅行カバンを二つ持って、たかこさん(奥さん)の荷物持ちをしてあげていた。

ジョギングをしていた男性は、走り終えると何か買ってきて飲みながら歩き水分補給をしてから帰っていった。

これは、大濠公園にジョギングをしている人が多いのででリアルな感じだった。

二人の男子高校生も何か買って来て飲みながら仲良く会話をしてから別れて、手を振りつつ帰っていった。


そんな中で澪のフルートの響きを聞いた葵と唯が、吹奏楽部に入らないか勧誘。

するとスマホで文字を入力すると画面を示して、できませんと断って逃げるように帰っていく澪。

何も言わずスマホの画面で答えていた事に不満そうで「親の顔が見てみたい」と言っていた葵と唯。

その光景を後ろから見ていた杏が近づいてきて二人を注意してから澪が実は、人と話せない病気だと明かす。

その事を知った葵と唯が反省してから今度は、ピアノが得意で音楽に詳しそうな杏を吹奏楽部に勧誘。

しかもホルンパートという事で「楽器も決まっとうとね」と博多弁で驚いていた杏が、おもしろかった。

杏が答えを言う間もなく勧誘成功という事で、満足そうに走り去っていく葵と唯。

そこへ、ピアノ教師の凜々子が荷物を入れる台車を押しながら大濠公園を散歩していた、おばあさんに手を振ってから杏に近づいていった光景が、ほのぼの。

吹奏楽部の部員たちの周囲の、新婚夫婦のストーリーなど大濠公園の利用客の日常の光景まで細かく作り込まれていたのが気になり、見ていて楽しかった。

吹奏楽部に入部する事に凜々子が「ピアノ演奏の表現力が高まる」と賛同して、個人レッスンも増やすとサービス発言もした事でホルンが吹けそうと張り切る杏の演技も、おもしろかった。


吹奏楽部が練習をしている場面になると姿を見せた顧問の教頭先生、そしてスノーボード部も担当している鈴江先生。

スノーボード部の部員たちが、冬以外のオフシーズンだけ吹奏楽部の活動に協力してくれるとの報告。

冬の大会があるシーズンは、「抜ける訳にはいかんとよー!」と部員を演じる役者さんが言う後ろで、精華女子高校の吹奏楽部の数人の部員さんも演技に参加していて、ほのぼの。

メンタルコーチに就任した鬼門コーチが姿を見せて紹介され、部員たちと初対面。

部員たちが合奏を始めようとすると鬼門コーチが指揮ができないというコメディー風の流れで、学生指揮をするように言われた精華女子高校の吹奏楽部の部員さんが「ええよ」と言うセリフで答えて、実際に指揮をしていた姿が、かっこよかった。

力強く響き渡っていく演奏。精華女子高校の吹奏楽部の皆さんの間に、部員を演じる役者の皆さんも座って参加。

鈴木梨央さんが演じている葵は、トランペットパートの部員さん。

途中まで聞いていた鬼門コーチが演奏を止めさせると、何が悪かったのか気になって質問し始める部員たち。

そこで鬼門コーチが部員たちに、何のために演奏しているのか質問。

葵が「全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞するため」と答えると「それは、目標」と応じて「聞いてるのは、目的」と話を続ける鬼門コーチ。

