東京美学倶楽部 祐音文学
-Shion Bungaku- 主宰
西尾祐里です。
本日は、”詩禅美 序章”として
「真知の探求学としての美学」をテーマにした
コラムをお届けします。
---▼掲載済み▼---
001:人はどうして「美しいもの」に惹かれるのか
002:日本の精神に深く宿している世界観
003:天才に愛された日本の真美性
↑今回の内容
004:日本特有の美学
005:形而上に振り切ることの唯一無二性
---▼今後、配信予定▼---
006:大人の学びたる本質
007:哲学から美学への昇華
008:なぜ美学は哲学よりも上流層に刺さるのか
*
[真知の探求学としての美学:003]
天才に愛された日本の真美性
---
日本の美意識は世界から高い評価を得ています。
19世紀には日本芸術はジャポニズムとして
西洋諸国に大きな影響を与えました。
例えば、日本をこよなく愛し、
日本人に憧れた天才画家、
フィンセント・ファン・ゴッホ。
ゴッホは弟のテオあての手紙の中で、
以下のように述べています。
達観していて、知性の優れた人物に出会う。
彼が研究するのは、たったひと茎の草だ。
しかし、このひと茎の草が、
やがては彼にありとあらゆる植物を、
ついで四季を、
風景の大きな景観を、
最後に動物、
そして人物像を素描させることになる。
彼はそのようにして人生を過ごすが、
すべてを描くには人生はあまりにも短い。
そう、これこそ、かくも単純で、
あたかも己れ自身が花であるかのごとく
自然の中に生きるこれら日本人が
私たちに教えてくれることこそ、
もうほとんど新しい宗教ではあるまいか。
*
また、フランスの思想家ロラン・バルトは、
世界のあるがままの姿を記述する俳句には、
何ものにも汚されていない
圧倒的な客観美があると述べています。
(零度のエクリチュール)
西洋の文化人が日本芸術に見出したのは、
その純然たる美の表現形態。
主観性を徹底的に排したかのように映る
その様式美は、
向こう側に存在するであろう
真美に最も近い芸術形態であると
評価されました。
この日本固有の美意識、
ひいては真美の感受力の研究に、
西洋アカデミズムの合理性をもって取り組み、
日本人文知の発展に寄与する。
東京美学倶楽部は
こういったコンセプトを元に設立されました。
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わずかなりとも美の在りように心動く方
西洋、東洋、日本の美意識や
その体験を通した感性・知性を携えて、
世の中にインパクトを残したい方
実利的な学びよりも、本質的、原理的で
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