心療内科とは?=精神科じゃないよ〜
こんにちは〜ゆる-りですメンタルヘルスジャンルに登録しておりますが心療内科について誤解されていることがとても多いので少し説明をしておきたいと思います。多くの誤解〜心療内科とは?〜①精神科と同じ?②精神科より軽い心の不調を診るところ?③カウンセリングをしているところ?といったところでしょうか。一言で言えば心療内科は心身症を専門に診ている科です。心身症は以下のように定義されています。「心身症とは身体疾患の中で,その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し,器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病など,他の精神障害に伴う身体症状は除外する」自律神経の乱れが関与した病態が多く具体的には過敏性腸症候群起立性調節障害過換気症候群慢性疼痛などの、他科でも診断はつく病気や検査で異常のない腹痛や、めまい、倦怠感など他科で原因を特定できない症状の方々も来られます。多くは身体症状を直接和らげる方法を考えながら心理社会的な因子の密接な関与を想定して治療方法を見つけていきます。私は心療内科で修行をした心療内科医で精神科は学生時代と研修医時代に数ヶ月研修させていただいただけの素人です。とはいえ、軽症のうつ状態や不安、不眠などの症状に悩む患者さんたちはこれまでにたくさん診させていただきました。心身症に悩まされている患者さんたちはこのような精神的な不調を抱えていることも多いからです。ですが、うつは全面に出てくるというよりはむしろ身体症状に隠れてしまっているようなケースが多いですね。うつ病って脳のホルモンの異常なんですけど自分がうつになることを許せない人にそれが起こると心身症になるような感じもします。身体の症状が良くなれば心の不調も良くなることもあるしそれらを同時に診るからこそ良くなる病態の方々が心療内科には多くいらっしゃいます。※精神疾患が重篤と思われる場合は、原則的に精神科にご紹介させていただくことになります。何科の先生でも、風邪や軽い肺炎ぐらいは診てくれるけれど、重症の肺炎は呼吸器内科の先生にお願いするのに近い感覚です。ややこしいことに現実に、心療内科と標榜してしているクリニックなどのほとんどは、精神科の先生がいらっしゃる病院です。クリニックの精神科の先生の多くは精神科での経験を積まれ日本精神神経学会の精神科専門医などの資格をお持ちでいらっしゃることが多いと思いますが心療内科で年単位の研修されたことのある先生はごく稀だと思います。とはいえ精神科の先生が心身症を診てくださっているケースも少なくないと思います。とくに薬にできるだけ頼らない治療を心がけている精神科Drは私たち心療内科医に近い感覚で患者さんを診ていらっしゃると想像しています。また、精神科に限らず、各科にもそういう先生がいらっしゃると思います。できるだけお薬に頼らずに心身症を治療する方法は比較的シンプルなことが多いですが基本的には患者さん自身の変化(努力)が必要になります。そのため、治療が難しいケースも少なくはありません。私たちはできるだけ患者さんの状態を理解し良くなるための努力の方向性を探ります。それは日々のちょっとした努力の継続だったりこれまでの人生で考えてもみなかったような価値観の変化だったり色々なのですが「ある人が、別の人を変化させる」というのは実はとても難しいことでそれは、何年も心療内科医をしている私にとっても同じです。短い外来診療の時間での関わりでは無力感を抱くこともあります。ですが人は変化することができます。その人が変化しようと思った時、それを決めた時は早かったりします。また、お薬は最小限が良いとは思うのですが一方で、お薬の力はあなどれません。何年も色々な病院を受診しながら消化器症状と戦っていた50代女性のKさんはどうしても心に作用するお薬を飲みたくないと話していましたが担当医である私との信頼関係ができてきた頃に弱い安定剤を試しに1度飲んでみられました。すると、ぐっすり眠れて体調が良くなり以後時々安定剤を飲むようになると消化器症状に悩まされることがほとんどなくなりとても調子良く過ごされるようになりました。調子良く過ごしているといっそう元気が回復してくるので安定剤を使うことはまた少なくなっていきました。そしてその頃にやっと、心理社会的な辛さにも本人が目を向けられるようになりました。もちろん、安定剤を使う前にはお薬以外の方法で体調を整える努力をされていましたので色々な合わせ技で良くなられた方だと思っています。心身症を診ている心療内科がどんなことをしているか、なんとなくでも、伝わりましたら嬉しいです。このブログは、私自身が日々の診療で難しさを感じている点に対する、新しい試みです。まだ開始していませんが、近いうちにご相談もお受けできるような形を目指しています。相談したい、相談や返事を読みたい、と思ってくださる方がいらしたら「いいね」や「コメント」や「読者登録」をどうぞよろしくお願いいたします。心療内科医 ゆる-り