その『目標と目的』の違いを部員たちに考えさせていた鬼門氏の問いかけが、観客も答えを考えたくなるようで興味深かった。

まだ答えを言わず鬼門コーチが今度は「うまくできるために努力が必要と思う人?」と部員たちに問いかけ。

部員たちが手を挙げている後方で星野真里さんが演じる鈴江先生も手を挙げて参加していたのが、おもしろかった。

この問いかけには、たくさんの部員たちが手を挙げていた。

話を続けて鬼門コーチが「努力をすれば確実にうまくできると思う人?」と問いかけると、手を挙げる部員たちが減った様子。

これも答えを言わず『努力をするよりも、うまくできるようになる』すごい方法があると語る鬼門コーチ。

それが何なのかは、明かさず分かる方法があるという事で体育館に行ってバレーボールを使ったトレーニングをするように指示を出す鬼門コーチ。

戸惑いの表情を見せながらも体育館へと走っていく部員たち、

鈴江先生もトレーニングに参加しようと教頭先生を道連れにしながら走っていく、この場面での星野真里さんの朗らかな演技も楽しかった。


そこへ、隠れていた奥から姿を見せて登場した紅ゆずるさんが演じる凜々子。

真っ赤な服にヒョウ柄のスカートというド派手な衣裳で、コテコテの大阪弁で話してパワフルな演技。

鬼門コーチが音楽の知識が無いけど吹奏楽部で指導する事になった事を知って憤り、トレーナーとして音楽面の指導を引き受ける事にした凜々子。

そして、長崎の葛西高校に行ってしまった西島先生の事で頼み事をする河合トレーナー。


ここで明らかになった葵が鬼門コーチの実の娘という事を葵本人が知らないという事実が後に、何かありそうな雰囲気を感じさせていた。


母親の凜々子が鬼門コーチに葵に実の父親とカミングアウトしないように忠告する場面で、大阪弁で言う紅ゆずるさんと博多弁で言う華丸さんが漫才のように言い合う場面は、楽しい見せ場。

本場の大阪の観客にも好評で福岡の観客以上に、すごい反応だった。


校長室で鈴江先生が、鬼門コーチの行動に不信感を感じ始めている報告をしていく場面。

ユニークな練習方法の話になると、ジャージ姿の部員たちが姿を見せて実演。

輪になって並んで回りながらバレーボールを投げ上げ、それを隣の人がキャッチ。

続いて、縄跳びをするような動き。最後にフラフープを持ってきて輪になって、くぐっていくような動き。

演じている数人の役者の皆さんが素でワイワイと楽しんでいるように見えて、おもしろい名場面だった。

奥で精華女子高校の吹奏楽部の部員さんがスーザフォンを吹いて低音を響かせり。シロフォンを演奏していた演奏も軽快な盛り上げで楽しかった。

吹奏楽部のメンタルコーチに推薦した鬼門輝勝という男性を、トランペット奏者の日野皓正と勘違いしていた事に気がついて鈴江先生が、「どうしてなんですか?」と大声で校長先生に詰め寄る星野真里さんの演技は、迫力があった。


吹奏楽部の保護者たちが、鬼門コーチの指導の事で苦情を言いに校長室に殺到してきた場面。

メンタル面の指導をしている鬼門コーチが、音楽面の指導をお願いしているピアノ教頭の河合凜々子トレーナーを紹介しようと呼ぶと、張り切って真っ赤なドレス姿で登場した紅ゆずるさん。

最初に「大阪府 出身!」と豪快に言ってから、慌てて礼儀正しい言い方になる河合トレーナー。

ここも大阪での観客が、すごい反応で好評のようだった。

ピアニストとして活躍していた輝かしい経歴の河合トレーナーが音楽面の指導をする事で、鬼門コーチの事で抗議しにきていた保護者たちが安心。

ところが岩永会長だけは、鬼門コーチに対する不信感を持ち続けて杏の父親の手塚弁護士に協力してもらう事に。

手塚弁護士が鬼門コーチの身辺を詳しく調査する事が後に大変な事になっていった。


大濠公園で部員たちが自主練習をしている場面。

声を出して人と話せない澪が吹奏楽部で部員たちとコミュニケーションをする為に葵が思いついたのが、フルートを使う方法。

短いメロディーの音階に言葉を当てはめ、澪がフルートを吹いていく事で部員たちと会話をしていく事に。

それを『ドーソードーソードー』など歌うように説明していく葵の鈴木梨央さんの演技も、さわやかで良かった。みんな楽しそうで、ほのぼの。

この自主練習で杏がホルンを吹けていない事が明らかになり、音楽の知識があって譜面を読めても音を出せないので責任感を感じて、やめたそうな様子。

そこで鬼門コーチがカンニングペーパーを見つつ、有名な作曲家の名曲を出していく事でホルンの魅力を語っていく事で、杏が気を取り直してホルンを頑張っていく事を決める場面も良かった。


音楽室で吹奏楽部の合奏の場面。

鬼門コーチが部員たちの演奏を絶賛していくセリフに合わせて、河合トレーナーを演じる紅ゆずるさんがパントマイムのようにダイナミックな動きで表現していたのが楽しい見せ場。ここも大阪の観客に好評で、大ウケとなっていた。

