美徳の承認その49/52
【理解:Understanding】

■理解とは

理解とは
知る力です。

見た目や
なんとなく感じただけで
決めつけるのではなく、

その「こと」や「もの」を
正しく知ろうとする活動です。

本人のことは本人に
当事者のことは当事者に
確認することです。

出来事は
憶測や希望的観測や
誰かの評価や感想を
事実とするのではなく、
事実とは何かを
自分の身体を使って
確認することです。

そんな理解の力は
あなたも私も
誰もが持っている力です。

相手の話を聞かずに
相手はどんな人かを
一方的に決めつけたりする人は
理解を持っていないのではなく
ただ使っていないだけです。

理解は
あらゆる人が生まれながらに
持っている力です。

いつでも使える力です。


■課題

課題に出会ったとき、
その課題を越えるためには
その課題を知らないと
越えられません。

その課題を知る、とは
今向き合っている課題を
観察するところから
始まります。

そしてその課題は
次の3つのどれかです。

①仕事の課題
②交友の課題
③愛の課題

これらはすべて
対人関係です。

仕事の課題は
仕事や学校、趣味の集まりなど
何か共通の目的を介して持つ
間接的な対人関係です。

交友の課題は
共通の目的が決まっておらず
当人同士で目的を設定して
直接相手とつながる対人関係です。

愛の課題とは
家族との対人関係です。

仕事と交友は
解消可能な対人関係ですが
愛は基本的に解消できない関係です。


■課題の目標

課題それぞれに
目標があります。

その目標を達することで
課題を乗り越えやすくなります。

その目標は行動面として
・自立する
・社会と調和する

それを支える心理面として
・自分には能力がある感覚
・他人は自分の仲間との感覚

これらが整うと
対人関係は良好になり
課題は解放されます。


■理解の進め方

理解の進め方は
「対話すること」です。

その「対話すること」で
お互いの合意の形成を
目指します。

仕事なら
仕事が効果的に進むように
対話します。

交友なら
お互いに居心地の良い
状況になるように対話します。

愛なら
健康に暮らせる環境になるよう
対話します。

その対話する基本姿勢が
「相手より自分優先」だと
お互いに距離が離れますが、
「自分より相手優先」だと
お互いに距離が近づきます。


■課題の分離

理解には
課題の分離ができると
進みやすくなります。

課題の分離とは
その課題を決められるのは
その課題の所有者だけ、と
見ることです。

例えば
忘れ物。

忘れ物はする人の課題です。

「おかあさんがしっかりしてないから
僕が忘れ物しちゃったじゃないか」と
自分の課題の責任を
他人に引き受けさせようとするのは
課題の分離ができていません。

「ごめんね、明日はおかあさん、
ちゃんとやるから」と
他人の課題を引き受けるのも
課題の分離ができていません。

忘れ物をしないで
必要なものを持って出かける、
という課題は当人のものです。

この場合、おかあさんの課題では
ありません。

「どうすれば忘れものしないで済むか
一緒に考えてみようか」

「明日、持っていくものを
紙に書いてみたらどうかな?」

「紙に書いたものを
持ってきて、横に並べてみたらどうかな?」

「どう、うまくいきそう?」

課題の分離ができると
こんなことを言ってそうです。

また、他人の課題なのに
自分の課題にすりかえるのも
課題の分離ができていません。

「あなたが忘れ物するから
私が恥ずかしい思いをしたじゃないか」

「あなたが忘れ物をすると
私が無能に見られるから、いやだ」

忘れ物をするのは
忘れ物をした本人が
一番影響を受けています。

それを大切に扱うことで
課題の分離はできていきます。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。


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