親が大切にする価値観を
「家族価値」といいます。



この「家族価値」から
自分を解放するのは簡単です。
次の2つの認識ができれば
解放されます。

・自分は家族価値の影響を受けている
・家族価値は親の価値観で、自分のものじゃない



この「家族価値」は
家庭内で親がよく持ち出す価値
のことです。

例えば
「ルールは守らなければならない」
「起業より会社勤務すべきだ」
「大学には行かないといけない」
「男は男らしくなければならない」
「女は女らしくなければならない」
「親を大切にせねばならない」
などなど。

なぜそうでないとならないのか、
根拠などわかりません。
親が「善いことだ」と信じてる
だけです。



子がこの「家族価値」の影響を
受けずに育つことはありません。

影響されてる自覚すらない状況だと
この影響を回避できませんが、
自覚があれば影響を減らすことが
できます。



アドラー心理学では
子は「家族価値」に
・全面服従
・全面反抗
のどちらかを選ぶ、とされてます。

例えば
警察官の子が
自分も警察官になろうとするのは
「ルールは守らねばならない」
という家族価値への
全面服従です。

逆に非行にはしるのは
家族価値への全面反抗です。



この全面服従か
全面反抗か、は
親に原因があるのではなく、
子が自ら選んでいます。
目的論です。

この選択自体が
意識に上がらず
無意識的にしていると
親に原因があると見て
親に責任をとらせようと
してしまいます。

この選択の責任は
親はとれませんから、
いくらやっても
成果はあがりません。

憎しみや悲しみばかりが
増えてしまいます。



親の価値観を
「親の価値観」と
認識できることは
大切です。

自分の価値観は
自分が決めています。

親と同じ価値観であっても
それは自分で選んだ価値観が
たまたま親と似ているだけです。

これがわかっていれば
全面服従も全面反抗も
する必要がありません。

ただ、違う価値観が
それぞれにあるだけです。

親からの影響を感じたら、
そうか、親はそれが大切なんだ、と
冷静に観察すれば済みます。



私の親は
「朝は起きねばならない」と
よく言っていましたし、
本人たちも朝は起きてました。

この「朝」って
多分7:00~7:30の間のようです。

中学生当時、私は
なぜ学校に通わないといけないのかが
わかりませんでした。

親に訊いても
「みんな行くから」
「義務教育だから行かねばならないから」
「学校に行けない子もいるから」
など、とんちんかんな返答しかもらえず
何度訊いても同じなので、
ずっとわかりませんでした。

だから朝起きる目的が
どうしてもわからずに
とてもつらい毎日でした。



朝起きられない自分は
ダメな人間だ。
生きてるだけ迷惑だ。

本気でそう信じてました。
「家族価値」にヤラれてましたね。


親は朝その時間に起きることは
普通にできるので
家庭では「朝普通に起きる人は善」で
普通にできない私は「悪」と
扱われました。

そうして「お前はダメ人間だ」と
毎朝念を押されるため
苦しみは日々深まっていきました。



家族価値を基準に
自分を評価すると
苦しくなったりします。

私は
「朝は起きねばならない」
という家族価値に影響を受け、
できない自分を悪評価してました。

もしここで
「この価値観を自分にも適用する」
と自分で選んでいることを
認識できていたら
状況も違ったでしょう。



親の大切にしたいことを
自分も大切にしたいと思って
大切にすれば楽しいですね。

でも親の大切にしたいことと
自分の大切にしたいことが
違うなら、
それぞれ別の価値観と扱うことで
自由を減らさずに済みますね。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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