今まで溜めていた正常胚や染色体に関する論文についていくつか。

 

 

⭐︎卵胞のサイズと正常胚の関係について

 

研究から、12.5mm以下で採卵しても良い胚盤胞はほぼ出来ない一方、19–24.5 mmの卵胞だと良い胚盤胞になりやすいことがわかります。

次に卵胞のサイズと正常胚についてみていきます。10-12.5mmの卵胞からでも53%正常胚ができています。

13-15.5mmからの卵胞でも56%も正常胚ができています。つまり、大きい卵胞の方が正常胚が増えるということにはならないと言えます。

 

つまり、卵胞のサイズは良い胚盤胞ができるためにある程度大きい方が良いが、卵胞のサイズが小さいからと言って胚の染色体が影響されることは限らない。

「小さい卵胞から採卵した胚でも十分生まれる可能性がある」ここはとても大切なことだと言えます。(*1)

 

 

⭐︎胚盤胞にならないのは染色体異常のせい?

 

本論文は、胚盤胞にならないのは染色体異常のせいではないことを示しています。初期胚も胚盤胞も正常胚率は変わりません(約60%)でした。つまり、正常胚も異常胚も均等な確率で胚盤胞になって(約40%)いました。胚盤胞にならないのは染色体異常のせいではないということになります。胚盤胞にならないのがその他の要因だとすれば、培養環境や刺激法など様々なことが考えられます。(*2)

 

ということは、例えばクリニックで胚盤胞に全く到達しなかった場合培養液や培養機器が違う他のクリニックに試しに転院したりすると劇的に培養成績が変わる可能性もありそうです。

 

 

 

(*1)両角レディースクリニック

https://ameblo.jp/kazutom/entry-12827201742.html

 

(*2)リプロダクションクリニック東京

https://ameblo.jp/matsubooon/entry-12734932640.html