メンタルコーチに就任した時に問いかけていた『うまくできる方法』の答えを明かしていく鬼門コーチ。

部員たちが、ボールやフラフープを使ったトレーニングをする事で相手をよく観察して合わせる協調性、楽しみながらハードな運動をする事で体力を身につけられたとの事。

努力をする事よりも、うまくなる方法。それは、ワクワク。厳しく感じながら努力をするよりも、楽しみながら取り組んでいく方が上達できる事になると解説していた。鬼門コーチの話に聞き入り、納得していく部員たち。

まだ決まっていなかった部員を決める事に。鬼門コーチが指名したのは、葵。

まだ1年生という事で戸惑う葵に「憧れるのは、やめましょう」と鬼門コーチ。「そんな、大谷翔平じゃないので」と答える葵。

この流れも個人的に好きだった。なんとなく、野球が好きな華丸さんが追加したセリフのような気がする。

新生・西北女子の部長に葵が、ふさわしいと鬼門コーチ。杏などの部員たちも、葵が居なかったら吹奏楽部の活動が再開できていなかったと賛同。


いい雰囲気を断ち切るように音楽室に入ってきた澪の父親の岩永会長、杏の父親の手塚弁護士。

二人が強引に部員の娘たちを連れ帰ろうとするのを止めさせようとする鬼門コーチに対して明かされる、葵が実の娘という真実。

ショックを受けて走り去っていく葵。父親に連れ帰られていく杏と澪。

大変な事になって河合トレーナーが「何かいい考えが無いの?」と聞くと、あると鬼門コーチが答えてから「その前にハーフタイム!」と宣言して、第一幕が終演して休憩。


第二幕が開幕すると、一人で指揮棒を持って客席の方を向いている鬼門コーチ。

やがて吹奏楽の名曲『フェスティバル・バリエーション』がホール内のスピーカーから流れ始まると、鬼門コーチがコミカルに動きながら指揮をしていく。

しばらくすると付近の椅子に置かれているラジカセがスポットライトで照らされ、そこから流れてくるBGM。

それを見た河合トレーナーがラジカセを止めると、指揮を止めて転ぶように倒れる鬼門コーチ。ここも観客を笑わせる見せ場。

あの有名な、福岡県の精華女子高校の吹奏楽部のCDを聞いて指揮の練習をしていたと言う鬼門コーチ。

それに対して指揮者は、演奏に合わせて指揮をするのでは無く、指揮に合わせて演奏されるのでCDに合わせてもタイミングが遅れる事になり練習になってない、と厳しめに説明する河合トレーナーだった。


