インフルエンザ流行の前に | ゆら小児科クリニック院長のブログ

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神戸市東灘区御影にある小児科・アレルギー科の”ゆら小児科クリニック”です。
アレルギー外来・予防接種外来・乳児健診外来・食物経口負荷試験外来があり、ネットによる予約システムを導入しています。

朝夕と日中の寒暖差が激しいですねショック!

薄着で昼間に出かけたら夕方に凍えそうでした。

風邪ひきそうカゼ

 

 

先々週のブログでインフルエンザの流行が早いかもと書きましたし、先日にテレビの取材を受けた際も流行してきてますと言ってしまいましたが、その後は0〜1人/日くらいで増加傾向にはありません。

 

ただ、今週末から寒くなるようなので油断できません!

 

 

取材光景(MBS ミント!)

 

 

インフルエンザの流行を前にインフルエンザに関するトピックをまとめますベル

 

 

1 登校(園)許可書について

 

神戸市では公立の幼稚園・小学校・中学校・高校において従来の再診による登校(園)許可書が不要になりました。

 

公立のこども園・保育園の場合は従来の登園許可書が必要です。

 

上記以外は園や学校に確認してください。

 

従来のように一律に再診をしていただく必要は無くなりましたが、様子がおかしい、投薬3日くらいしても解熱しない、咳がひどい、といった場合は合併症の可能性があるので必ず再診して診察を受けてください。

 

 

2 ゾフルーザについて

 

今年1月のブログ(インフル治療薬について)で、2018年3月に発売された新薬ゾフルーザについて、

 

右差し子どもに新薬を使う危険性

右差し耐性ウイルスの問題

 

のため、当院では原則使用しませんと書きました。

 

 

昨シーズンに最も売れた抗インフルエンザ薬であったようですがえっ、当院では強く希望された数名にしか処方していません。

 

最近のニュースでご存知かもしれませんが、その判断は正解でした。OK

 

 

右差し子どもに新薬を使う危険性

 

実際に副作用が問題になった訳ではないですが、小児科学会から2019/2020年のインフルエンザ治療において『12歳未満の小児に対する同薬の積極的な投与を推奨しない』との指針が出ました。

薬の副作用は、体が未熟なこどもを診る小児科医としては、常に気を配らないといけないことだと思っています。

 

 

 

右差し耐性ウイルスの問題

 

治験の段階で、投薬後にゾフルーザ耐性インフルエンザウイルスが出現する問題は指摘されていました。

 

ただその耐性ウイルスは感染力が弱いので人に感染することはないと言われていました。

 

しかし、先日に東大のチームにより耐性ウイルスは人へ感染することが報告されました。つまり耐性ウイルスが人から人へ流行していくということです。叫び

 

 

誤解のないように言いますと、ゾフルーザは日本で開発された新しい機序の抗インフルエンザ薬であり、他の薬剤と機序が違うという点で素晴らしい薬剤です。

 

ゆえに、重症患者や新型インフルエンザに対する切り札になりうる薬剤ですから大事に使っていかないといけません。

 

3 鼻からのワクチンが開発される

 

鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンが近く国へ承認申請されるようです。

 

経鼻ワクチンはすでに米国で使われ、国内でも個人輸入で接種されている医療機関もありますが、副作用の際の保証がない(自己責任)などの問題がありました。

 

承認されれば、数年後には痛みを伴う注射をしなくても、インフルエンザを予防できる時代が来る可能性があります。

 

経鼻ワクチンは、ウイルスが体に入る際に通る気道の粘膜で感染防御ができると考えられています。また流行したウイルスのタイプが予想と違った場合でも効きやすいとの研究結果もあります。

 

期待しましょうグッ

 

 

阪急電車

 

ウマカケバクミコさんのイラスト

クリニックの兵隊さんの作品の作者さんです。

可愛いですね。