“梟は黄昏にミネルヴァへ?”
これはヘーゲルというドイツの哲学者が書いた
「法の哲学」の中の一説
「ミネルヴァの梟は立ち初める黄昏とともに飛翔する」からとったもの。
梟(ふくろう)は
元々ギリシア神話で
知恵と知性の女神ミネルヴァ(=アテネ)を守る鳥とされ、
知性の象徴とされていたそうだ。
ふと思い出したのは数年前の出来事。
正月明けの浅草に、
とある関係で知り合った方が
常盤津三味線で歌舞伎の舞台出演をしていたので
それを観に行ったことがある。
早めに着いた私は、浅草の鼈甲細工のお店に偶然入った。
そこで、ひとつの細工物に目がいったのだが
なぜかそれがとても気に入り、すぐに買い求めた。
もちろん値段が手ごろだったこともあるのだが・・・
それが鼈甲で出来た、梟の“根付”だったのだ。
小さくて可愛らしい姿になんともいえぬ魅力を感じ、
携帯のストラップにした。
お店の人には
「梟=“不苦労”ともいって、苦労知らずという意味があるんですよ」
と教わったのも、買う気になった一因である(笑)
2~3年見守ってくれていたそれはある日、
パリンという音と共に割れてしまった・・・
その後再び、
あの店に買いに行こうと思いながらまだそれが果たせていない・・・
この数年、何やらいろんなことが起きては新たな波を産む年月
ふとその頃のことを思い出したのは何故なのか・・・
その頃作った一句
【空高く 舞い上がる鳥と見渡せば
我の悩みも俯瞰の眺め】 by 理麗
※『理麗』は一応、形だけ作ってある俳号デス(笑)