■大きくなる心臓

アルフレッド・アドラー
補償を求める心のメカニズム
において、
”火事場の馬鹿力”的なもの
例にあげて説明しています。

補償とは
劣等感を解消する活動です。

人は劣等感を感じると
自然とその劣等感を
解消したくなります。

それは身体器官にもあり、
それが”火事場の馬鹿力”として
一般に知られているものです。

窮地に陥ると
普段では出ないような
力を出してしまう状況です。

生命を維持する器官が弱って、
生命維持が困難になると
身体は自然とそれを補うように
並外れた力を発揮します。

アドラーによれば、
血液循環がうまくいかなくなると
心臓の動きは強くなり
生命維持に必要な血液を
めぐらせようとします。

その際、心臓は大きくなるそうです

精神器官についても同様で、
精神的に衰弱すると、
精神的にかなりな努力をして
その状況を改善しようとするのです。

そのときに感じる感情は
通常、怒りの感情と同じものです。

■怒りを出す方向で変わる

怒りの感情は、
悲しい事態を拒絶するように
働く感情です。

それが
人生に有用な面に出ると
自分の課題と捉えて
できうる限りの資源と方法で
解決しようと努力します。

反対に
人生に有用でない面に出ると
自分以外の責任と捉えて
できうる限りの資源と方法で
解決しようと努力します。

自分以外の責任とした場合には
他者に攻撃的になり、
実際に攻撃に出てしまうことも
あるわけです。

他者を征服できたり、
その他者に状況改善を
やらせたりすることで
解決できると思うからです。


大きな波に例えれば、
その波に乗れれば
その力を推進力として
使うことができます。

その波に乗らなければ
波にもまれて混乱するために、
その中で自分が生き残るためには
手段を選んでいられずに
どんな手段でも構わないような状況
となるのです。

どちらの状況になるかは
自分の課題と捉えているかどうか
によって変わります。

様々な表現が考えられますが、
他者を生かそうとすると
人生に有用な面に出がちとなり、
他者を征服しようとすると
人生に有用でない面に出がちです。

■例えば、嫌なことを何度もされる場合

例えば、
相手から自己犠牲を強いる要求を
受けた状況。

最初から嫌でしたが、
数回なら耐えられると思って
対人関係を悪くしないよう
自己犠牲を払って耐えた。

それで終わってくれれば
立ち直ることも
できたかもしれない。

しかし、
その相手は
また同じ要求をしてきた。

そうして貢献の搾取が続き、
精神器官が衰弱してきて、
これ以上に自己犠牲を払うと
自分が壊れると精神が判断すると
”火事場の馬鹿力”のように
精神に力が湧き出してきます。

その力に押されるようにして
「それは嫌なのでやめてください」と
対人関係が悪くなることなど構わずに
言い放ったりするのです。

相手を征服しようとしていないので
これは人生に有用な面に
力が出ている状況です。

一方で、
言葉で言わずに
攻撃によって相手を撃退したら
その場において
相手を征服する行動なので
これは人生に有用でない面に
力が出ている状況です。


しかし、通常であれば、
”火事場の馬鹿力”が出るときは
窮地に陥っているということなので、
最終局面を迎えている状況です。

なので、
この力が出るまで看過せず、
勇気を使って状況を改善することが
感じるしあわせを増やしながら
生きることに役立つ方法です。


通常でない場合において
自力での改善が困難と感じたら、
専門家の手を借りることです。

専門家の手を借りる、という行為に
勇気を使う、ということです。






お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。





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