2月4日は、西短大附(西日本短期大学附属高校)の吹奏楽部が〔おりなす八女(八女市民会館)〕で開催した《第11回 定期演奏会》の今年は、全2日間の2日目(最終公演)を鑑賞。
開演すると、ステージ上に数人の部員の皆さんが登場してトランペット、トロンボーン、ユーフォニアム、ホルン、チューバによるアンサンブル演奏。
九州アンサンブルコンテストで演奏する曲との事で、重厚で暖かみがある演奏で開演待ちの観客を楽しませていた。
続いて5人部員さんによるトロンボーン五重奏の披露もあり、息を合わせて『ゲバゲバ90分』のテーマ曲を軽快に演奏していた。
〈第Ⅰ部〉は、〔Classic stage〕
1曲目では、スパーク作曲の『MERRY-GO-ROUND』を披露。
力強くトランペットやトロンボーンが響いて始まると、いろいろな楽器パートが順々に、そして交互に演奏を織り混ぜていく。
クラリネット、フルートやピッコロ、サックス、ホルンやユーフォニアム、チューバなど、それぞれの良さを感じさせながらの軽快な流れ。
ステージ端でコントラバスを弾いて低音を響かせていく部員さんも、かっこいい。
たくさんの楽器の響きが見事に息を合わせた部員の皆さんによって組み合わさっていく疾走感で、吹奏楽の曲を鑑賞する楽しさを観客に感じさせながら華々しく定期演奏会の開演を飾っていたオープニング曲だった。
今回は、西短大附の吹奏楽部 出身のOGさんが司会役を担当して爽やかに演奏曲の紹介をしながら、後輩の部員の皆さんに向けて愛情を感じさせる進行をしていた。
現在は、系列の西日本短期大学に進学してメディアプロモーション学科で勉強をしているとの事。
2曲目では、定期演奏会の告知ポスターの背景をフランスの街並みのイラストにしてアピールしていた演奏曲『ミュージカル「レ・ミゼラブル」より』を披露。
リコーダーが響いて始まると、一気に重厚な響きの流れへ。
好きな曲『夢やぶれて』や『On My Own』での聞かせ所で感動。
フルートやピッコロ、オーボエ、ソプラノサックスの響きも印象深く素晴らしかった。
終盤にピッコロが響いて『民衆の歌』が始まり、トランペットが熱い響き。
重厚で迫力があり、勇ましさに満ちた締め。特に好きなミュージカル『レ・ミゼラブル』の名曲の数々を聞いて名場面を思いだしながら、楽しさと感動が合った名演だった。
3曲目では、『レトロ』(2023年度 吹奏楽コンクール課題曲)を披露。
軽快に始まると、ゆったりした中盤の流れでオーボエやフルート、トランペットやサックスの聞かせ所も見事。
軽快でポップな雰囲気により、久しぶりに楽しませてくれた課題曲の演奏だった。
4曲目では、2023年度の吹奏楽コンクールでの西短大附の吹奏楽部の自由曲だったバーンズ作曲の『「交響曲第3番」より』を披露。
荘厳な第1楽章、ゆったりした第3楽章でホルンのソロが魅力的で、その後の穏やかに発展していく流れも心を打つ響き。
幸福感を感じさせる第4楽章の盛り上がり、トランペットの熱い響きやトロンボーンの軽快で力強い響き。
2023年度の吹奏楽コンクールで『レトロ』と共に、この『交響曲第3番』で部員の皆さんが懸命に技術力や表現力を磨き続けてきた努力の結晶、その2曲を演奏するのが定期演奏会で最後という部員の皆さんの思いが響きの背景から伝わって来ていたようで輝かしく、清々しさに満ちていて目の前で鑑賞していると感動させてくれた、本当に素晴らしい名演だった。
休憩中には、5人の部員さんがサックス五重奏で『ガラスの香り』という曲を演奏。
品がある雰囲気で軽快な流れもあったようで、こちらも見事に息を合わせたアンサンブル演奏だった。
〈第Ⅱ部〉は、〔~Pops stage~〕で、部員の皆さんが楽器パート別にカラフルな衣裳を着て出演。
低音パートは『千と千尋の神隠し』を題材 にして 、コントラバスからベースに持ち替えて低音を響かせていく部員さんは、ビンク色の千尋のような衣裳を着て可愛い雰囲気だった。
フルートパートの衣裳は、『呪術廻戦』を題材にして雰囲気を作り上げていた。
サックスパートは『キョンシー』をテーマにしてチャイナドレスを着ていたり、おしゃれな雰囲気だった。
パーカッションは、『進撃の巨人』をテーマにしていて迫力があり強そうだった。
華やかになったステージ上では、まず最初に仮装した部員たちによる寸劇を披露。
花を女子にプレゼントしようとした男子が、不良に盗まれて追いかけ回していくようなストーリー。
後方では、そのBGMとして部員の皆さんがサングラスをして勇ましい雰囲気になってから『「ミッション・インポッシブル」のテーマ』を演奏。