そこへ、唯が吹奏楽部を退部させて欲しいと相談に。

吹奏楽コンクールでクラリネットを吹く時に、緊張感で手が震えるとの事。

河合トレーナーがビデオを見たらミスしていなかったと言うと去年は、ミスしそうな所で吹いていなかったと正直に答える唯。

「なら、また同じ手を使え」と鬼門コーチが言うと笑っている観客が多かった。

耳が肥えた審査員に同じ手は、通用しないと答える唯。

ソロは、上手に吹けていると河合トレーナーが言うと唯は、「ソロは、自己責任」で合奏の時には、ミスをすると迷惑をかける事になると答えて責任を感じている様子。

唯が人に迷惑をかけたくないと考えていると気付いた鬼門コーチが指摘すると、誰でもそう考えると答えた唯。

ところが鬼門コーチは、そんなに人に迷惑かけるのが悪いと思っていない様子。河合トレーナーも同じように言うと「分かるー!」と言ったので、にらまれていた。

鬼門コーチの唯に対するアドバイスは、迷惑をかけるのが上手な達人に教わって1日1回、人に迷惑をかけるようにするという事。

責任感を感じさせないようにする目的の宿題を出していたようだった。


居酒屋シモジの場面。

パタパタママの下畑博史さんが演じている店主の荒木下司が盆で運んでいたコップを床に落としてしまったようで、ステージから客席の最前列の所にまで落下。

これには、斉藤優さんなど出演者たちも驚いていた様子だった。こういう事があるのも劇場での舞台の良さ。

店内では、かなり酒を飲んで酔っている様子の岩永会長。

そこへ、校長先生が来店。店に入るまえに「ワンワン」と犬の鳴き声が聞こえると足で追い払うようにする演技が、おもしろかった。


店内で岩永会長と酒を飲みながら、自身の事について語り始める校長先生。

ステージ端のテラスのような所からコントラバスのソロ演奏が聞こえていて魅力的な低音の響きで、かっこよかった。

亡くなっていた、校長先生の旦那さんが前の校長先生で吹奏楽部に対して熱心ながらも苦労していた話を語っていた。

それが現在の校長先生が吹奏楽部に対して厳しく接している原因のようだった。

そこへ帰宅した荒木店主の娘の唯。鬼門コーチが言っていた人に迷惑をかける達人というのが、父親の荒木店主の事。

荒木店主の迷惑の数々の実例を聞いてから、人に迷惑をかける方法を教わった唯。

張り切って「人に迷惑をかけるぞー!」と力強く言っていた唯が、かわいかった。


杏が保健室で寝ている場面。体調が悪く倒れて軽く頭を打った様子。

迎えに来た父親の手塚弁護士が何かあったのか聞くと、すぐに答えない杏。言いたくなったらでいい、と優しく応じる手塚弁護士。

ショックな事があったと話し始める杏。最近は、吹奏楽部で部員が増えて演奏技術の理由もあり「もう来なくてもいいよ」と言われるようになったとの事。

だから、吹奏楽部に行くのを止める。「これでピアノの練習に専念するので、お父さんもいいでしょう」と話す杏。

「杏は、それでいいのか」と手塚弁護士が応じると、正直な思いを話し始める杏。

最初は、手助けのために行っていた吹奏楽部。それがホルンの音を出して、みんなで合わせていくのが楽しくなっていった。また、みんなで演奏したいという思いを涙ながらに語っていた杏。

また、みんなで演奏したいと言えばいいじゃないかと励ます手塚弁護士。

その時に、いい事を言っていた。悔し涙を流した目には、虹がかかるという感じの言葉だったかな。

「実は、お父さんもトランペットを吹いていて音大を受験したけど落ちたんだ」と言って、持っていたケースからトランペットを出して示す手塚弁護士。

「私たち、かっこ悪い親子だね」と杏が笑顔で答えて、仲直りできた様子で帰っていった手塚親子。

この流れは、博多座から何回も鑑賞して毎回、心を打たれて感動していた好きな名場面。

奥から聞こえていた精華女子高校の吹奏楽部の部員さんが弾いていたピアノ、指揮者のYUHKIさんが吹いていたトランペットソロが効果的に響いて、より感動を大きくしていた。


葵と澪が父親から逃れて、宿泊をさせてもらっていた橋口店長の旅行代理店の場面。

家に帰らなくていいのか心配する橋口店長に対して
椅子に座っていた部員たちが「居心地がいいのよねー」と言いながら足を伸ばしていた動きが、ほのぼの。かわいかった。

澪がフルートを短いメロディーで吹いて意味を理解している部員たちと会話を始めると、初めて見た橋口店長が驚きの反応。演じていた斉藤優さんの顔芸が最高で、おもしろかった。

部員たちの会話で、まだ吹奏楽部に戻りたくない様子の紬

そこへ来店した河合トレーナー。慌てて奥に逃げようとする葵に「敵に背を向けるのは、卑怯よ!」と勇ましいセリフの笑わせ所。

ここに河合トレーナーが来たのは、葵を連れ戻すのでは無く紬に会うため。

紬が不信感を持って吹奏楽部を退部する原因だった、恩師の西島先生が何も言わず西北女子の吹奏楽部を離れて長崎の葛西高校に行った理由を、鬼門コーチが聞きに行っていたとの事。その様子を再現する光景が、上演されていく。

