3月10日は、九産大九産(九州産業大学付属九州産業高校)の吹奏楽部が〔久留米シティプラザ ザ・グランドホール〕で開催した定期演奏会を初鑑賞。
パンフレット
〈Ⅰ部〉は、マーチングステージで部員さんが黒い帽子や九産カラーの赤い衣裳を着た勇ましい姿で出演。
1年生の部員さんは、『エル・クンバンチェロ』を演奏しながら披露。
ステージ両サイドで、先生方が指揮をしていたようだった。
後方にピットが配置されてバッテリーやスーザフォンを吹く部員さんも、そこで静止して演奏。
ステージ上の左右では、縦列に整列した部員さんが静止して演奏。
ステージ中央で隊列を形成した部員さんが動きながら演奏して、マーチングを展開していく流れ。
九産の吹奏楽部に入部してから1年間、先輩方についていきながら経験を積み重ねてきた1年生部員の皆さんが軽快に力強い演奏を響かせながら、見事なマーチングを披露して華々しく定期演奏会のオープニングを飾っていた。
ステージ裏から見ていた2年生や3年生の先輩方が感心しながら見ていたかもしれない、頼もしい姿だった。
続いて2年生の部員さんは、『ミュージック オブ ベートーヴェン』というタイトルで名曲メドレーを演奏しながら披露。
『運命』で力強く始まると『悲愴』の穏やかな響きと共に、ゆったりと展開。
最後は、『第九』の『歓喜の歌』に重厚な盛り上げで締めてシンフォニックな響きの3曲の演奏と共に見応え・聞き応えがあった芸術的な雰囲気のマーチングだった。
3年生の部員さんは、『TOPAZ・FIRE STORM』を演奏しながら披露。
情熱的な雰囲気で、トランペットやトロンボーンなど熱い響き。
ステージ上で整然と展開していく隊列の動きも見事で、すごい迫力。
九産で3年間、技術と表現を磨き続けてきた3年生部員さんによる勇姿で、かっこよさに満ちたマーチングだった。
〈Ⅱ部〉は、シンフォニックステージ。
『鷲の舞うところ』を全員で披露。軽快に始まりトランペットやトロンボーン、ホルンも力強い響き。
ゆったりした流れでクラリネットやサックスやフルートの、きれいな響き。
コントラバスは、4人の部員さんが弾いて低音パートの響きも強力。
弓や指を使って弾く動きが見事にシンクロして合っていてステージ端で、かっこよさが際立っていた。
緩急がある流れを経て終盤に鷲が飛翔していくように盛り上がっていき、爽やかな演奏だった。
演奏の合間には、九産の吹奏楽部のOGさんが司会者で後輩の活躍を暖かくサポートするように進行していた。
続いて1年生、2年生の部員さんが2024年度 吹奏楽コンクール課題曲よりⅠ『行進曲「勇気の旗を掲げて」』を披露。
陽気な雰囲気で軽快に始まっていき、ピッコロ部員さんのソロが見事な響きだった。
続いて『キリストの復活~ゲツセマネの祈り~』という曲を披露。
穏やかな始まりから、曲名が示すようにゲツセマネで思い悩むキリストの哀愁を感じさせるような流れを経て終盤には、その運命を受け入れた事を讃えるような雰囲気となり幸福感を感じさせる締めとなっていた。
フルートなどの聞かせ所も多く、題材にしている事から壮大なストーリー性を感じさせる見事な表現の演奏だった。
『「千と千尋の神隠し」ハイライト』は、全員で披露。宮崎駿 監督の名作映画の、久石譲さん作曲の名曲メドレー。
『あの夏へ』などでピアノを弾いて鍵盤を響かせていた部員さんも、かっこよかった。
『ふたたぴ』でオーボエとソプラノサックスの部員さんのソリがあり、魅力的な響き。
クラリネットの部員さんのソロもあったようで、きれいに響かせていた。
好きな映画の名曲メドレーという事で、『千と千尋の神隠し』の世界観を感じさせながら感動的な演奏だった。
『Crossfire November 22』は、今年度の九産の吹奏楽コンクールでの自由曲。
穏やかな流れでの、きれいなクラリネットやフルートの響きが魅力的。
パーカッションでシロフォンの部員さんの力強い響きも印象深く、かっこよかった。
アメリカのケネディ大統領を題材にしているという事で、衝撃的な出来事を思わせる流れを経て終盤には、アメリカ国歌を織り交ぜながら力強い響きの締め。
去年のコンクールシーズンに部員の皆さんが向き合って取り組み、技術と表現を磨き上げていた努力の結集。
今年の定期演奏会で最後の披露という事で、そんな思いも伝わってくるようで記憶に残る九産サウンドの魅力的な名演だった。
〈Ⅲ部〉は、エンターテイメントステージで部員の皆さんが背中に『93』(九産)と示された法被を着て出演。
顧問の榊先生は、背中に今回の定期演奏会のテーマの『湧』と示されてキラキラした金色のジャケットを着て、張り切って指揮をしていた。
コントラバスパートの1人の部員さんが後方に行って交代しながらベースを弾いて男女の部員さん、それぞれ勇ましい姿で、かっこよかった。
1曲目では。『宝島』を軽快に演奏して盛り上げると終盤に数人の部員さんが前に出てきて何か、一文字ずつ書かれたパネルを置いていた。
つなげて読むと『雲外蒼天 47代目ラストステージ 最後の演奏を届けます』だったかな。
続いてYOASOBIの『アイドル』の演奏では、1年生部員の皆さんがステージ前方まで出てきて横列に並ぶと元気にダンスを披露していた。
『いのちの歌』は、2年生の部員さんが横列に並んで合唱を披露。男女別の歌い分けもあったり、清々しい歌声が響き渡っていた。
