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読書感想文的書評

書評などと言えるものではございませぬ。

僕たちの前途/講談社
¥1,890
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僕たち(教員)の前途って話になると、給料やら退職金が減るやらであまり楽しそうな話にはならなそうなのだけど、本書はそういう類の本ではない。


おそらく年配の方たちからは好かれないであろう若手社会学者の古市憲寿氏による若者論『絶望の国の幸福な若者たち』のつづきのような感じ。


基本的には現代の起業家論。


いま起業ってどうなの?といった感じの。



前半は若手起業家のインタビュー。


 古市氏が所属する社員3人の会社。


 東京ガールズコレクションのプロデューサー。


 映画を撮った俳優。


後半は社会学者(って一体何する人かよくわかんないけど)らしく、起業を含めた働き方についてのお話。



そして巻末には社長になった島耕作との対談と、田原総一朗との対談が2つ。



読み応え抜群の内容なんだけど、この人の本の面白いところは脚注の多さ。


述べ567個の脚注付き。


これがまぁちょこちょこ笑える脚注ばかりなので、後半の内容はわりとめんどくさかったりするんだけど、飽きさせず読ませてくれるわけです。



いきなり本書を読むよりは、まず『絶望の国の幸福な若者たち 』を読んでみてください。






指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)/新潮社
¥515
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美食家・来栖けいは美味しいと思ったものでも3ヶ月たってから文章にするらしい。


そのくらい味が記憶に残らないのなら、それはきっと美味しくなかったのだと。



家で平積みになっている、「この2ヵ月で読んだ本」のタワーと、「これから読む本」のタワー。


「読んだ本」タワーの下の方の背表紙を眺めてみる。


「あれ?コレ読んだっけ?」


と、忘れかけてる自分に気付くが、これはこの本が面白くなかったからではなく、僕の記憶力の問題なのである。




太平洋戦争末期の特攻。


神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、軍神となった関行男大尉。


敗戦を知らされないまま、玉音放送後に最後の特攻隊員となった中津留達雄大尉。


2人は海軍兵学校の同期で、共に23才で亡くなった。



二人の短い人生と、特攻に至るまで、そして最期。



この男たちは実在した。


ノンフィクションだけど、小説のようでした。





海賊とよばれた男 上/講談社
¥1,680
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百田尚樹の新刊ということで図書館に入れてもらって、一番乗りで借りてきた。

主人公は国岡鐵造と名前を変えてあるけど、出光興産の創業者・出光佐三の自伝的小説。

出光といえばウルトラマンがCMやってた誰もが知るガソリンスタンド。

一代でこの石油会社を築いた出光佐三。

タイムカードなし、定年なし、クビなし、なんてやってのける経営者。

戦後に会社の財産をほとんど失っても、一人のクビも切らなかった出光。

小説だから脚色したところはあるんだろうけど、もうこの人かっこよすぎる。

もはや『竜馬がゆく』とかと並ぶくらいの立身伝であり、冒険小説だと思う。

ここに登場する男たちは実在した。


プリズム/幻冬舎
¥1,575
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単行本はなかなか買う気になれないんだけど、学校の図書館て便利なもので司書の先生にリクエストすると大体取り寄せてもらえる。


そして今の学校は生徒が読むのはマンガばっかりなので、すぐに借りられるわけなのです。


『永遠のゼロ』で百田尚樹のファンになったのでコレも取り寄せてもらって、一晩で読んだ。



ネタバレすると面白くないので、あんまり内容は言えないんだけど、やっぱり好きな作家の作品であっても、僕は恋愛モノはダメだ。


帯には「泣ける」的な文句が満載だけど、何も感じなかった。


テーマは面白いと思うんだけど。


心が腐っているからかしら。



司書の先生、せっかく入れてもらったのにすいません。






落日燃ゆ (新潮文庫)/新潮社
¥704
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猪瀬直樹の『東条英機処刑の日』 で奇妙な歴史の符合に惹かれて以来、太平洋戦争開戦に至るまでの本はいろいろ読んだ。


いよいよ戦後。


東京裁判について読みたいなと思っていたところ、本書に出会った。



東京裁判では東条英機を含むA級戦犯7人が絞首刑を宣告された。


ただ、その7人のうち6人は軍人で、1人だけ文官がいた。



それが広田弘毅。


広田の生い立ちから外務省入省、外務大臣、首相、そして戦犯とされるまでをたぶんとんでもない取材の量で裏付けて描いている。


城山三郎がこの小説を書いたのは40年近く前なのに、全然古さとか感じない。



司馬遼太郎によって坂本龍馬や土方歳三のイメージが変わったように、この小説によって、広田のイメージも変わったんだろうと思う。


だって、かっこいいんだもの。



これはオススメですよ。


歴史を知らなければ未来は語れぬのですから。