フィンランド旅⑰ オーディンからの贈り物 | からふるテュール

からふるテュール

北欧神話の神様“テュール”は英語の火曜日tuesdayの語源
そんな火曜を中心に活動する
ゆららのパステル作品と
パステルで彩った“からふる”な日常です。
好きをいっぱい詰め込んで♡

僕が最初からちゃんと
厚着して出てたら
もっとスゴイのが見れてたのかも・・・


後になって旦那さんは
一度ホテルに着替えに戻ったことを
後悔するようなことをいいました。



ちょっとばかりの時間をロスして
次に出逢ったオーロラは


まだまだ私たちの足が
暗がりにたどり着く前に
ホテルを出た直後から

すでに

薄っすらと
ピンクとも紫とも言えない色をおび
カーテン状のドレープを波立たせ

夜空をゆらゆらと揺らいでいました・・



思わず

すごい・・すごい・・・ 
口を言葉が通り過ぎていきます。





観測点変えて今度は

カウニスパーのそりコースの終着点に
向かう予定だった私たちは

そのずいぶんと手前、教会の辺りで

しばし立ち尽くして
その美しい光景をあおいだのでした。



もっと暗い所で
これを見上げたら
どんなに美しかっただろう・・・・


そんなコトからも旦那さんは
一度ホテルに帰ったのを
悔やんだのかもしれません。






始めの観測は
下の地図の

ピンク印 クロカンスタート地点前

一度教会の隣にある
青印の ホテルに帰り

その後は教会の北側
紫印の 道端で立ち尽くし 
オーロラの揺らめきを見ました。


そう思うと


随分と長い間
この空に
オーロラが出ては消え
現れてはまた
人を魅了し続けてくれたのですね。





この後
カウニスパーの丘のふもと
赤印 で撮った写真を
一部、記録しておこうと思います。




この日
私の空には

流れ星を浴びながら

刻一刻と 

オーロラは
その形を変えながら

そこに色づいていました。


消えてしまったかと思えば


また

勢いを増しながら
踊るように

空を駆け巡る。





フィンランドの先住民サーメ人

キツネのレプが尻尾を振って雪を巻き上げると
それが空へと舞い上がりオーロラになると言い伝え


グリーンランド に暮らすイヌイット

亡くなった子どもや女性が
オーロラを伝って家族に会いに来ると考え


アラスカやカナダのカラーリット

精霊の歩む道を照らす松明が
オーロラとなって現れる
そう言い伝えるといいます。


そんな美しい伝説が
語り継がれる
それぞれの北の空


その空の下に


来られたこと


諦めかけた
その美しい景色に


出逢えたこと。


時差のなか
なかなか眠りにつけずに過ごした

初めての北欧の夜に



うつらうつらの中
想いを馳せた
オーディンへの願いが
ひっそりと
聴きとめられたのでしょうか

フィンランドの神話には

オーロラが現れると
魔法使いの国と繋がる

という話があるというけれど


オーディンの贈り物を
胸いっぱいに受け取ることが出来た
そんな一夜になったのだと


しみじみ嬉しくなるのでした。






bella(ベッラ) bella(ベッラ)
(イタリア語で「美しい」)

どこからか上がった歓声が

遠くかすんだ響きで
ここまで届いてきます


同じ時間
同じ感動を共有する

見知らぬ旅人が


そこにある事に
また

なぜか
幸せをおぼえたのでした・・・。