今日は、

アドラーの説明する

「仕事」に関する制度について

書きました。

 

・制度の目的は、他者貢献の追求

・快適な制度の使い方

 

■制度の目的は、他者貢献の追求

アルフレッド・アドラーは、

恐慌や過剰生産によって失業した人が

十分な生活費を受ける権利は

一般に認められているが、

これは発達する共同体感覚によるものである

と指摘しています。

 

個人的利益の喪失としての危機感が

生み出したものではなく、

誰かの「他者への関心」が生み出したもの、

ということです。

 

自分が失業することを考えたら

怖くなって制度を施行した、

というものではないのです。

 

失業するなどして困った人が

路頭に迷わなくて済むように、

万が一に備えた制度を施行しておくとよい、

との考えからつくられたもの、

というわけです。

 

人間の社会の制度としては、

個人的利益の追求よりも、

発達する「他者への関心」による

他者貢献の追求の方が目的として

よくなじむのです。

 

そうしてつくられたものが、

今日における

雇用保険や労災保険、福利厚生等

の制度であると、

アドラーは指摘しているのです。

 

なお、共同体感覚とは、端的にいえば、

自分の居場所がある感覚のことです。

 

この感覚は、他者貢献活動をして、

客観的貢献感を得られたときに

高まります。

 

この感覚が高まると、

感じるしあわせが増えます。

 

■快適な制度の使い方

雇用保険や労災保険、

福利厚生等を使う場合の目的は、

他者貢献のため」とすると

気持ちよく使うことができます。

 

なぜなら、

これらの制度がつくられた方法が、

共同体感覚による方法だからです。

 

制度の目的と、

使用者の目的が一致すれば、

流れに乗って進む船のように

快適に使うことができるのです。

 

例えば職を失ったときに、

自分が生き延びることを目的にすると

個人的利益の追求となり、

制度の目的と一致しないため、

抵抗を感じるでしょう。

 

一方で、

「次の他者貢献ができる自分になるため」

との目的を持って使うならば、

制度の目的と一致するため、

抵抗を感じることはありません。

 

つまり、

「自分さえ善ければ

他者が犠牲になっても構わない」

という心で使うよりも、

自分の状況をよりよく整えることで、

社会(他者)の役に立てる自分になる

という心で使った方が、

気持ちよく使える、ということです。

 

 

また、アドラーは、

”生産方法”や”富の分配”が

どんなに変わろうとも、

共同体感覚の力は適切に認められるに

違いない、と指摘しています。

 

それは、

共同体感覚による方法、

すなわち、

他者貢献を目的にすること、

そして他者貢献の活動をすることに

私たちは価値を感じないことはない

ということです。

 

怖れにとらわれて、

他者搾取(個人的利益の追求)に

進む人にとっても、

その価値を感じないことはないのです。

 

それは他者搾取によって得た安心が

一時的なものであることからも、

明白です。

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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