大人数でもできる対話の手法「フィッシュボール」 | 共創ファシリテーター@なかにしゆりのファシリテーション日記

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さて、先日からお話ししている250人でもできてしまう「対話」の手法について、書いてみよう思います。

 

先日のNPO法人日本ファシリテーション協会東京支部イベントでも使われた手法ですが、震災後、ちらほらとこの手法を活用した場に参加することが増えてきたように感じます。

 

 

先日取り入れられていたのは「フィッシュボール」という対話の手法です。

 

外側の円の人々が、中心の円で行われている対話を眺めるという意味で、金魚鉢を意味する「フィッシュボール」と呼ばれているものです。

 

 

レイアウトと進め方は次の通り。

 

【レイアウトの作り方】

 

1 最初に椅子だけで、2人ー10人くらいの小さい円を中心に作る。

 

2 最初の対話に参加してもらう人に中心の円に座ってもらう。このとき、1つ空席を作る。

 

3 中心の円を囲むように南江にもなって、残りの参加者たちも椅子に座る。

 

 

【対話の進め方】

 

1 テーマに沿って、中心の円に座ったメンバーで対話を始める。

 

2 中心の円に座ったメンバー全員が語り終わったタイミングから、そこまで対話を聞いていた周りの人も対話に参加できるように促す。

 

3 対話に参加したい人が中心の空席に座る。

 

4 同じタイミングで、中心の円から誰かが抜ける。

 

5 ここからはその繰り返し

 

 

つまりは、中心の円にいる人だけが発言権を持っているということです。

 

場合によっては中心の円に空席を作らず、周りは中心の対話を見ているというやり方もあります。

この場合、例えば、時間を区切って中心の円にいる人を入れ替えていくということもできます。

 

 

とにかく「対話」を意識して、ただただ意見を言いっぱなし、聴きっぱなしにならないようにしながら、対話を深めます。

 

中心の円では、トーキング・スティック(あるいはその代用とするマイクなど)を使って、発言する人の言葉を参加者全員がしっかりと耳を傾けます。
 

先日のイベントのフィッシュボール。ファシリテーターの中野民夫さんが解説中。

 

私が初めて参加した「フィッシュボール」の対話の場は、2011年9月のNPO法人ミラツク (代表 西村勇也さん)が主催したもので、震災後のソーシャルビジネスがテーマでした。

 

正直、初めてのときには、後ろに座っている時にもなんとなく落ち着かず、戸惑ったのを記憶していますが、話したければ話してもよし、聴くだけにしたければ聴くだけでもよしという自由度があるのも参加する側のメリットです。

 

 

なによりもこの手法だと、どんなに大人数でも対話をすることができます。

 

大人数の場合には、バズセッション(少人数に分かれてする対話手法)と組み合わせて使ってみるのも良いかもしれませんね。


大人数だけど対話がしたい。

そんな時には、ぜひ、対話の手法「フィッシュボール」を使ってみてはいかがでしょう。