KATO製の24系客車の旧製品は、リニューアルされた現行製品とはカプラー形式の相違により相互に連結することができません。以前に、旧製品のカニ24で、カプラーを現行製品を装着できるように改造したことがありますが、検討不十分な点があったので、改めて改良してみました。

 

カニ24の旧製品で金帯の原形車(左)と、同じく白帯化・カプラー変更した改造車(右)です。

 

現行製品の24系「日本海」の6両基本セット(品番10-881)に含まれる電源車は、金帯のカニ24-511です。一方、旧製品のカニ24-110金帯(品番5025-2,4)も現行製品と車長が同じであったことから、実車で見た白帯のカニ24-116を再現して、「日本海」に連結してバリエーションを増やすことで楽しみたいとの思いから加工が始まりました。最初にボディを白帯に塗り替えています。

 

牽引機EF81がナックルカプラーを装備しており、24系現行製品とも連結できるように、アーノルドカプラーを両側とも「かもめナックルカプラー」に交換しました。

 

EF81とは問題なく連結できます。

 

カニ24の次位に連結される現行製品のオロネ24(右)とも、連結できました。走行した場合にも、特に問題はありませんでした。

 

現行製品のカニ24-511(左)と、かもめナックルカプラーに交換したカニ24-116(右)です。両車を見比べてみると、白帯車は正面下部がスカスカで見劣りがします。そこで、台車マウント方式のかもめナックルカプラーを止めて、現行方式で採用されているボディマウント方式のナックルカプラー(正面)と密自連カプラー(連結面)に変更することにしました。

 

現行製品のカニ24-511(上)と、現行製品と同一カプラーを取り付ける改造をしたカニ24-116(下)です。ASSYパーツのカニ24用前面カプラーセット(品番5175-1C3)を使用しましたが、アーノルドカプラーをナックルカプラー短・黒(品番Z01-0224)に交換して、また連結面にはキハ80カプラーセット(品番6062C3)を、床板に開けた取付穴を介して装着しています。なお、穴開加工する床板には、台車がネジ止方式になった床下セットを別途準備して、改造しています。

 

ところが、前面カプラーセットのベース板部分が傾いて左側が下がった(浮いた)状態になってしまいました。(検討不足 その1)

 

密自連カプラーのベース板が全体に床板から浮き上がってしまいました。(検討不足 その2)

 

改造したカニ24-116(左)は、現行製品のオロネ24-5(右)と連結できましたが、カニ24のカプラー全体が車端に向かって傾いてしまっています。

 

ここからが先日のカニ24改善の続編になります。最初は前面側のナックルカプラーです。

ナックルカプラーの取付ベース板に設けてある取付爪に合わせて床板の所定位置に穴開けすると、車端にあるトレインマークの変換用ネジがベース板の下に隠れてしまいます。取付ベース板が床板と接触する上面には、カプラーの保持機構の突起が前寄りに2ヶ所あり、1ヶ所がトレインマークの変換用ネジの頭に当たってしまい、取付ベース板が浮き上がってしまうことが判明しました。対策としては、トレインマークの変換用ネジの頭を0.5mmほど削って、接触を回避します。

なお、トレインマークの表示を変更する際には、カプラーの取付ベースを一旦取り外す必要があり、取付ベース板は床板に接着する訳にはいきません。また、カニ24が編成先頭側に来る場合には、このカプラーに編成全体の重量が掛かるため、取付穴は出来るだけ高い精度で開けて強度を保つ必要があります。

 

連結面側の密自連カプラーは、取付ベース板の先端中央に突起が形成されており、この部分がボディの妻板下部に当たるため、妻板側で隙間ができる(浮き上がる)ことが判明しました。

 

連結面妻板の下部中央に、突起を避ける切込みを入れられれば良いのですが、貫通ホロの取付穴が迫っており、この部分を切除すると強度的に問題が生じますので、カプラー側で対策することにします。

 

加工前のカプラーセット(左)を、分解してから問題の突起をそぎ落したベース板(中央)と構成パーツ(右)です。突起のなくなったベース板を元通りに組み立てて床板に装着しました。

 

正面下部の傾きがなくなり、カプラーの取付ベース板が水平に密着しました。

 

連結面の取付ベース板の浮き上がりも解消しました。

 

台車はカプラー部分が不要ですので、手持ちのクモハ101用DT21 ネジ止め(品番4595-1D)を装着しています。

 

懸案でしたカニ24の改善もこれで無事完了しました。なお、床板に開けたカプラー取付穴の寸法は、下記の過去記事に記載してあります。

 

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