最初は、何も話せないと断り続けていた西島先生。鬼門コーチが、一人の生徒が大人に不信感を持ち続けているのが良くないと説得すると熱意に押された西島先生。

理由があって福岡に行けないので、代わりに息子に行ってもらって詳しく理由を明かす事に。

河合トレーナーと共に来店していたのが、西島先生の息子さんだった。

心に余裕があれば息子さんに会うか聞かれ、覚悟を決めて会う事にする紬。

息子さんは、この事を知っているのが西島先生と自分だけなので、この場所で西北女子の吹奏楽部の関係者さんだけに話したいとの事。

急に注目を集めて状況を察し、聞かないように耳を手でふさぐ橋口店長。

実は、西島先生の体調が悪く医者から余命数ヶ月と診断されて姪がいる長崎の葛西高校で余生を過ごしたかったとの事。

西北女子の部員たちに話さなかったのは、心配させないため。校長先生にも言っていないとの事。

父の西島先生が何も言わず西北女子を去った事を、すいませんでしたと謝る息子さん。

私の方こそ、と西島先生が西北女子の吹奏楽部の部員たちを見捨てて長崎の葛西高校に行ったと思い込んで誤解していた事を、申し訳なさそうな紬。

吹奏楽部を退部していたけど本当は、吹奏楽が好きだった。また、みんなで演奏したい。クラリネットを吹きたい。

その真っすぐな思いを語る紬の姿に心を打たれて感動的な名場面、古川あかりさんの名演技だった。

紬が暖かく迎えられるように吹奏楽部に戻れる事になり。良かったと泣いていた橋口店長の姿にも感動。


真夏の音楽室での吹奏楽部の練習の場面。

どこか演奏に物足りなさを感じた鬼門コーチが指摘すると数人の部員たちが明かしたのは、長崎の吹奏楽コンクールの県大会で葛西高校の演奏を聞いてきた時に感じた事。

西島先生が指揮をせず学生さんが指揮をしていて見事な演奏で、プレッシャーを感じている様子。

西北女子が全日本吹奏楽コンクールに行けるのか、不安そうな部員さん。

西北女子と葛西の両校が行けたらいいと言う部員さん。どちらか1校しか行けない可能性もあると考えて不安そうな部員さん。

「わさと西北女子が負けて葛西高校が行ったらいいと思っているの?」と問いかけた部員さんに「それでもいいかな」と答えた部員さんが居たので、「西島先生がそれでいいと思うの?」と激怒して腕をつかみ詰め寄る紬。

この時に部員たちで衝突して熱くなっている紬を演じていた古川あかりさんは、かっこよかった。

部員たち全員が立ち上がって不穏な雰囲気に。葵が鬼門コーチに、この状況でのアドバイスを求めてから部員たちに落ち着いて座らせるようにする部長らしい頼もしい姿。

「わしに聞くんかい?」と驚いてから語り始める鬼門コーチ。

「音楽にも勝ち負けは、ある」との事。それは、自分との戦いで人を傷つけない。

恐怖は、勇気を出した人だけが感じる事。勇気を出そうとする人の前に恐怖があるから。恐怖は、勇気へのパスポート。恐怖を楽しめ、というアドバイス。

勇気づけられた部員たちに対して今度は、就任する時に問いかけていた『目標と目的の違い』について話し始める鬼門コーチ。

目標は、実現できるか分からないので恐さがある。目的は、希望では無く実現できた後の事を想像する事なので恐さが無い。

語尾が「~たい」では無く「~する」と力強い言い方になる。

目的が達成できたかどうかは、自分が決める事。それに向かい続けていく事で、いつになるかは分からないけど達成できる。


鬼門コーチの思いを理解できた部員たちが『目的』を次々に語っていく。

葵は、憧れの西北女子の吹奏楽部に入った中で生きていると感じる、輝くと答えていた。

唯が、みんなを感動させる。紬が特技のクラリネットを吹いて、みんなで演奏する。杏が、みんなでハーモニーを響かせ合う。という感じの答えだったかな。

柴﨑凛々子さんが演じていた部員さんが、みんなと仲良くすると答えていたのが印象く、元気いっぱいな個性をアピールしていたようで楽しかった。

目標と目的の違いを部員たちが理解して団結できている雰囲気を断ち切るように、音楽室に入ってきた校長先生と教頭先生。

学業と部活動を両立させる為に、部員たちの成績が下がっていたら音楽室を使わせないという事になっていた。残念な事に下がっている様子。

「なんとかなります!」という言い方と手の動きが個人的に好きだった教頭先生が、部員たちが追試を受けて合格すればいいと助言。

鬼門コーチの指示で、校長との約束通り音楽室を出ていく部員たち。

そして、岩永会長の娘さんの事で集まりがあるので数日後に校長室に集まるように言われる鬼コーチ。

大丈夫なのか自信が無さそうで、もしも悪い結果になったら河合トレーナーに後を託す鬼門コーチだった。


ついに校長室での集まりの日で、裁判のような雰囲気。場面転換の時に、後方で精華女子高校の吹奏楽部のトランペットやトロンボーンの部員さんの不思議な演奏が響いていて見事に不穏な雰囲気を作り上げていた。

