美徳の承認その48/52
【喜び:Joyfulness】

■喜びとは

喜びとは
自己の命に触れる力です。

自分は「生きている」のですが
それを詳しく見ると
「命に生かされている」のです。

自分を生かしてくれる命の存在は
嬉しい存在です。
ありがたい存在です。
あたたかい存在です。

その命に触れると
嬉しい気持ちや
ありがたい気持ちや
あたたかい気持ちを感じます。

命の存在は
あまりにも自然なため
平和な日常の中で
目立つことはありません。

意識をしないとわからないほどです。

その命の存在を
意識して見て感じてつながるときに
使う力が、喜びの力です。

喜びは
あなたも私も
誰もが持っている力です。

悲嘆に暮れるときも
イヤだと感じるときも
不自由さを感じるときも
喜びを持っていないのではなく
ただ使っていないだけです。

喜びは
あらゆる人が
生まれながらに
持っている力です。

いつでも
誰もが
今すぐに使える力です。


■喜びの翼

喜びは
悲しみの海を
越える翼を与えてくれます。

面倒だと感じたり
不自由だと感じたり
苦しくなったときでも
喜びを使うことで
違う視点から
価値を見出すことができます。

望まない状況の中でも
「命に生かされている」と
感じることができれば、
心に元気が湧いてきます。

深刻と感じる事態の渦中でも
「命に生かされている」と
感じることができると
生存可能性が開く方へと
頭も心も向いていきます。

無理難題に直面しても
「命に生かされている」と
感じることができると
「何とかしてみせる」と
前を向けることにも
気が付きます。

喜びを使わないと
ただ状況に反応するだけの
受動的な生き方に
なってしまいます。

受動的な生き方は
状況に支配される生き方です。

自分で考える必要がないので
それは楽ですが、
自分の望む方へと
進むことは期待できません。

喜びを使うと
「楽しませてもらう」は消えて
「どうしたら楽しめるか」が
出てきます。

その結果に
どんな贈り物があるのか
わくわくして行動します。

荒れる海と格闘するのは
大変ですが、
喜びの翼を使えば
海の状態にかかわらず
自分の道を進むことができます。


■ここに居て良い自分

自己の命に触れると
自分はここに居て良いと
感じることができます。

命は
自分を生かそうとしてくれますが
自分を殺そうとはしません。

自分が生きることを
完全に肯定してくれます。

命と自分、という
2者の対人関係で見ると
命は自分を信頼しています。
命は自分に貢献しています。
そんな命は自身のしていることに
疑いを持つことはありません。

アルフレッド・アドラーは
「自己受容」
「他者信頼」
「他者貢献」
これら3つを養うと
「共同体感覚」が高まる、と
言っています。

「共同体感覚」とは
自分の居場所がある感覚です。

命は「共同体感覚」が
とても高い存在であることが
わかります。

しあわせに満ちた存在
というわけです。

自分はその命に
「あなたはここに居ていいよ」と
いつも言われています。


■生きるのに役立つ道

命に触れる方法として
「命を追い詰める」が
あります。

これは生きるのに
役立たない道です。

命の肯定を
自分が否定することで
その肯定をより強く感じる
ことができますが、
自分に犠牲が出てしまいます。

それは
空気を入れた風船は
部屋に転がしておくと
何も起きませんが、
水中に入れると浮力によって
浮き上がることに似ています。

自分の何かを犠牲にしても
命は変わらず自分を
生かそうとしてくれます。

いくら敵対しても
命は自分の味方のままで
それは変わることはありません。

それを利用して
肯定をより強く感じるために
あれこれ工夫するのは
生きるのに役立たない道に
進んでいます。

生きるのに役立たない道に進むと
「自立」と「社会との調和」が
崩れてしまいます。

いくらやっても
感じるしあわせが
増えることはありません。

喜びを適切に使うとは
生きるのに役立つ道を
進むことです。

生きるのに役立つ道に
進むとき、
そこに「役に立つ何か」が
あります。

自分に役立つこと、
相手に役立つこと、
みんなに役立つこと。

「役に立つ何か」に
注意を向けるとき、
命の肯定を感じることで
喜びの力はその真価を発揮します。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。


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