呼称~おんにの世界~ | インドア人間のどうでもいい日々の記録

インドア人間のどうでもいい日々の記録

教員生活4年目。学校ではこどもにもみくちゃにされながら、毎日どなりちらす日々ですが、生徒たちは自分をどなりちらす先生がこんなにもダメ女なことを知ったらどう思うでしょう・・・。

日本では家族の中で最も年少の者の目線に合わせて


お互い呼び合う習慣がありますよね。


例えば旦那のことを「お父さん」とか、娘のことを「お姉ちゃん」とか。


こっちでもそれは同じです。


あと、買い物とかレストランとか行ったとき、


店員さんとかお客さんに対して


「ちょっと!お姉さん!」


と呼ぶことあリますよね、それもおんなじなんです。


ていうか、それがもっとひどい。


女の人が「お姉さん」という時の韓国語は「おんに」といいます。


ちょっと高級な店とか行くと向こうも「お客様」って呼んでくるんですが、


わりとカジュアルな感じだとその「おんに」のオンパレード。



「これは今年流行りの色ですよ、おんに~」


「こっちの色の方が似合いますよ、おんに~」


「まけとくから今買わないと、おんに~」


「そんなんじゃ韓国の冬は越せないわよ、おんに~」



・・・・ただただ圧倒です。



韓国にはそこらじゅうにネイルサロンがあります。


こっちに来た当初友達もおらず、


手持無沙汰でどうしようもなかったので


「やれ、ネイルでも行ってみようかな」と思い立ちます。


学校の近くにもたくさんあるんですが、


何しろ友達がいないのでどこがいいのか全然わかりませんでした。


そこでたぶんどこでも似たようなもんだろうと踏んで、


駅の近くの1番分かりやすい店に行ったんです。



その店には3人の女の人がいましたが、


入った瞬間から3人が3人とも



「いらっしゃい、おんに~」


「1人なの、おんに~」


「こっち来て座って、おんに~」


「あれ、韓国語分からないの、おんに~」


「外国人なのね、おんに~」


「日本人なのおんに、ああ、やっぱりそうだと思ったわ、おんに~」



と、「おんに」をまくしたてたので


私は若干の恐怖さえ感じました。



今でも私の韓国語はひどいものですが、


その時には普通のスピードで話される韓国語に慣れていなかったこともあり


会話の展開の早さについていけず、


ずっと


「あ、あわわ、あわあわあわ・・・」


となる私を見て、そのお店の女の人たちは怪訝な顔をし、


少しだけゆっくり話し始めました。



店員:「おんにはどうして韓国にいるの?」


店員:「韓国語勉強してるのおんに、そうなんでしょ、おんに~」


私: 「は、はい・・・」


店員:「じゃあそこの学校にいるのね、おんに~」


私: 「は、はい・・・」


店員:「おんに、どの色がいいの?」


私: 「あ、あの・・・」


店員:「赤?ピンク?オレンジ?おんにが好きな色言わないと、おんに~」


私: 「や、あの・・・」


店員:「も~!!!おんには~!!早く言わないと、おんに~!!」



こんな調子でしたが仕事は早くて適格でした。


帰るときには


「頑張って韓国語勉強するのよ、おんに~」


と言って送り出してくれた店員さんたち。




2週間後、次は違う店に行っても良かったのですが、


新しい所に冒険に行くのがめんどくさかった私は、


おびえながらも結局同じ店に。



「いらっしゃい、おんに~」


「あれ、また来たのね、おんに~」


「韓国語は勉強したの、おんに~」


「あれ、このおんにほんとに勉強したのかしら、さぼったんでしょ、おんに~」


「勉強したのにどうしてまだそんなに韓国語が下手なのよ、おんに~」



と、今度も容赦ない「おんに」の襲撃に遭いますが、


やはり仕事は早くて適格。


う~~~ん・・・


悩みながらも結局その次も同じ店に。




「いらっしゃいおんに~」


「あれ、また来たの、おんに~」


「また一人で来たのね、おんに~」


「まだ友達ができないの、おんに~」



う~ん・・・・


悩みながらも結局回数を重ねます・・・




「いらっしゃいおんに~」


「ちょっと~じゅんこおんにが来たわよ~」


「彼氏はまだできないのね、じゅんこおんに~」



う~ん・・・・


行ってるうちにどうやら名前を覚えてくれたみたいです・・・




そうこうしているうちになんとなく常連になった私。


行くたびに


「韓国の男とは」


「韓国で友達を作るには」


「今このドラマが熱い!」


「俳優ならこいつだ!」


「韓国の悪い女とは」


などなどの講義をマシンガンのように「おんに」が飛び交う中受け続け、


そしてこの間行った時にはついにこのようなお言葉を賜ります。




店員:「ちょっとは韓国語上達したじゃないの、じゅんこおんに~」


私: 「わ、ほんとにそう思いますか?」


店員:「うん、初め来た時に比べたらほんとにうまくなったじゃない、おんに~。

    ね、あんたもそう思うでしょ?」


店員:「うん、そうね、上手になったわ、じゅんこおんに~」


私: 「ふふふ」




なんだかんだで結局、ネイルはこれからもずっとその店かもしれません。


次行く時には何か差し入れを持って行こうかと考え中なのです。