秋の便り 秋刀魚食べました | 1級フードアナリスト ユピロ菌の迷える子羊達へ

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悩んでいたときに救ってくれた言葉や料理をおすそ分け。仏教に自分で掛けた首輪は自分でしか外せないという言葉がある。悩みを解決してくれるのは宗教でも他人でもない。自分自身でしか解決できない。

 
 
 
 
今年8月の出来事の備忘録です
 
今朝はいつもの札幌卸売市場場外『田口水産』さんへ
 
お目当ては秋刀魚など秋の味覚…
 
秋刀魚はこの数年は不漁続き値段も高騰です
 
札幌に転勤で来た当初は箱買いして
 
心友や実家に贈ってた…😅
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて秋刀魚を食べる時
 
必ず思い出す歌があります
 
毎年書いてますが…
 
 

佐藤春夫さんの『秋刀魚の歌』

 
(↑クリックすると過去のブログ記事へ)
 
去年は手抜きせずに色々書いているので
 
それを読んで頂いた方が。。。笑
 
「さんま、さんま
 さんま苦いか塩つぱいか。
    そが上に熱き涙をしたたらせて…」
 
でもこの歌の背景は結構壮絶なのです
 
佐藤春夫がこの歌を歌った食卓を囲むのは
 
不倫の相手の女性つまり谷崎潤一郎の妻である
 
千代夫人と長女鮎子
 
実は切ない心をうたった詩なのです
 
千代夫人は谷崎潤一郎との夫婦関係が
 
上手くいかないことを
 
夫の親友である佐藤春夫に相談していました
 
谷崎の留守宅を佐藤が訪問した際に食べた
 
秋刀魚なのです
 
で、全文を読んでみますかwww
 
 
 
 
 
 
 
佐藤春夫『秋刀魚の歌』
 
「あはれ
 秋風よ
 情〔こころ〕あらば伝へてよ
 ――男ありて
 今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとり
 さんまを食〔くら〕ひて
 思ひにふける と。
 
 さんま、さんま
 そが上に青き蜜柑の酸〔す〕をしたたらせて
 さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
 そのならひをあやしみてなつかしみて女は
 いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひむ。
 あはれ、人に捨てられんとする人妻と
 妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
 愛うすき父を持ちし女の児〔こ〕は
 小さき箸〔はし〕をあやつりなやみつつ
 父ならぬ男にさんまの腸〔はら〕をくれむと
  言ふにあらずや。
 
 あはれ
 秋風よ
 汝〔なれ〕こそは見つらめ
 世のつねならぬかの団欒〔まどゐ〕を。
 いかに
 秋風よ
 いとせめて
 証〔あかし〕せよ かの一ときの団欒ゆめに
  非〔あら〕ずと。
 
 あはれ
 秋風よ
 情あらば伝へてよ、
 夫を失はざりし妻と
 父を失はざりし幼児〔おさなご〕とに伝へてよ
 ――男ありて
 今日の夕餉に ひとり
 さんまを食ひて
 涙をながす と。
 
 さんま、さんま
 さんま苦いか塩つぱいか。
 そが上に熱き涙をしたたらせて
 さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
 あはれ
 げにそは問はまほしくをかし」
 
 
 
 
 
 
 
難しいことは判らんけど…😅
 
兎に角、今年も秋刀魚を頂けることに感謝🙏
 
札幌の住まいにはグリルがないので
 
フライパンで焼きます🎵
 
走りの秋刀魚で脂ののりはイマイチだけど
 
思ってたよりは脂があってやっぱり美味しいや
 
目を見てもらうと判るけど鮮度が抜群
 
身剥がれも抜群でした(^_^)/