『93ヒットパレード ~KSH歌謡祭~』では、いろいろなヒット曲の演奏と共にパフォーマンスを披露。
司会役の部員さんが、大きな声で元気に盛り上げて進行していた。
『ヘビーローテーション』では、数人の女子部員さんが仮装した姿で振り付けの動きでダンスを披露。
看護士さん、保育士さん、ベートーヴェンみたいな作曲家の姿になっている部員さんも居たようで、ほのぼのする雰囲気で盛り上げていた。
『LOVEマシーン』では、数人の女子部員さんがカラフルなフード付きの衣裳を着て軽やかな動きで盛り上げていた。
『TT』は、数人の女子部員さんが制服のような衣裳を着ていたようでクールな雰囲気でパフォーマンスを披露していた。
『さくらんぼ』では、数人の女子部員さんが濃いピンク色の衣裳を着て元気にパフォーマンスを披露していた。
『白鳥の湖』では、数人の男子部員さんが頭に白鳥のような顔が付いた物をかぶっていたり、動物園の飼育員みたいな衣裳を着ている部員さんも居て、陽気な動きのダンスを披露して不思議な雰囲気で楽しく盛り上げていた。
続いて『93ヒットパレード ~追悼編~』は、すぎやまこういちさん作曲の競馬の『GⅠファンファーレ』による華々しい響きで始まると、谷村新司さんの『昴』では、女性の先生が上手に歌い上げていた。
3曲目では、KANさんの『藍は勝つ』を暖かみがある響きで演奏していた。
最後には、この歌謡ショーに出演していた部員の皆さんがステージ上に横列に並んで『マツケンサンバⅡ』の軽快な演奏と共に何かアピールしていたようだった。
司会役の部員さんも、最後まで元気に盛り上げながら進行をして頑張っていた。
『ディープ・パープル・メドレー』では、疾走感がある重厚な流れで始まりトランペットやトロンボーン、サックスやホルンも熱い響きや動き。
フルートパートの部員の皆さんも、きれいに響かせながら勇ましい姿。
ステージ左端では、パーカッションパートの部員の皆さんが演奏と共に活発な動きで元気いっぱいで盛り上げていて、楽しそうで良かった。
『群青』は、福島県の南相馬の子供たちが東日本大震災によって離ればなれになってしまった仲間たちを思って書き留めていた言葉を題材にしている曲、との事。
ステージ上に横列に並んだ部員の皆さんが、手話合唱で披露。
男女の部員さんの声が美しく響き合い、手話でも歌詞に込められている思いを表現して優しさと清々しさに満ちた合唱だった。
顧問の榊先生から、楽器パート別に卒部していく3年生の部員さんの紹介もあった。
後輩の部員さんがピアノでショパンの『別れの曲』を弾いていたようで、この卒部セレモニーに合った美しい鍵盤の響き。
紹介されると花を受け取って、ステージ上に横列に並んでいった3年生の部員の皆さん。
『メモリアルハーモニー』という合唱の披露もあった。
作詞・作曲が九州産業高校吹奏楽部部員一同となっている曲。
3年間、共に過ごしてきた男女の部員さんの歌声が響き合い、歌詞に思いを乗せて真っすぐに思いが伝わってくるような爽やかで感動的な合唱だった。
部長さんの挨拶もあった。
お世話になった先生方、OB・OGの先輩方、来場者への感謝。
充実していた今年度を振り返り1年生、2年生、3年生の仲間たちに向けての感謝の思いも語り、堂々と部長としての大役を終えていた。
顧問や副顧問の先生方、OGの司会者さんへ部員さんから花束贈呈もあり、ほのぼのして心暖まる光景。
卒業セレモニーを終えると最後に『真夏の果実』を披露。
きれいにフルートのソロが響いて始まったようで、今年度の部員が揃っての演奏が終る時間が近づいている切なさを感じさせながらも、爽やかな雰囲気の演奏だった。
これで終演とならず、アンコールの流れになると『銀河鉄道999』を披露。
お別れムードを忘れさせるように、楽しい雰囲気の響きで軽快に盛り上げて終演。
最後には、客席に向かって金色や銀色のテープが「バーン!」という音と共にクラッカーのように撃ち込まれて降り注ぎ、ド派手な締めとなっていた。
今まで何回もマーチングコンテストで演奏やパフォーマンスを鑑賞した事があり、初めて来てみた定期演奏会。
勇壮で華麗なマーチング、聞き応えがある響きの演奏、楽しい企画のパフォーマンス、3曲も歌って爽やかな合唱、感動的な卒部セレモニーなど、清々しい今年度の活動の集大成だった。
フルートやピッコロ、オーボエ、クラリネットの部員さんの演奏も、きれいに響いていて素晴らしかった。
パーカッションの部員さんの演奏も、マーチングや座演でも力強くキラキラと存在感を示していた響きだった。
コントラバスを弾く部員さんが4人も居て、低音パートも強力。
弓や指を使って弾いて低音を響かせていく4人の動きが見事にシンクロして合っていて、かっこよさがステージ端で際立っていた。
男女の部員さんが交代しながら、演奏に乗って体を動かしながらベースを弾いて低音を響かせていた姿も勇ましかった。
コントラバスを弾く2年生の女子部員さんがマーチングでドラムメジャーという所も、かっこいい。
定期演奏会のパンフレットのパート紹介には、『弦バスもマーチングも任せろ!』というアピールもあり最高◎
48代目が中心となっていく新体制でも座奏とマーチングの両方で、かっこよく頑張って欲しい。
九産大九産の吹奏楽部の皆さん。
初めて来て良かったと思わせてくれた魅力的な定期演奏会を開催ありがとうございました、お疲れ様でした!