コロナ疲れしてませんか
疲れますよね
ブログで何度か子どもの新型コロナウイルス感染について分かっている知見を書いていますが、少しアップデートします。
子どもはほとんど軽症で、患者数も少ない
感染に気付かない程度の軽症が多い
そもそも感染しない
ただし乳児、特に1歳未満は重症化率が高い傾向ので注意
Pediatrics(小児科医療雑誌のトップ誌)
『中国における新型コロナウイルス疾患の小児患者2143人の疫学的特徴』
対象
中国で新型コロナウイルスに感染した小児患者2143人
平均年齢
7歳 379人は1歳以下
重症度
90%を超える小児患者が、無症状(4.4%)、軽度(50.9%)あるいは中度(38.8%)
重症または危篤状態となった小児患者は5.9%
重症化率は成人患者の18.5%と比べて低い
ただ、乳児の重症化率は比較的高い
1歳未満の患者が重症または危篤状態となる割合は合計10.6%
1~5歳は7.3%で、6~10歳、11~15歳、16歳以上はそれぞれ4.2%、4.1%、3.0%
私見
小児では、無症状や軽症で診断されていない症例が多数あると推測され、上記の割合よりもっと%は低いのでは?
子ども発症例はほとんど家族内感染
感染パターン
子ども から 大 人 非常に少ない
子ども から 子ども 非常に少ない
大人(家族)から 子ども ほとんどこれ
子どもは、
・軽症が多いので人に感染させにくい
・飛沫が少ない
・感染しにく
などの理由で、子どもからの感染は少ないと推測されます。
10歳未満 204例(軽症・無症状203例、重症1例)
10歳以上 293例(軽症・無症状292例、重症1例)
大人の間では感染が拡大していますし、子どもが感染しない訳ではありませんから、引き続き手洗い消毒や不要不急の外出を避けてください。
ところで、クリニックは来院された皆さんがびっくりされるほど暇です。
今シーズンの花粉症が軽症かつ早く終了した事、学校や園が休校休園、皆さんの感染予防対策など、子どもの病気が非常に少ないからです。
コロナ感染予防には三密(『密閉』『密集』『密接』)を避ける必要がありますが、現状では結果的に三密は避けられています。
気候が良いので窓を開けています『密閉』
待合はガラガラです『密集』『密接』
ですので、必要以上にクリニックに来ることを怖がらないでください。
危惧するのは、
ワクチン接種を先延ばしにすること
子どもにとっては新型コロナよりワクチンで予防できる病気の方が怖いです。
先延ばしはやめてやめてください
病気が悪化すること
来院をためらって病気を悪化させてはいけません。
小児科学会のホームページにQ and Aがありますので、参照してください。
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326
新型コロナウイルスとの戦いは、山中伸弥先生が言うように『長いマラソン』です。戦いはまだ始まったばかりで、1〜2年は山あり谷ありです。
紫外線の増加で夏頃に少し落ち着くと予想しますが、また秋頃から再流行するのではと推測しています。その頃は風邪の季節であり、インフルエンザワクチンの接種、インフルエンザの流行など小児科にとって非常に忙しい季節になります。
この小児科が暇な時に、乳幼児のワクチンはもちろんのこと、日本脳炎やMR2期など年長児のワクチンも終わらせておいてください。
あくまで必要な受診を遅らせないでくださいというお願いです。
基本は『いのちを守るStay Home』です。
クリニックは、万全の感染対策を行っています。
・換気
診療中は常時窓を開けて換気しています
・消毒
1人の診療が終わるたびに机・ドアノブ・聴診器などを毎回アルコール消毒しています
・午前診と午後診の後は、上記に加えて床を次亜塩素酸で消毒しています。
・マスク着用
・処置は専用の場所で感染防御の対策(フェイスシールド・ディスポキャップなど)をして行います。
・職員一同が不要不急の外出を避け家にこもっています。
東灘区・灘区での感染拡大がなくなるのはもちろんのこと、世界での終息が早く来ますように