新型コロナウイルス流行期の解熱剤について | ゆら小児科クリニック院長のブログ

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神戸市東灘区御影にある小児科・アレルギー科の”ゆら小児科クリニック”です。
アレルギー外来・予防接種外来・乳児健診外来・食物経口負荷試験外来があり、ネットによる予約システムを導入しています。

新型コロナウイルス感染で、解熱剤の使用について気になる報道がありました。

 

 

WHO(世界保健機構)が、解熱剤である「イブプロフェン」が新型コロナウイルスによる症状を悪化させるおそれがあるとする指摘が出ていることについて、「より高い死亡率につながるのかまだ証拠がなく、WHOの専門家が調査を進めている段階だ」と述べました。

 

代わりに解熱薬の「アセトアミノフェン」を使うよう呼びかけました。

 

まだ、正しいかどうかはわかっていませんので、否定される可能性はあります。

 

 

 

イブプロフェンは病院では「ブルフェン」という名前で処方され、市販薬の風邪薬に含まれていることがあります。

 

 

 

ただし小児科に限ったことでいうと、普段から小児には解熱剤としてはアセトアミノフェンしか出しません

 

特にインフルエンザの際の解熱剤として、小児に安心して処方できるのはアセトアミノフェンだけです。

 

小児科学会の見解

https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=201

 

 

当院の処方でいうと、カロナール、アンヒバ・アルピニー座薬などです。

 

 

ですので影響はないのですが、しばらくは「アセトアミノフェン」以外の解熱剤を飲むのは、大人もやめたほうが無難かもしれません。

 

 

そもそも発熱時に無理に熱を下げる必要はなく、解熱剤の使用は必要最低限でかつ推奨される投与量で使用する必要があります。

 

解熱剤で熱が下がらないこともありますが、だからと言って必要以上に使用したり、量を増やしたりする必要はありません。

 

 

 

火曜の診療が終わった後、運動不足解消も兼ねて久しぶりにロックガーデンにプチ登山に行きました。途中で引き返しましたが、いい運動と気分転換になりました。

 

みなさん、どうしても家に引きこもりがちになると思いますから、散歩をお勧めします。人ごみの少ない自然の中なら新型コロナに感染する危険性も低いですよ。

 

 

3月21日(追記)

WHOは、「イブプロフェン」と新型コロナウイルス感染症の重症化との関連は明らかな根拠は認めらないと発表しました。

 

いずれにしても、小児に「アセトアミノフェン」以外の解熱剤を処方する意味はないことに変わりありません。