東京美学倶楽部 祐音文学
-Shion Bungaku- 主宰
西尾祐里です。
本日は、”詩禅美 序章”として
「真知の探求学としての美学」をテーマにした
コラムをお届けします。
---▼掲載済み▼---
001:人はどうして「美しいもの」に惹かれるのか
↑今回の内容
002:日本の精神に深く宿している世界観
003:天才に愛された日本の真美性
004:日本特有の美学
005:形而上に振り切ることの唯一無二性
---▼今後、配信予定▼---
006:大人の学びたる本質
007:哲学から美学への昇華
008:なぜ美学は哲学よりも上流層に刺さるのか
*
[真知の探求学としての美学:001]
人はどうして「美しいもの」に惹かれるのか
その美しさの背後にあるものを探求してゆく
---
美学とは元来、
「よりよく生きる」ことの探求から誕生した
哲学の一領域です。
美の探究は、この世界における在り方、
佇まい、志向、所作に深い影響を与えます。
そのため、古くから
人間教育の一部として組み込まれている学問です。
現代における美学は、
人間教育に留まらず実に広い領域に及びます。
まちづくりやプロダクトデザイン、
さらには経営、組織デザインなど、
人間が生きる環境をより豊かで魅力的にする
創造の基盤として様々な分野に息づいています。
近年、美意識の水準が
個人や企業の成果を左右すると
言われるようにもなりました。
性質の異なる⼈々の美の⾒いだし⽅の違いは、
そのまま⽣き⽅や
ビジネスの在り⽅の違いにも通じることは
容易に想像できます。
実際、美的教養の必要性を感じている
感度の高い人も増えてきました。
社会が成熟するにつれて、至るところで、
無秩序、混沌、不調和が見受けられる時代。
だからこそ尚更高まる美への憧憬。
美学は人生を豊かにし、
ビジネス観点からも
身につける価値は極めて高いものです。
しかし、ここでいう美学で探求する美は、
美術館や音楽会の鑑賞を通して語られるような
芸術的な美ではありません。
当然、美容やアパレルの業界で言われる
「美醜」という二項対立で語られるような
相対的な美でもなく、
企業研修や自己啓発の業界で安易に語られる
美意識や美しいあり方でもありません。
科学によっても、あるいは哲学によっても、
解明できていない唯⼀の世界。
嘘偽りのない純粋性を志向する、
現代において唯⼀許された形⽽上。
それこそが、
真知の探求学としての美学です。
私たちは「美しい」と判断する事やものが
上位に位置取りする世界に生きています。
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