逃げ回る不良役と追い回す男子役の部員さんは。ステージを下りて客席の通路も通って逃走劇が繰り広げられていた。
ステージ上に戻ると制服を着た女子部員さんたちも登場して、男女の青春のような寸劇が披露されてから始まったのが『男の勲章』
その演奏に合わせて男女の部員たちが歌や、あの振り付けを軽やかに披露して盛り上げていた。
〈第Ⅱ部〉では、数人の部員さんが交代していきながら学生指揮者が頼もしく演奏を引っ張っていた。
『オトナブルー』の演奏では、4人の女子部員さんがセーラー服を着て新しい学校のリーターズになりきり歌や、あの振り付けのダンスを再現。
テンションが高く、見事に息が合った動きのチームワークで全力でやりきっていて最高だった。
『ジャンボリミッキー!』の演奏では、ステージ上で中央から両サイドにまで多くの部員さんが広がって、あの振り付けのダンスをして軽やかに盛り上げていた。力強いピッコロやトロンボーンの響きも良かった。
『マツケンサンバⅡ』では、演奏が始まるとステージ上では、踊り子さんの姿の女子部員さんがダンスで盛り上げ。
カツラやキラキラした着物の衣裳を着用した男子部員さんが客席の通路に登場すると、歌い上げながらステージに上がっていく。
ステージ両サイドでは、女子部員さんがカラーガードのようにフラッグを使ったパフォーマンスで盛り上げ。
松平健さんを演じる男子部員さんが歌い上げるのに合わせてステージ後方では、『アミーゴ』や『セニョリータ』という歌詞を示すパネルが掲げられて盛り上げ。
これは、盛大な歌謡ショーで楽しかった。OGの司会者さんがインタビューすると、こんなに多くの人の前で歌うのが初めてで緊張しながらも楽しかった様子。
『SEKAI NO OWARI メドレー』では、『炎と森のカーニバル』で始まったようで『Habit』では、数人の部員さんが躍動感があるダンスパフォーマンスを披露。
『サザンカ』では、きれいにフルートやサックスが響いていたようだった。
『RPG』では、バトンを持ったドラムメジャー、シンバルやバスドラムを持った数人の部員さんが演奏に合わせて軽やかな動きや響きと共に、客席の通路をパレード。
セカオワの名曲メドレーに合わせて、多彩な見せ場や聞かせ所で観客を楽しませていた。
『第ゼロ感』は、疾走感がある曲を躍動感がある動きで力強く演奏していて勇壮な響きだった。
『新宝島』では、あのサカナクションのミュージックビデオを再現するようにバンドメンバーを演じる5人の男女の部員さんが登場して、あの動きや歌を披露していて楽しかった。。
ステージ両サイドでは、2人ずつ部員さんがチアリーダーのように盛り上げていた。
『会いたかった』の演奏では、たくさんの女子部員さんがAKB48のように歌やダンスを披露して可愛い姿。
中央では、顧問の八尋先生が金髪のカツラやセーラー服を着て女装して強烈に存在感を示しながら歌やダンスで、部員さんと共にステージ上で楽しんでいた。
最後に八尋先生が、アイドルが引退するように「卒業します」と言うと金髪のカツラを脱ぎ捨てて退場していた。
これは、後で八尋先生から説明があり本当に女装してのアイドルのパフォーマンスは、卒業となりそう。
Official髭男dismの『115万キロのフィルム』の演奏では、きれいな響きと共に後方のスクリーンで今年度の活動の日々をスライドで紹介していたのが爽やかで感動的だった。
『スーパーマリオブラザーズ』のBGMの演奏では、あのゲーム画面を再現するようにマリオやルイージなどのキャラクターを演じる部員さんが登場すると、多彩なパフォーマンスがステージ上で繰り広げられていた。
小さな子供さんがステージ上に呼ばれると、部員さんと共にゲーム画面を再現するパフォーマンスに参加していて、ほのぼのする雰囲気だった。
これで〈第Ⅱ部〉が終演すると休憩中には、クラリネットパートの部員さんが『キラキラ星による変奏曲』という曲をアンサンブルで披露していて、こちらも見事に息を合わせた演奏だった。
〈第Ⅲ部〉は、〔~Last stage~〕
1曲目では『Make her mine in swing』を、かっこよく軽快に披露していた。
『あんたがたどこさの主題による幻想曲』(2019年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲)は、3年生の部員さんが披露。
日本の民謡を題材にしていて、懐かしさを感じさせていた課題曲。
ゆったりした流れでのオーボエの聞かせ所が見事で、きれいにフルートやピッコロも響いていた。
