赤くないスパゲッティ | 目立ちたがりの小心者

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スパゲッティを作ってて…と言っても袋に入ったソフト麺みたいな奴をそのままフライパンで炒めて付属の味付けパウダーをまぶせば出来上がるお手軽なやつだ
それだけじゃ淋しいからミートボールと目玉焼きを乗せてみた
ミートボールは目玉焼きの下に隠れている
 
スパゲッティと言えば今でも思い出すのが今から半世紀以上も前のこと
たまたま同級生の家に遊びに行っててご飯の時間になってその同級生のお母さんがスパゲッティを作って出してくれた
その同級生は「街」からの転校生でありそのお母さんも当時私の周りにいた田舎の「お母ちゃん」たちとは違って都会的で垢抜けた美しいお母さんでそんなお母さんが出してくれたのが赤くないスパゲッティやった
 
それまでスパゲッティと言えば私が作ったのと同じ赤い色が付いたつまりはケチャップ味と言うのが定番であってそれ以外のスパゲッティは見たことも聞いたことも無かったのでその赤くないスパゲッティは衝撃的やった
 
赤くないつまりはケチャップ味ではないスパゲッティを供された小学生の田舎少年だった私はそれがスパゲッティであることをそう言われるまで分からなかったしスパゲッティだと言われてもそれが本当にスパゲッティなのかと疑念すら持ったものだ
 
本当にこれがスパゲッティなのか
都会のスパゲッティとはこうゆうものなのか何か騙されてるのではないか
疑惑と魅惑が交錯して興奮を隠し得ない私はそれとは悟られないように冷静さを保ちながらその赤くないスパゲッティに挑んだ
 
しかし田舎少年にはさらなるハードルが立ちはだかったのである
家で食べる赤いスパゲッティは当然のように箸で食べるものであったのがそこに箸は無く代わりにフォークとスプーンが置かれていたんである
確かに学校の給食ならフォークで食するからそれは理解出来るがスプーンはどうするのか
 
焦る気持ちを抑えてさり気なく同級生が食するのを見たらなんとスプーンとフォークを器用にクルクルと扱って一口大にして口に運んだのである
 
まさかそんな妙な食べ方があるのかと驚愕しながらもさも知ってるかのように私も真似てやってみる
田舎少年にはなかなか簡単では無いがなんとか見様見マネで食してみた
 
そうして初めて口にした赤くないスパゲッティ
美味い!!!
これが都会の味なのかと驚愕しつつもそれが何の味なのかも分からないまま初めてのその味覚に興奮しながらあっという間に平らげた
 
今でもあの時の赤くないスパゲッティの味付けは謎のままやけど多分オリーブオイルとかそんなのやったんかなぁとは思う
田舎少年にはオリーブオイルは都会の味やったんである
 
まあ都会と言っても多分同じ岐阜の中心部あたりからの転校生であって今にして思えば都会でも何でもなかったんやけど当時の私には岐阜の中心部は充分に都会やったもんね😅
 
そんな事を思い出しながらこの赤いスパゲッティを食したのである
 
(追記)
ちょっと気になって調べてみたら当時の日本ではまだスパゲッティを食するのにスプーンは使われてなかったらしい
私の記憶がどこかで混濁しているのかも知れない
まあ半世紀以上も前の記憶なのでその後の記憶と混ざっても仕方ないし記憶なんてそんなもんだ