雰囲気の良いお店は
「自分より相手優先」を
感じさせてくれるお店です。

お店の都合にお客さんを
合わせさせようとせず、
お客さんの都合に
自分たちお店が
合わせようと努力するお店です。

お客さんは歓迎されていると感じて
うれしくなります。

歓迎されると
そこに自分の居場所がある感覚を
感じられます。

共同体感覚です。

でもお客さんの都合に
合わせすぎると
「良質の商品を安価で提供する」が
行き過ぎて赤字の取引ばかりに
なってしまいます。

赤字の取引ばかりになったら
お店を続けていくことは
できなくなります。



お店を明るい雰囲気にすべく
お金をかける。

お客さんに丁寧に対応できるよう
十分な従業員を雇う。

良質な商品を仕入れるために
お金をかける。

商品の魅力を
お客さんのペースに合わせて
説明するために時間をかける。

購入を決めたお客さんには
たくさんの感謝を伝えるべく
時間をかける。

そうして
お金と時間を注げば注ぐほど
お客さんは喜んでくれるでしょう。

しかし
最初のお客さんは大丈夫でも
次のお客さんに対応するときには
注ぎたいだけのお金も時間も
残っていなくて、できなくなってしまう。

借入金で賄っても
支出が収入を越えていたら
返済もできずに、
結局はお店をたたんで
借入金だけが残る、なんてことに。

これはお店の経営だけの話
ではありません。

自分の対人関係についても
同じことが言えます。



「自分より相手優先」する基礎は
「自立していること」です。

重たい荷物を持ってる人を
助けようとして
「お手伝いしましょうか?」と
声をかける。

そのときに
自分の両手が空いていて
次の予定まで十分な時間の余裕がある。

それならお手伝いできます。

でも、
自分の両手がすでにふさがっていたり
次の予定まで十分な時間の余裕がなかったら
無理な犠牲を払ってしまいます。

今持っている
自分の荷物を捨てて
重たい荷物を持つ人を助ける、
という選択はできますが、
自分の荷物が犠牲になります。

次の予定に間に合わない場合に
その責任を取ることを前提に
重たい荷物を持つ人を助ける、
という選択もできますが、
その予定の関係者が犠牲になります。

その犠牲を調整して
お店で言えば
「支出が収入を越えない」ように
できるのならば、
それは無理な犠牲にはならずに済みます。

この
「支出が収入を越えない」が
無理な犠牲を出さない境界です。

「支出が収入を越えない」状況なら
自立は確保できますが、
「支出が収入を越える」状況なら
自立は崩れます。

自立が崩れると
自分が自立できない分を
他の誰かが負担することに
なります。

自立していることは
お店で言えば
営業し続けることが
できること、です。

自立していると
自分のことを他の誰かに
負担させることはなく、
逆に他の誰かのことを
少しでも負担できる自分になれます。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。