校長先生が裁判官、その隣で書記官のような姿の教頭先生。両サイドに部員の保護者たちが傍聴席のように座って見守り、原告のように岩永会長や手塚弁護士が最前列で着席。

岩永会長の言い分は、鬼門コーチがバスケットボール部で指導をしていた時に厳しい指導をしたので娘の澪が精神的に悩んで、声が出なくなり人と話せなくなったという事。

序盤は、鈴江先生が鬼門コーチを弁護するように岩永会長と激しい言い合い。

岩永会長の味方のようだった手塚弁護士の調査結果は、鬼門コーチが澪を人と話せなくしたという証拠が無かったという結果。疑わしきは、罰せずという事で無罪という結論。

保護者たちも発言を求められると部員たちが、みんな充実感を感じているという好感的な報告。

岩永会長は、それらが状況証拠だとして示した物的証拠の手紙。澪が「もう会いたくありません」と書いていた様子。


教頭先生も発言を許可されると語り始める、居酒屋で鬼門コーチから聞いた話。

ラグビーで優秀な選手だった鬼門氏が部活を止めて、メンタルコーチをするようになった理由。

この話は、誰にも言わないという約束だったとの事。これ以上は、言えないので裁判官役の校長先生の指示で鬼門コーチに自分で話させる事に。

鬼門コーチが語り始めた話。ラグビー部で優秀だったキャプテンがチームを引っ張り、全国大会に導いてから踏切に身を投げて自殺。

後から聞いた話では、キャプテンが部活の事で悩んでいたとの事。

体育会系の部活でいい結果になっても、そういう結果の人生になったら意味が無い。

それがメンタルコーチを目指す理由になったという、鬼門コーチの話。

そんな優しい鬼門コーチが、澪を精神的に追い詰めるような厳しい指導をするでしょうかと弁護する教頭先生。

序盤には、商店街の人たちから「事なかれ主義」と言われて信頼されていなかった教頭先生。

この時の教頭先生が、しっかりと自分の意見を言って鬼門コーチを弁護していた姿が頼もしく見えて最高で、かっこよかった。

西北女子の吹奏楽部の部員たちと共に、教頭先生も精神的に成長していたと思う。

教頭先生の弁護に対して「そんなのは、時の流れで変わるでしょう」というような事を言ってから「こっちには物的証拠があります」と言い張って澪の手紙を示す岩永会長。

「あなた方も分かるでしょう。娘が話せなくなった親の思いが」と言い張る岩永会長に対して、「岩永さん!」と悲しそうに言い返す鈴江先生。

そこで手塚弁護士が発言して澪に直接、証言してもらう事に。

澪が人と話せないという認識で不思議そうな岩永会長に対して、通訳してもらえるので分かりますという説明をする手塚弁護士。

フルートを持って校長室に姿を見せた澪。後ろから両手を動かして「頑張ってね」と励ましている、吹奏楽部の部員の仲間たち。

澪がフルートを吹き始めると、その響きに込められた思いを部員たちが通訳して岩永会長に伝えていく。

途中から部員たちが輪になって歌い始めたりもして、バスケット部での事から父の岩永会長に謝るような澪の思い。

吹奏楽部でのコミュニケーションの方法で部員たちを結んでいた友情の響きが今度は、親子の絆となる響きとなっていた光景は、清々しさに満ちていて感動。

一からフルートを始めていた神田朝香さんが澪の思いを乗せての人と人を結ぶ響きは、記憶に残る名演だったと思う。

部員の仲間たちの熱意に押されて岩永会長と澪の親子が分かり合う光景も、また感動の連続だった。

教頭先生が、追試を受けていた部員たちが全員合格という、いい報告。


ガラッと雰囲気が変わって居酒屋シモジの場面。

荒木店主の奥さんと鈴江先生。そして、なぜか吹奏楽コンクールの九州大会に行っているはずの鬼門コーチの姿。

実は、本番が終ってから表彰式の前に全国大会に行けるかどうかの緊張感で、鬼門コーチだけ逃げ帰ってきた様子。

鈴江先生から厳しく責められていた。全て正論で言い返せず、明日からメンタルコーチをやめると言い始める鬼門コーチ。

しばらくすると、居酒屋シモジに姿を見せた九州大会に応援に行っていた保護者たち。

結果が気になる鬼門コーチに対して逃げ帰った事を責めつつ泣きまねをしたり、じらして言わない保護者たち。

ついに岩永会長が明かした結果は、西北女子が全日本吹奏楽コンクールに出場。葛西高校も出場できた様子。

河合トレーナーや数人の部員たちも姿を見せて、歓喜の雰囲気。