終盤のトロンボーンの軽快な響きも好きで、聞き応えがあった演奏だった。
酒井格さん作曲の『たなばた』は、2年生や1年生の部員さんが披露。大好きな吹奏楽の名曲。
織姫と彦星の再会を表現している、アルトサックスとユーフォニアムの聞かせ所が魅力的。
きれいにフルートも響いて、トランペットも暖かみがある響き。
終盤のトロンボーンの力強い響きと共に、ゆったりとした広がりの流れから壮大な雰囲気で盛り上げ締め。
3年生が卒部して新体制になったら主力になっていく、2年生や1年度の部員さんが頼もしい姿を見せていた爽やかな響きで鑑賞していると輝かしく、感動的な演奏だった。
部長さんの挨拶もあった。
今年は、2日間に分けての開催でチケットが完売して多くの観客が来場してくれた事に驚きながらも嬉しかった様子。
3年間を振り返って入学した時は、通学距離の遠さや部員の多さから上手くやっていけるか不安があったけど今までやってこれた事に、充実感を感じていた。
いい先輩方、後輩、同級生に出会えて最高の思い出は、どれも大切ですと言うように、仲間たちへの思いも語っていた。
先生方など、たくさんのお世話になった方々への感謝も思いも示しながら、真っ直ぐな思いが伝わってきた挨拶で部長としての大役を終えていた姿だった。
『春よ、来い』は、雅な雰囲気でピアノを弾いて鍵盤を響かせていた部員さんも、かっこよかった。
クラリネットやアルトサックスの部員さんのソリが、魅力的な響きの聞かせ所だった。
終盤に、きれいにフルートソロが響いて多くの部員さんがコーラスをして歌う流れも爽やかで感動的だった。
3年生の部員の卒部セレモニーもあった。
ステージ後方から楽器パート別に3年生部員さんが入場してくると、顧問の八尋先生が名前を紹介。
その紹介を受けてステージ前まで来た3年生の部員の皆さんは、同じ楽器パートの後輩の部員の皆さんに向けて「ありがとう」や「これからも頑張ってね」など、感謝や激励の言葉を1人ずつ叫んでいた。
フルートパートは、「You can do it!」と激励、
その光景は、いい先輩と後輩だった信頼関係が伝わってくるようで涙を流している部員さんが多く、清々しさに満ちていた。
その後、ステージ中央に残った八尋先生に向かってステージ左右から3年生の部員の皆さんが「3年間ありがとうございました!」と感謝の思いを叫ぶ光景も、ほのぼのしていて良かった。
名前を紹介された3年生の部員の皆さんがステージ上で横列になると両サイドにまで広がり、始まったのが『オーメンズ・オブ・ラブ』の演奏。
ゆったりした始まりから軽快に美しく響き合っていく金管楽器や木管楽器、弦楽器やパーカッションの響き。
終盤の緩急がある流れを経て部員の皆さんの思いが、一つになるように爽やかに盛り上げ締め。
これで終演とならずアンコールの流れになると披露それたのが、プログラムに前日の演目と書かれていた『ディープ・パープル・メドレー』という、嬉しい大サービス。
部員の皆さんがサングラスをして、ロックな雰囲気の姿で力強い響きの演奏。
トランペットやトロンボーンの熱い響き。サックスパートの響きや銃を撃つような動きも勇ましい。フルートパートも、きれいに勇壮な響き、
しっかり聞こえている、かっこよくベースを弾いている部員さんの低音の響き。
バリトンサックスの部員さんのソロの聞かせ所も、熱く勇ましい姿と響き。
躍動感がある動きと共に、最高の盛り上げの演奏やパフォーマンスだった。
続いて【西短といえば、これ!】な定番曲『We're All In This Together(みんなスター!)』を披露。
軽快な演奏でステージ端では、パーカッションの部員さんがマーチングのバッテリーのスタイルで力強い響き。
この曲を聞くと「西短の演奏会に来た」と実感できて、楽しさいっぱいの演奏やパフォーマンスによる盛り上げ締めで終演。
聞き応えがある響きの演奏、楽しい企画のパフォーマンス、感動的な3年生の卒部セレモニーなど暖かみがあり爽やかで充実した今年度の活動の集大成だった。
フルートやピッコロ、オーボエの部員さんの、きれいな響きも素晴らしかった。フルート男子の部員さんも最高だった。
ステージ端でコントラバスやベースを弾いて低音を響かせていた部員さんも、かっこよかった。
西短は、福岡県で高校野球の強豪としても有名で吹奏楽部の定期演奏会に、野球応援での演奏のお礼に野球部の選手の皆さんも来場していたようで、そういう交流による信頼関係も、いいと思った。
西短大附の吹奏楽部の皆さん。
今年も来て良かったと思わせてくれた魅力的な定期演奏会を開催ありがとうございました、お疲れ様でした!