■末子は競争心が育ちやすい

アルフレッド・アドラーは、

末子は、きょうだい順位によって

生まれて早くから走る人であり、

すべての他者を追い越そうとする

傾向がある」と指摘しています。

 

末子は最も幼いわけで、

生まれてすぐに最下位から

始まるために、

兄や姉と同じようにするためには

相応の努力をする必要があり、

その努力することから

末子は早くから”走る人”というわけです。

 

家庭の外においても、

自分の”上位”に人がいることに

耐えられなかったりして

いつも集団の先頭に立とうとします。

 

しかし、

そのための努力は

些細なことに現れるため、

通常は目立ちません。

 

末子の精神活動全体を観察でも

しないかぎりはわからないのです。

 

末子はこの競争心によって

2つの特徴的なタイプのどちらかに

なりがちです。

 

①救世主タイプ

②最もひどい臆病者タイプ

 

■2つのタイプ

救世主タイプとは、

その競争心によって

優れた行動力を発揮するタイプです。

 

家族に困難があると

その行動力によって

解決へと推し進めるのです。

 

困難に立ち向かうのですから、

いつも勇気を使っています。

 

困難に直面したときには、

克服できる前提

で考え行動することも

このタイプの特徴です。

 

一方で、

最もひどい臆病者タイプとは、

救世主タイプと反対で、

困難に直面すると

克服できない前提

で考え、行動するタイプです。

 

困難に立ち向かわないので、

勇気を使うことがありません。

 

勇気を使わないので

臆病です。

 

このタイプでも勇気を使えれば

自力での解決に至らずとも、

家族の助けを得る中で

家族を結束させる役割

担うこともあります。

 

 

アドラーが”最もひどい”と付けたのは、

何にでも困難を見出し、

その困難をどんな口実を使おうとも

絶対に回避しようとするからです。

 

「やったらどうなるかわからない」

というだけで、前に進めなくなり、

「やらないで済む口実」を探し回って

時間を空費します。

 

しかたなく着手した困難の結果が

失敗であれば、

その責任を自分以外のものに

しようとします。

 

無視されたから、

甘やかされたから、

きょうだいが自分を育成しなかったから、

などなど、どんなことでも口実に利用します。

 

■2つのタイプ、それぞれの状況

救世主タイプといっても、

他者との競争をするのですから、

感じるしあわせは増えにくい状況です。

 

その競争の勝利が

他者貢献にもなっているうちは

うまくいっていると感じられます。

 

しかし、

競争の勝利とは個人的利益の追求であり、

それは他者の犠牲を利用して

何らかのバランスをとろうと

することでもあるため、

共同体感覚が高まる活動ではないのです。

 

やがては壁にいきあたり、

競争について思い悩むことに

なりがちです。

 

なお、共同体感覚とは、

アドラー心理学の鍵概念であり、

端的にいえば、

自分の居場所がある感覚です。

 

これが高ければ高いほど

感じるしあわせが多くなります。

 

また、最もひどい臆病者タイプは、

勇気を使わないので

劣等感の補償ができません。

 

すなわち、

劣等感を解消することが

ずっとできないのです。

 

劣等感に抑圧された人生と

和解できずに苦しみ続けることに

なりがちです。

 

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ10年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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