■末子の特徴、4つ

アルフレッド・アドラーは、
末子(まっし、末っ子のこと)は
家族の永遠の赤ん坊
であると
指摘しています。

それはこんな特徴があるからです。
・親の寵愛の玉座の退位経験がない
・親の子育てが最も上手
・家族の経済状態が安定している
・上の子も末子を甘やかす


■玉座の退位経験がない

親の寵愛の玉座とは
アドラーの説明に出てくる言葉で、
親が注目を向ける対象のことです。

親の注目は
下の子が生まれると
下の子の世話を優先するので
上の子から下の子へと
向くことになります。

それまで親の寵愛の玉座に
座っていた子は、
下の子が生まれると
その玉座から降ろされて
下の子がそこに座らせます。

上の子は自分の意志にかかわらず
下の子が生まれると強制的に
降ろされる
ため、アドラーはこれを
玉座から退位させられること、
そして、”悲劇”であると言っています。

末子は、この”悲劇”を
家族の中で唯一経験しない存在

というわけです。

■親の子育てが最も上手

親の子育てが最も上手、とは
親も第一子、第二子、と
子育てする中で自分なりに
やり方を確立させていき、
最も熟練度が高い状態で
末子を育てること
になります。

そのため、
第一子や第二子で失敗したことでも
末子のときは同じ失敗を
回避できたりするわけです。

第一子や第二子がそれを知ると
また”悲劇”を味わうことに
なったりします。

■経済状態が安定

末子が生まれるころには
親も子育てしながら働くことに
慣れてきており、経済的にも
安定している状況に
なっていることが多い、と
アドラーは見ているわけです。

そのため、
第一子や第二子にくらべて
よい教育を末子に与えることに
なったりします。

これも、第一子や第二子が
知ると”悲劇”を味わうことに
なったりします。

■上の子も末子を甘やかす

上の子も年下の末子がかわいく、
また、世話をすると親も喜ぶなど
甘やかすと自分の利益なることも
後押しして、
上の子が末子を甘やかす場合
少なくありません。

すると末子は
自分でやりたくても
やらせてもらえずにモメるより、
最初から甘やかすことに頼る方が
家族も喜んだりするので
永遠の赤ん坊になるわけです。

この
”やりたくてもやらせてもらえない”
抵抗する末子は、
永遠の赤ん坊にならないことが
あります。

その場合には
第二子のように他の家族との
競争的な生き方を選びます。

他の家族と同じ道だと
どうやっても勝利できないので、
たいていは違う道
勝利しようとします。

しかし、勇気が使えないか
勇気がくじかれると

違う道へと進むことができない中で、
同じ道において「強さ」ではなく
「弱さ」を武器に
勝利しようとする、と
アドラーは指摘しています。

また、一方では、
アドラー最も成功した
多くの人は末子である
、とも
指摘しています。

やっぱり、
甘やかされることに依存せずに
それを上手に追い風にできると、
すごい力を得られる感じ
なのでしょう。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。



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