今日は、
家庭における”男性優位”の
一般的な状況について書きました。
これを知ることで、
誤った基準ではなく
正しい基準によって
価値を見ていくことができ、
それが家族の協力関係を
高めるのに役立ちます。
目次
・婚前に女が男にする質問
・男性優位を背負わされた男
・子どもへの影響
・価値は男女ではなく目的で決まる
■婚前に女が男にする質問
アルフレッド・アドラーは、
結婚前に女性は男性に
訊くべき質問があるといいます。
それは、この質問です。
「あなたは家庭内において
男性優位に対して
どのような立場をとるのですか？」
人によってこの質問の解釈は
様々ですが、
おおむね次のようなものになるでしょう。
この社会は男性優位だけど、
男のあなたはそれを
家庭内に持ち込むのか、
それとも男性優位は持ち込まずに
私と対話によって家庭を築くのか。
アドラーはこの重要な問いについては、
大抵は一生かかっても決められない
としています。
そのため、関係が偏り、
女性が男性と同等であることが
求められることもあれば、
諦められることもあると
アドラーは、指摘しています。
それはつまり、
男性優位を家庭内に
持ち込まないことはできず、
多少は持ち込んでしまうだろう
ということです。
■男性優位を背負わされた男
アドラーは、
男性は、男性優位に影響されて
自分は重要な責任を負っていると
信じて育つ、と指摘しています。
その責任は、
男性であれば果たさなければならず、
自分の義務と捉えます。
そのため家庭内においては、
その責任を果たすために
周囲からの要求に対しては
常に男性優位について
有利になるように応じます。
それは例えば、
夫、父親である自分がミスをした場合に、
自分は重責を担っていることを理由に
家族は自分を許さねばならない、と
主張するようなことです。
自分は常に立派でなければならず、
そのために家族が犠牲となっても
しかたがない、と思ってしまうわけです。
男性優位の信念によって、
夫は自分を守るというより、
男性優位そのものを守ろうと
必死になる感じです。
■子どもへの影響
子どもは、母親と父親の状況を見て、
男性と女性それぞれの評価をします。
それはたいてい、
男性の価値は高く、
女性の価値は低い、というものです。
それは”男性的なこと”には
価値があるとすることが
一般的になっていることからも
わかります。
例えば、
「戦って勝利する」というのは
男性的な行為です。
”力”にかかわるようなことは
男性的と見られています。
その一方で、例えば、
獲物を捕るときに
女性的な行為として
「仲良くなる」をしたら、
獲物が取れなくなり、
飢えてしまいます。
獲物と戦って勝利する、は
飢えないから価値が高く、
獲物と仲良くなるのは、
飢えてしまうから価値が低い、
というわけです。
もちろん農耕したり
食べられる植物を採取することでも
飢えは満たせますが、
戦って勝利することで
獲物を捕ることよりも楽だから
これより価値は低いと感じてしまうのです。
そのため子どもは、
力の追求（よりよくなる活動）の目標には
ほとんど例外なく男性的なものを選ぶ、と
アドラーは指摘しています。
■価値は男女ではなく目的で決まる
アドラーは、
性格特徴を
「男性的」と「女性的」に
区別することは正しくない、と
説明しています。
「男性的」だから価値が高く、
「女性的」だから価値が低い、
とはならない、ということです。
なぜなら性格特徴すべては
目的によって役に立つことだからです。
アドラーはこれを、
「その性格特徴が、
力の追求の要求を満たせるかどうかを
見ることだ」と指摘しています。
アドラーによれば、
女性的な手段である従順と屈服は、
それが女性的というだけで
役に立たないものとはならず、
従順な子どもが
従順でない子どもよりも
大きな成果を得ることもあり、
役に立つこともちゃんとあるのです。
男性優位の基準ではなく、
何が目的となっているかを見ることこそ、
正しい区別の仕方である、ということです。
お読みいただき、
ありがとうございます。
プロコーチ１０年目、常楽でした。
