前々回、前回でオハネ25の分解・再組立の手順説明が終わりました。引き続き、関連製品としてオハネフ25とカニ24の分解・再組立について、オハネ25との相違点を中心に説明します。

1.オハネフ25(品番:5021)の分解手順
① ホロを外しますが、車掌室側も忘れずに外します。

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外し方はオハネ25と同じです。なお、車掌室側のホロ上部の固定爪はホロの装着用のみで他の用途は兼ねていません。


② 屋根板を外しますが、屋根板の片端部の構造がオハネ25と異なります。

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オハネ25の分解手順で補足として記述していた屋根板の別の外し方をここで説明します。クーラー側面を押して屋根板を外す方法です。車体端の台車付近で、左手親指により車体下部を強く押して車体上部が外側に反るようにします。右手親指(又は人差し指)の指先で屋根板のクーラー側面を押し下げて、車体側板と屋根板の間に隙間を作り、屋根板の固定爪(非常用小扉と客窓の間にある柱上部に見える)を一気に外してやると、屋根板の片端が外れます。

 

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屋根中央部の固定爪も外れました。扉付近にも固定爪があり、片側3箇所はオハネ25とも同じです。
 
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問題はこの箇所です。オハネ25とは違い、屋根板の他端は、車掌室上にある車体と一体構成された青色屋根の下に潜り込んで浮き上がり防止の構造になっています。

 

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車両の後部側(写真で右側)にゆっくり引き抜くと外れます。
 
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クーラーの左側が浮き上がり防止箇所です。


次に窓ガラスを外します。

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やはり通路側窓ガラスのトイレ側から外していき、手順はオハネ25と同じです。ただ、デッキの扉窓先に車掌室窓があって屋根の下に潜っており、更にテールサインの黒色保持枠があって車体との隙間に窓ガラスが嵌まり込んでいます。後方監視窓はまだその先にあります。

 

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窓ガラスが上方に抜くことが出来たオハネ25とは違い、作業が大変難しい箇所です。車掌室付近の車体を広げて何とか窓ガラスを外して、テールサインの黒色保持枠との隙間から引っ張り出せればOKです。

 

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その後、青色屋根の内側(天井)に沿って窓ガラスを反時計回りに回転させる必要があります。かなり硬くて、窓ガラスを破損しないように慎重な作業が求められます。

 

寝台側も同様に回転(時計回り)させながら外します(写真説明は省略)。更に室内パーツを抜きます。(注:オハネフ25のライト基板は先般のLED化を実施した物が装着されています)

 


次は、ライト基板(ライトユニット)を外します。

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写真は取り外し後の状態です。ライト基板は黒色のテールサイン保持枠から出ている爪に挿し込まれており、車体から外すにはこの形でしか外すことはできません。(この先の4枚の画像は、ライト基板は電球仕様で、それを装着したカニ24の画像で代用しています)

 

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黒色のテールサイン保持枠の先端(写真の奥側)は、後方監視窓のガラスのパーツの下に挿し込まれており、またライト基板は床面に形成された凸状の突起がストッパーとなって、この位置でピタリと固定されています。

  

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これを外すには、黒色のテールサイン保持枠をピンセットで掴んで持ち上げ、テールサイン保持枠の先端を後方監視窓のガラス下辺から抜き去ると、同時にライト基板も床面のストッパー部分から外れてきます。そこで、黒色のテールサイン保持枠とライト基板を一体のまま、車体から引き抜きます。  

 

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残るのは、後方監視窓のガラスとテールライトの赤色プリズムですが、何れも簡単に外すことが出来ます。これでオハネフ25の分解は終了しました。

 

2.カニ24(品番:5025)の分解手順
カニ24の構造は、前述のオハネフ25と共通ですので、差異のみ説明します。

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屋根板の外し方ですが、屋根上にはオハネ25やオハネフ25の様にクーラーはないので、オハネ25の項で説明した分解方法で外します。荷物扉の左上と、車番表示の上方に屋根板固定爪の部分が見えています。カニ24も片側3箇所の屋根板固定爪があります。

 

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車掌室上の青色屋根はオハネフ25と同一構造で、屋根板も同様に青色屋根の下側に挿し込まれる構造です。手前側がカニ24、奥側がオハネフ25です。ご覧のよう青色屋根の長さが違いますが、カニ24の方が短く乗務員扉の先には側窓がないので、まだガラスの取り外しはオハネフ25ほど難しくありません。
 
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カニ24(右側)には車掌室側に貫通ホロがないため、床板の端(カプラーのある箇所)が車体から抜け落ちて垂れ下らないようにすることができないので、カニ24のテールサイン側の床板には、テールサイン部に挿しこんで脱落を防止する爪2本とテールサイン下部に設けられた引っ掛け穴に挿し込むための突起が設けてあります。床板を車体から外す際には、荷物室側を先に外してから慎重に下方に引いて抜き出します。再組立は逆手順になりますが、慎重さを欠くと、脱落防止爪や床板先端の突起の破損に繋がりますので、ご注意下さい。車体と床板の組合せで、左側がオハネフ25、右側がカニ24です。

 

再組立は、オハネフ25、カニ24とも分解の逆手順で行えば可能です。特に留意する点はオハネ25の再組立と共通ですので説明を省略します。

特に説明しませんでしたオシ24(品番:5023)、オロネ25(品番:5024)、オハ24-700(品番:5039)、オハネ24-700(品番:5040)等もオハネ25(品番:5022)と同一構造ですので、分解・再組立される時の参考にして下さい。

これらのKATO旧製品は、ユーザーが分解しない前提のためなのか、数十年前の設計ながらピタリと隙のない見事な合わせ具合の良く出来た製品です。従いまして、分解・再組立に際しましては慎重な作業とある程度の経験が必要です。思わぬ破損などが起こる可能性もございますので、分解・加工・組立は自己責任でお願いいたします。

 

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