くりてん13回公演『LINE』とイジメに関する考察。 | 悠里の徒然のんびり日記

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役者、勝又悠里の日常をなんとなーく綴ります。
ときどき、テレビの中に生息中!
『劇団くりびつてんぎょう』も主宰補佐として、がんばっています!(=゚ω゚)ノ

劇団くりびつてんぎょう第13回公演『LINE』
追加、追々加公演含めた全7ステージ、無事終幕することができました‼︎

ご来場いただきました皆様、共に作品を作ってくれたキャストやスタッフのみんな、本当にありがとうございました‼︎

今回は、本当にたくさんのお客様にご覧いただき、2ステージも多く舞台に立てて、本当に感謝感謝です。
。・゜・(ノД`)・゜・。

終演後も、様々なお客様からお声がけをいただき、本当にびっくりしました(*^^*)
ただ、ニコニコしてお見送りしていても、ビクビクなさるお客様もいらっしゃったりして(ー ー;)
ちょっと面白かったです(笑)


今回の作品は中学校を舞台としたいじめのお話。
私の役柄は【るみ】ちゃん。
主人公の【典子】をいじめる主犯格でした。
その後、次のいじめのターゲットとなるわけですが・・・


今回の【るみ】を通していじめについて考えました。
ここから、長いぞ~(笑)




【るみ】と【典子】は小1からのお友達。
みんなにバカにされてる【典子】を助けるところから友達関係は始まります。
【るみ】は自分の考えに真っ直ぐな、少し意地っ張りな人でした。

ところが、中2も終わりにさしかかり、それまでずっと一緒だった【典子】と距離があいてしまいます。
理由は【典子】が家の手伝いで忙しくなったから。
その時の彼女たちのコミュニケーションツールは『LINE』でした。

返事をしない【典子】に【るみ】は裏切られたとイライラします。
そして、周りを巻き込んでいじめはスタートします。

これがお話の流れ。
たかだかそんな理由で、【典子】を追い詰めるなんて・・・と他人は思うでしょう。
しかし、【るみ】にとっては重大な問題だったのではないでしょうか?

小・中学生にとっては、生活の場所は家と学校しかないと感じられます。
彼女が生きてきた14年のうち8年間もの間、【るみ】と【典子】は一緒にいたのです。
そして突然距離があいてしまう。
つまり、親の次にいつもそばにいた存在が突然離れてしまうわけです。
周りに他にも友達はいました。
でも、誰よりも【典子】は【るみ】にとって大切な存在だったのです。
そして、幼さゆえ、その寂しさや苛立ちを冷静に処理する方法が見つからなかったのです。
まさに可愛さ余って憎さ百倍。

【典子】が誰よりも大切な存在なのに、自分が相手にとって同じであると考えることもできませんでした。

そして、いじめスタート。
『LINE』を使って【典子】を追い詰めます。
しかし、そこに罪悪感なんてないんです。

役者としていじめのシーンを演じていてわかったことがありました。
そこにゲーム感覚が発生するということ。
いかにダメージを与えて苦しめるか、いかに追い詰めるか、そしてそれを周りとのチームワークでやり遂げた時の達成感。
私はモンハンをやってる感覚に近いと思いました。

つまり、いじめる側にとっていじめはバーチャルなんです。
ほんのちょっとのお仕置きゲームなんです。

冗談じゃない!ふざけんな‼︎と思われる方も多くいらっしゃると思いますが、私はそう感じました。
もちろん、実際にはやりませんよ!(*`へ´*)


そして、【典子】は学校に来なくなり、いじめをやめようと提案した【るみ】は次の標的にされます。
その途端に、【るみ】にとっていじめは現実へと姿を変えました。
昨日まで仲の良かったイツメンやクラスメイトからの裏切り、小さな学校という社会の中で頼れる存在はなく、親に心配をかけさせるわけにもいきません。
もちろん、自分のしてきたことの重大さも理解します。
よって、自分自身への嫌悪。

逃げ場がない中、たどり着いた唯一の存在は【典子】でした。

ただただ、謝りたかった。許して欲しかった。

でも、意地っ張りな【るみ】は謝ることができません。
それでも【典子】は【るみ】を嫌いにはなっていませんでした。
謝れない【るみ】とは逆に【典子】はごめんと言い続けます。
だから【るみ】は謝れない自分への罰として「違う世界へ翔ぶ(自殺)」を選ばず、残りの中学校生活1年間を1人で戦うことにしました。
辛いけど。

その後、【典子】の強さと優しさにより【るみ】もクラスメイト達も救われていきます。


誰にでもあり得る話。
その他にもクラス中にイジメの種はたくさん散らばっていました。
誰が標的になっても不思議じゃなかった。
「イジメる」と「イジる」の境界線は曖昧なのですから。
ましてや、子どもたちに線引きをさせることは不可能に近い。

今回の作品のようにハッピーエンドになるのは難しいこと。

気をつけてたって、知らないうちに人を不快な気持ちにさせてしまうことは誰にでもあります。
だから防ぐことも難しい。
大人でもイジメはある。


でも、大切なのは、絶対に味方がいるということを忘れないこと。
【典子】には家族。
【るみ】には典子。
血縁、学校、会社などなどたくさんの種類の社会がありますが、その人のいる社会は一つではないということ。
耐えられないなら、その社会の輪の中から抜け出せばいい。
無理に居続ける必要はない。
それは逃げることではない。
生きやすくするだけ。

・・・これは元イジメられっこの経験談でもあります(笑)
輪を外れたら、輪の中にいる人たちよりも多くの味方がいました。
それまでにいた輪が自分の唯一居場所だと思ってたのに、意外とそうでもなかったんです(*^^*)


イジメは良くないこと!
同時に、イジメは誰にでも起こること。
でも、必ず味方はいるよ?(*^^*)
だから、輪から外れるも戦うも自由!
自分らしくいればいい。

これが【るみ】ちゃんを通して考えたことです。

長くなりましたが、ご覧いただいた皆さんにも何かを考えるキッカケになっていたらいいな、と思います。




ありがとうございました‼︎(≧∇≦)ノ