吹奏楽部に厳しく接していた校長先生も、「あの子たちが奇跡を起こしたのよ」と泣いて喜んでくれていた。

鬼門コーチと対立していた岩永会長が分かり合えてからは、心強い味方という感じで良かった。

その後、部員たちから鬼門コーチへ指揮棒をプレゼント。いつも指揮の練習をしていた事を知っていた様子。

「なぜ指揮棒を?」と不思議そうな鬼門コーチに対して部員たちは、全国大会で河合トレーナーでは無く鬼門コーチが指揮をして欲しい様子。

戸惑う鬼門コーチに対して「また逃げるんですか?」と岩永会長。「今度は、あなたが奇跡を起こす番ですよ」と励ますように言う校長先生。

そこで、大会が終る冬まで親子では無くコーチと部員という関係という約束だった実の娘の葵が思わず言ったような決めセリフ。「お父さん!」

驚く鬼門コーチが「もう一回、言って」と言うと、繰り返して言う葵。「お父さん!」

ここも、ほのぼのして記憶に残り心暖まる名場面。かわいかった。

これで鬼門コーチが全国大会で指揮をする覚悟を決めて、団結する部員たち。

部を代表して「ファイヤー!」という声出しで、葵が左手を高々と挙げていた姿が勇ましく見えて演じていた鈴木梨央さんが、かっこよかった。

幕が下りると後方から、客席の通路を通って演奏しながら行進してくる精華女子高校の吹奏楽部の部員の皆さん。

目の前でトロンボーンの部員さんの演奏が力強く響いていて、かっこよかった。

ステージに軽やかに上がっていくと横列に並び、演奏を続けていく部員の皆さん。

演奏の合間に笑顔で手拍子をしたり、肩を組んでいる部員さんも居て貴重な経験を楽しんでいて、ほのぼの。

トランペットパートの部員さんのテンションが特に高く、大きな動きで盛り上げていた。

幕が上がると、後方のステージ上に並べられている椅子に軽やかな動きで向かい座っていく精華女子高校の吹奏楽部の皆さん。


ここから全日本吹奏楽コンクールの場面。1曲目では、架空の吹奏楽コンクールの課題曲風の曲『FIREWORKS MARCH』を軽快に演奏。

力強いトロンボーンの響きやピッコロの聞かせ所が、かっこよく終盤のトランペットの華々しい響きも印象深い。

2曲目では、吹奏楽コンクールの自由曲風の曲『ヴィータ・ノーヴァ(VITA NUOVA)』を演奏。こちらは、重厚な雰囲気の曲。

澪の名場面を思い出すような、フルートソロやオーボエの響きが感動的な名曲。

西北女子の吹奏楽部の部員を演じている役者の皆さんも、精華女子高校の吹奏楽部の部員の皆さんの間で着席して演奏に参加。

指揮台に鬼門コーチを演じる華丸さんが上がって指揮をしていた姿が、かっこよかった。

このオープニングで演奏していた曲を、エンディングでも演奏して葵が憧れの西北女子の吹奏楽部に参加しながら終っていくという流れも良かった。


カーテンコールでは、『FIREWORKS MARCH』の軽快な演奏に合わせて出演していた役者の皆さんが次々に前に出て来てアピール。

いろいろな役を兼任していた役者さんが、あの幸せそうな新婚夫婦の衣裳を着てアピールしていたのも個人的に好き。

中盤から役者の皆さんや精華女子の皆さんが歌い始める、あの歌も耳に残って印象深かった。頑張った西北女子を讃えるようで、幸福感に満ちている雰囲気で好き。

終盤には、両サイドに分かれていく出演者の皆さん。神田朝香さんがフルートを吹いて、ここでも演奏に参加していた姿も良かった。

大千穐楽という事で最後のカーテンコールで、やりきったような充実感を感じさせるような表情だった役者の皆さん。



終演後には、座長の華丸さんが仕切って出演している役者の皆さんが、あいさつ。


上西怜さんは、初演技と初演奏と初博多弁の初尽くしで学べた事が多く貴重な経験をできた充実感を語っていたようだった。


古川あかりさんは、幼い頃から舞台女優を目指していて今回の舞台に出演できた満足感を語っていたようだった。


鈴木梨央さんは、優しい人たちに支えられながら、いい思い出になった様子を感極まりながら語っていて感動的だった。



森保まどかさんは、自身と共通点が多い役柄を演じられていた充実感を語っていたようだった。ピアノが1人で弾くのに対して吹奏楽は、みんなで合わせて演奏する楽しさを知った役柄の杏の思いに共感できていたようで、かっこよさ・さわやかさがあった、あいさつだった。



神田朝香さんは、人と話せない役柄だったので素に戻って大きな声で元気に語っていた姿のギャップが良かった。キャストの中で、一番よく話す役者さんらしい。


前回の上演から経験が少なかったフルートに挑戦しながら役者として音楽や言葉を越えた何を伝えられるか考えながら演技をして、今回の出演での充実感を語っていたようだった。



星野真里さんは、音楽劇では無い今回の舞台で精華女子高校の吹奏楽部が生演奏をするのは、すごい事で共演できた充実感を語っていたようだった。部員さんから、かわいいと言われた事も嬉しそうに言っていて、ほのぼの。


どの役者さんも笑顔や涙など様々な表情を見せながら、やりきった充実感が伝わってきたようで清々しかった。


後方から見守っていた精華女子高校の吹奏楽部の皆さんも、泣き笑いの表情で感動していた。


これで、福岡の博多座から続いてきた大阪の新歌舞伎座での上演、2ヵ所での公演が各地で大好評で終演。



高校の吹奏楽部が題材の、さわやかなストーリー。いろいろあったけど部員たちの父親は、みんないいお父さん。


高校や地域や家庭で、個性が強いけど優しい大人たちに支えられながら部員たちが思い悩みながらも成長していく姿が清々しい名作だった。


あの客席から見続けた役者の皆さんによる名演の光景は、忘れられないと思う。


舞台は、映画やテレビと違ってライブ感覚で目の前で役者さんが演技をしているので演じている人物の思いを込めたセリフが、ストレートに伝わってきて心に響く。


それを受け取った観客が楽しめた思いや感動した思いを直接、役者に向けて示せるのも舞台の良さ。


ステージ上の役者さんと客席の観客が互いに感情を高め合い、同じ場所で同じ時間を共有しながら数時間を過ごして共感していく。


そんな舞台の魅力を改めて実感できた、福岡の博多座と大阪の新歌舞伎座での数日間だった。



推しの鈴木梨央さんは、憧れの高校の吹奏楽部に入部できて思い悩みながらも部長として頼もしく引っ張っていた演技が見事。


よくテレビで見て知っていて目の前で見たら、かわいい名役者さんだった。


これからも今回の舞台での経験を生かしながら、いろいろな出番で頑張って欲しい。



今回の『人生!熱血ブラバン少女。』で名前を知った古川あかりさんは、みんなで吹奏楽部で演奏する事やクラリネットを吹く事が好きな部員さんの真っすぐな思いを表現していた演技が感動的で、心を打つ名演だった。


これからも、舞台女優としての活躍を期待していきたい。いつかまた、いろいろな感情表現に挑戦している演技を劇的で目の前で見られる日が楽しみ。頑張って欲しい。



星野真里さんは、活発な表情の変化による笑ったり驚いたり怒ったりなどの感情表現が豊かな演技が個人的に好きで、ステージ上を華やかに盛り上げていた。


舞台に上がると全力でテンションを上げて、観客を楽しませてくれるエンターテイナーの役者さん。


これからもいろいろなテレビや舞台など、いろいろな出演の場で頑張って欲しい。



精華女子高校の吹奏楽部は、たくさんの曲を場面や登場人物の感情に合わせて魅力的な響きの生演奏で盛り上げていた。


きれいに、フルートやピッコロやオーボエを響かせていた部員さんの演奏も素晴らしかった。


役者さんと絡んでセリフを言ったりハイタッチをしたり後方で、いろいろな表情や動作を見せたり立ち上がったりもして、演技にも参加していた姿も最高だった。


自分の地元の、北九州市の木屋瀬中学校の吹奏楽部 出身の部員さんも活躍していた。さすが木屋瀬◎



『新生!熱血ブラバン少女。』に出演して、福岡や大阪で笑いあり涙ありで存分に魅了してくれた役者や演奏者、精華女子高校の吹奏楽部の皆さん、ありがとうございました、お疲れ様でした!